アメリカが10日以降に撃墜した飛行物体は米気象台の気球の可能性?【中国問題グローバル研究所】
米政府高官は14日、「10日以降に撃墜した飛行物体は商業目的か研究用だった可能性がある」と言い、16日にはバイデン大統領までが同様のことを言っている。背景には何が?米気象台のツイートから考察する。
◆ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官の発言
2月14日、ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は、「10日以降に3日連続で撃墜した飛行物体について、残骸を回収できていないため明確なことは言えない」とした上で、「商業目的や研究用の気球だった可能性もありうる」との見方を示した。10日以降、3日連続というのは以下のことを指す。
2月9-10日:アラスカ州デッドホース上空
2月10-11日:アラスカ上空-カナダユーコン準州上空
2月11-12日:モンタナ州上空-ミシガン州ヒューロン湖上空
カービーの発言はアメリカのメディアだけでなく日本のメディアでも報道されている。
アメリカのメディアでは、たとえば2月14日にPOLITICOが発表した<Objects shot down aren’t from China, likely ‘benign,’ Kirby says(撃墜された物体は中国からのものではなく、おそらく「有益なもの」だとカービーが言った)>(※2)などを挙げることができる。
そこにはIntelligence officials believe the objects could be “tied to some commercial or benign purpose.”(諜報当局は、物体は「商業目的または有益な目的と関係している」可能性があると考えている)というサブタイトルさえある。
報道の概略を示そう。
・アメリカが先週末に(筆者注:報道は火曜日なので2月10日~12日に)北米上空で撃墜した3つの未確認物体に関して、今のところ、それが中国のスパイ気球プログラムの一部であることを示すものは何も見当たらないことを確認している」とカービーは記者団に語った。
・諜報当局は、中国のスパイ気球がサウスカロライナ沖で撃墜された1週間後に撃墜された物体は、「何らかの商業的または有益な目的に関連している可能性がある」と見ていると、カービーは述べた。
・物体が何であるかに関してはまだ不明で、行政当局はほとんど詳細を提供していない。(以上、POLITICOの記事)
ここでPOLITICOは「benign」という単語を用いているが、これは「慈悲深い、温和だ、有益な、環境に害を与えない、(医学的に腫瘍などが)良性の」などの意味がある。
一方、ニューヨーク・タイムズ(※3)ではmight be that they were operated by private companies or research institutes(もしかしたらそれらの物体は個人的な商業用か研究用に用いられたのかもしれない)と、「research institutes」という言葉をストレートに用いているので、日本のメディアでは一斉に「商業目的か研究用の気球」という表現で報道されるようになったのだろう。たとえば日テレNEWS の<商業目的や研究用の気球だった可能性も…米軍が10日以降に撃墜した3つの飛行物体>(※4)などを挙げることができる。
問題は、なぜカービーは突然「トーンダウン」してしまったのか、である。
◆11日に、米気象台のスタッフが「あれは米気象台の気球の可能性」とツイート
実はカービーが記者発表する3日前の2月11日、ハンドルネーム「altNOAA」という人物が、以下のようなツイート(※5)をしているのを発見した。NOAAというのはNational Oceanic and Atmospheric Administration(アメリカ海洋大気庁)の頭文字を取ったもので、この機関はアメリカ合衆国・商務省の機関の一つである。つまりアメリカ政府の機関であるといことだ。
それを頭に入れた上で、altNOAA氏のツイートを見てみよう。
――私はまだ間違っているかもしれませんが、気球はアラスカ州コッツェビューの国立気象局 WSO から(アラスカ標準時間の)午前2時頃に打ち上げられたようです。これは12zデータを対象としていました(筆者注:この「z」は、この後に出て来るZulu time=ズールー時間=国際標準時のことを指すものと推測できる)。気球は1日2回、ズールー時間の00時と12時の約1時間前に打ち上げられます。東部時間午前6時。(以上、ツイート引用)
altNOAA氏は、このアカウントはNOAAの非公式アカウントであると自称しているが、しかし「NOAAの予測に限りなく近い」ものであり、かつベテランが管理しているという説明がある。
◆16日、バイデン大統領までが「研究用」しかも「気象研究用か」と表明
2月16日、バイデン大統領はホワイトハウスで演説し、<最近の飛行物体に対するアメリカの対応>(※6)に関して語った。
それによればバイデンは以下のように語っている。
・これら3つの物体が何であったのかはまだ正確にはわかっていないが、少なくとも現在のところ、それらが中国のスパイ気球プログラムに関連していたことや、他の国からの監視用輸送機関であったことを示唆するものは何もない。
・諜報機関の現在の評価では、これらの3つの物体は、民間企業、レクリエーション、または気象研究やその他の科学研究を行う研究機関に関係する気球である可能性が最も高いということだ。(以上、バイデンの演説の引用)
何のことはない、「気象研究」とまで言っているではないか。
ということは、altNOAA氏がツイートしたように、実はアメリカの気象台が打ち上げた気球が流れていった可能性は高い。
だとすれば、NOAAはアメリカ政府の機関なので、当然、内部情報としてaltNOAA氏がツイートした内容が諜報当局に伝わっていることだろう。
だからカービーがあわてて「トーンダウン」し、バイデンまでが「気象研究」とまで言ってしまうという方向に動いたと解釈するのが妥当かもしれない。
