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3日の香港市場概況:ハンセン0.6%安で3日続落、減益決算でHSBC4.4%下落


週明け3日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比137.22ポイント(0.56%)安の24458.13ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が6.76ポイント(0.07%)安の10033.20ポイントとそろって3日続落した。売買代金は1304億5700万香港ドルにやや拡大している(7月31日は1191億5400万香港ドル)。(亜州リサーチ編集部)


米中対立の警戒感が強まる流れ。トランプ米大統領は7月31日、データの安全保障を理由に「ティックトック米国事業」の禁止方針を明らかにした。また、米財務省は同日、新疆ウイグル自治区でウイグル族に対する「深刻な人権侵害」に関与したとして、準軍事組織の「新疆生産建設兵団」と関係者2人に制裁措置を発動したと発表している。

香港の政治不安も浮上。香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は7月31日、立法会(議会)議員選挙を1年延期すると発表した。延期の理由について林鄭長官は、大勢の人が集まる選挙は新型コロナ感染リスクが高く、またそのために高齢者が投票を断念する恐れがあると指摘。一方、民主派は延期の決定について「建制派(親中派)は負けを認めるのを恐れている」と批判した。選挙延期については、米国なども非難している。

もっとも、大きく売り込む動きはみられない。景気持ち直し期待などで本土株が大幅続伸するなか、香港の各指数も引けにかけて下げ幅を再び縮小した。朝方公表された7月の財新中国製造業PMI(民間集計)は予想(51.1)を上回る52.8で着地し、約9年半ぶりの高水準に達している。

ハンセン指数の構成銘柄では、金融大手グループのHSBC(5/HK)が4.4%安、香港大手行の恒生銀行(11/HK)が2.9%安と下げが目立った。HSBCは3日昼、6月中間期の税引前65%減益を報告。あわせて、20年内の配当実施を見送る方針を表明した。投資家の失望が広がり、後場に入り下げ幅を拡大している。また、恒生銀行が昼に報告した中間業績も33%減益に落ち込んだ。香港拠点の不動産も安い。恒隆地産(101/HK)が2.7%、太古A(スワイヤ・パシフィックA:19/HK)が1.7%ずつ下落した。

半面、非鉄や建材、鉄鋼など素材セクターは物色される。洛陽モリブデン集団(3993/HK)が3.2%高、江西銅業(358/HK)が3.1%高、中国建材(3323/HK)が5.2%高、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が4.3%高、鞍鋼(347/HK)が2.3%高と値を上げた。安徽海螺水泥は過去最高値を更新している。国務院安全生産委員会が7月31日に開いた会議では、甚大な洪水被害を踏まえ、李克強首相が「対策の強化」を強調している。国土復興・強靭化の需要増が期待された。
半導体や通信設備・工事などハイテク関連セクターも高い。中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が4.9%、華虹半導体(1347/HK)が4.3%、京信通信系統HD(2342/HK)が4.6%、中国通信服務(552/HK)が1.6%ずつ上昇した。

本土市場は大幅続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比1.75%高の3367.97ポイントで取引を終えた。ハイテク株が高い。証券株、メディア関連株、運輸株、自動車株、防衛関連株、銀行・保険株、不動産株、医薬品株、インフラ関連株など幅広く買われた。

亜州リサーチ(株)




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