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19日の香港市場概況:ハンセン2.7%高で4日続伸、売買代金過去最大


19日の香港市場は大幅に値上がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比779.51ポイント(2.70%)高の29642.28ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が271.81ポイント(2.37%)高の11734.33ポイントとそろって4日続伸した(ハンセン指数は約1年8カ月ぶりの高値)。「ニューエコノミー」関連で構成されるハンセン科技指数は2.8%高。指数算出以来の高値を連日で更新した。売買代金は3015億8000万香港ドルに膨らみ、過去最大を記録している。3000億香港ドル台に乗せるのは初めて(18日は2243億9700万香港ドル)。


中国の景気期待が強まる流れ。昨日公表された2020年の国内総生産(GDP)成長率が予想を上回り、主要国でプラス成長を唯一確保したとみられることが引き続き材料視された。第4四半期(10〜12月)のGDP成長率は前年同期比6.5%。市場予想(6.2%)以上に前四半期(4.9%)から加速し、コロナ前の水準を超えている。また、国家発展改革委員会(発改委)の高官は19日、小規模企業は依然として回復途上にあるとしたうえで、中国は今年も景気回復に必要な措置を講じると述べた。


本土マネーの流入も追い風。18日の香港株式マーケットでは、中国本土との相互取引スキームを通じた買い越し額が229億7000万香港ドル(約3070億円)に達し、先週11日に付けた単日の過去最多を再び更新した。市場関係者によると、中国の景気回復、本土株に比べた値ごろ感などが本土資金流入を後押ししているという。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、中国政府系デベロッパーの華潤置地(1109/HK)が10.2%高、スポーツシューズ生産・販売の安踏体育用品(ANTAスポーツ・プロダクツ:2020/HK)が9.4%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が7.9%高と上げが目立った(安踏と舜宇は上場来高値)。そのほか、取引所運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)が3.9%高の501.00香港ドルと続伸し、連日で上場来高値を更新。心理的節目の500香港ドルを初めて突破した。資金流入や新規株式公開(IPO)の活発化で手数料収入などが増加すると期待されている。


セクター別では、中国の不動産が高い。上記した華潤置地のほか、中国恒大集団(3333/HK)が15.7%、融創中国HD(1918/HK)が9.3%、世茂房地産HD(813/HK)が8.9%、中国金茂HD(817/HK)が8.8%、碧桂園HD(2007/HK)が6.6%ずつ上昇した。中国恒大集団は昨日引け後、自己資金により社債を繰り上げ償還したと報告。財務体質の強化が期待された。


中国の発電セクターもしっかり。中国電力国際発展(2380/HK)が6.6%高、大唐国際発電(991/HK)が5.7%高、華電国際電力(1071/HK)が5.4%高、華潤電力HD(836/HK)が4.1%高、華能国際電力(902/HK)が3.4%高で取引を終えた。発改委は19日の記者会見で、2020年の電力消費が19年比で3.1%増加したことを明らかにしている。


旅行・レジャー関連の銘柄群も物色される。中国3大エアラインの中国南方航空(1055/HK)が5.5%高、中国国際航空(753/HK)が4.2%高、中国東方航空(670/HK)が3.1%高、空港運営・管理の北京首都国際機場(北京首都空港:694/HK)が3.3%高、旅行予約サイトの同程芸龍HD(780/HK)が2.4%高、ホテル大手チェーンの上海錦江国際酒店集団(2006/HK)が2.3%高、マカオ・カジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が2.7%高、子会社を通じて映画館を運営するアイマックス・チャイナHD(1970/HK)が3.2%高と値を上げた。


一方、本土市場は3日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.83%安の3566.38ポイントで取引を終了した。消費関連株が安い。自動車株、ハイテク株、海運株、防衛関連株、インフラ関連株、素材株、医薬品株、保険株なども売られた。半面、不動産株、発電株、金融株は買われた。

亜州リサーチ(株)


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