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11日の香港市場概況:ハンセン0.3%安で5日ぶり反落、規制警戒でアリババ9.8%安


11日の香港市場は小幅に値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比74.50ポイント(0.28%)安の26226.98ポイントと5日ぶりに反落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が45.55ポイント(0.43%)安の10541.34ポイントと続落した。売買代金は2674億5700万香港ドルに膨らみ、今年最多を記録している(10日は2338億600万香港ドル)。


米ハイテク株安が重し。昨夜の米株市場では、ナスダック指数が1.4%安と続落した。また、ネット企業への規制強化検討も関連銘柄にとっての逆風となっている。国家市場監督管理総局は10日、「プラットフォーム経済分野(ネット上に場を提供するビジネスモデル)の独占禁止ガイドライン」の草案を発表し、意見募集を開始した(30日まで)。もっとも、大きく売り込む動きはみられない。米中関係の改善期待が根強いことや、原油高(WTI原油先物は2.7%高で続伸)などが支えとなった。ハンセン指数はプラス圏で推移する場面もみられている。(亜州リサーチ編集部)


ハイテクやITの「ニューエコノミー」に売りが先行。ハンセン科技指数は6.2%安と続落した。組み入れウエート上位の「ATMX」銘柄では、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が9.8%安、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が7.4%安、美団(メイトゥアン:3690/HK)が9.7%安、小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が8.2%安で取引を終えている。メディア報道によれば、上述したネット企業の規制はアリババやテンセントなどが対象となる見込みだ。


ハンセン指数の構成銘柄では、上記したアリババやテンセント、小米のほか、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(シェンヂョウ・インターナショナル・グループ・ホールディングス:2313/HK)が7.5%安と下げが目立つ。大株主による保有株の一部売り出しが嫌気された。


セクター別では、半導体が急落。華虹半導体(ファホンセミコンダクター:1347/HK)が14.1%安、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が7.2%安、上海復旦微電子集団(1385/HK)が6.0%安と値を下げた。半導体ファウンドリ中国大手の華虹半導体は昨日引け後、7-9月期の6割減益を明らかにしている。


半面、石油生産・化工、石炭、天然ガスなどエネルギー関連は高い。中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が5.1%、中国石油化工(サイノペック:386/HK)が3.4%、中国神華能源(1088/HK)が4.2%、エン州煤業(1171/HK)が3.7%、新奥能源HD(ENNエナジー:2688/HK)が6.5%、昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が2.7%ずつ上昇した。


ゼネコンや建機、素材などインフラ建設セクターも物色される。中国鉄建(1186/HK)が11.7%高、中国交通建設(1800/HK)が8.4%高、中国中鉄(390/HK)が6.5%高、中聯重科(1157/HK)と中国龍工HD(3339/HK)がそろって3.7%高、中国建材(3323/HK)が10.7%高、華潤水泥HD(1313/HK)が7.1%高、鞍鋼(347/HK)が5.1%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が3.9%高で引けた。国民経済・社会発展の新5カ年計画(2021-25年)は来年始動する。インフラ投資が加速すると期待される中、出遅れセクターとして改めて注目された。


一方、本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.53%安の3342.20ポイントで取引を終えた。ハイテク株が安い。医薬品株、自動車株、海運株、メディア関連株なども売られた。半面、インフラ建設関連株は高い。エネルギー株、不動産株、公益株、金融株の一角も買われた。

亜州リサーチ(株)




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