日本では「対中配慮」など、さまざまな憶測が飛んでいるが、このようなツイートがあったことをお知らせしたい。
これをどう判断するか。
その真相究明は、今後の日本の対気球対策にも多少の影響をもたらすかもしれない。日本政府が真相を究明する勇気を持つことを期待したい。
追記:2月16日、アメリカのAVIATION WEEKは<もしかしたら、行方不明になったあの気球は米軍によって撃墜されたのではないだろうか?>(※7)という憶測が気球愛好家の間で広がっていることを報じた(リンク先にHobby Clubの人たちの写真あり)。日本でも17日に共同通信が<米戦闘機、愛好家の気球を撃墜? カナダ上空、11日から不明>(※8)と報じている。バイデン大統領が弁明(演説)の中で「気象研究」とともに「レクリエーション」という可能性も入れたのは、このことを指しているのだろう。つまり米軍F22戦闘機が放つミサイルによって撃墜された気球の中には、米気象台の気球やら愛好団体の気球やらが入っていたことになろうか。
写真:ロイター/アフロ
(※1)https://grici.or.jp/
(※2)https://www.politico.com/news/2023/02/14/objects-shot-down-arent-from-china-likely-benign-kirby-says-00082876
(※3)https://www.nytimes.com/2023/02/14/us/politics/ufo-balloons-flying-objects.html
(※4)https://news.yahoo.co.jp/articles/14478ee95d30b5e4bc246439aed168a8cde40a7a
(※5)https://twitter.com/altNOAA/status/1624245658843586560
(※6)https://www.whitehouse.gov/briefing-room/speeches-remarks/2023/02/16/remarks-by-president-biden-on-the-united-states-response-to-recent-aerial-objects/
(※7)https://aviationweek.com/defense-space/aircraft-propulsion/hobby-clubs-missing-balloon-feared-shot-down-usaf
(※8)https://nordot.app/999233276919644160
<CS>
「大きな進展だ!」 トランプ大統領、赤沢経済再生相と会談後に投稿
紀藤正樹弁護士、広末涼子釈放に「早期釈放はよかった」一方「最終処分は今後です」
米タイム誌「世界の100人」に真田広之さん、YOSHIKIさんら
「黒ひげ危機一発」 人形が飛び出したら勝ちに〝原点回帰〟
アブダビが世界の医療イノベーションを推進するライフサイエンス・クラスターを発足、市場規模25.3兆ドルを到達する見込み
【欧州CL】「インテルはあきらめない」主将ラウタロ・マルティネスがCLでクラブ初5戦連発
NEC社員が「サイバー捜査官」に 警視庁、任期付きで初採用
三菱地所ホテルズ&リゾーツ、「ザ ロイヤルパークホテル 舞浜リゾート 東京ベイ」を2026年1月開業
大谷翔平の大リーグ盗塁成績/一覧
大谷翔平の「ジャッキー・ロビンソン・デー」成績/一覧
昨年引退した元AV男優しみけん「やめてよかったですか?」問いに即答「うん」その理由とは?
42歳ブレイキングダウン選手、東京駅でケンカ売られ取った行動に「尊敬する」「真似しよ」X拍手
八代亜紀さんのヌード写真封入アルバム発売、所属事務所が「警察にも相談中」公式コメントを発表
万博トイレに不満や疑問噴出 元宝塚女優「なんでこんな事をするのだろう」
21歳元グラドルが免許合宿でのセクハラ報告、教官に言われた衝撃ワードを告発→大問題→教官退社
辛坊治郎氏「この惨状をメディアが報じないので改善は?」と疑問 大阪万博の初日リポート
武蔵野東学園、卒業生らに7億円を請求 在学中に理事長を刑事告訴
60歳女優“性接待””やらせ”激白「今晩相手してよね」拒絶後「降ろされた」教授初講義で
元プロ野球選手大島康徳さんの妻奈保美さん「私はずーっと耐えてきました」執拗な誹謗中傷に怒り
八代亜紀さん「ヌード写真付きCD」発売 熊本知事「許しがたい」
多部未華子(30)結婚の裏事情あまりにも恐ろしすぎると話題に!
二階堂ふみが結婚!?お相手が衝撃的過ぎてネット民「マジか・・・」
中居正広氏、14年前に脳科学者が「女性におぼれて芸能界追放」と“予言” X騒然「すごい」
広末涼子容疑者は奈良から車で移動中だった「なかなか厳しいのでは」識者が疑問呈す
広末涼子容疑者の元夫キャンドル・ジュン氏が繰り返した語った言葉「心が…」がネットで再注目
自称広末涼子容疑者逮捕「涙出てくる。悔しい」“本物”は全国TVで社長の苦悩語ったばかり
孤独のグルメで旨そうだった「トマトの酢漬け」のおいしい作り方! フレッシュな旨味がキューッとくるっ
小澤征悦と再婚した桑子真帆アナ(34)黒い過去が流出、衝撃の過去にネット騒然
昨年引退した元AV男優しみけん「やめてよかったですか?」問いに即答「うん」その理由とは?
広末涼子容疑者の逮捕は“異例”弁護士見解に小説家の医師「我々はサンドバッグじゃなくて人間」

「大きな進展だ!」 トランプ大統領、赤沢経済再生相と会談後に投稿
紀藤正樹弁護士、広末涼子釈放に「早期釈放はよかった」一方「最終処分は今後です」
米タイム誌「世界の100人」に真田広之さん、YOSHIKIさんら
「黒ひげ危機一発」 人形が飛び出したら勝ちに〝原点回帰〟
アブダビが世界の医療イノベーションを推進するライフサイエンス・クラスターを発足、市場規模25.3兆ドルを到達する見込み
【欧州CL】「インテルはあきらめない」主将ラウタロ・マルティネスがCLでクラブ初5戦連発
NEC社員が「サイバー捜査官」に 警視庁、任期付きで初採用
三菱地所ホテルズ&リゾーツ、「ザ ロイヤルパークホテル 舞浜リゾート 東京ベイ」を2026年1月開業
大谷翔平の大リーグ盗塁成績/一覧
大谷翔平の「ジャッキー・ロビンソン・デー」成績/一覧