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29日の香港市場概況:ハンセン2.0%安で続落、石薬集団9.7%下落


29日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比547.24ポイント(2.03%)安の26346.49ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が260.05ポイント(2.46%)安の10301.82ポイントとそろって続落した。売買代金は894億6400万香港ドルとなっている(28日は761億7800万香港ドル)。

域内経済の先行き懸念が依然としてくすぶる流れ。米国で「香港人権・民主主義法」が成立するなか、「海外投資家は香港に対する慎重姿勢を一段と強める」との警戒感が広がった。香港では28日夜、法成立を歓迎する集会が開かれ、数千人の市民が星条旗を掲げて参加している。ネット上では、「29日から週末、来週にかけて反政府派が再びデモ行動する」と投稿された。香港の反政府行動は落ち着きつつあるとの見方はあるものの、週末を控えているだけに、投資家のリスク回避スタンスが高まっている。

ハンセン指数の構成銘柄は全面安。石薬集団(1093/HK)が9.7%安、中国生物製薬(1177/HK)が4.9%安、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が3.2%安、碧桂園HD(カントリー・ガーデン・ホールディングス:2007/HK)が3.0%安と下落率上位に並んだ。石薬集団に関しては、資金提供した同業の新薬開発が成果を出していないことを売り材料視している。また、当局の薬価引き下げ圧力が業績を圧迫するとの懸念も改めて意識された。国家医療保障局と人力資源社会保障部は28日、「2019年版 国家基本医療保険・工傷保険・生育保険リスト乙類」の価格交渉結果と完成版を発表。医薬品リストには70の新薬が採用され、メーカー側との価格交渉で妥結した薬品では平均61%の値引きが決定された。

業種別では、中国の医薬セクターが安い。上記した石薬集団と中国生物製薬のほか、三生製薬(1530/HK)が5.8%、創医療科学(853/HK)が5.1%、康哲薬業HD(867/HK)が4.5%、上海復星医薬(2196/HK)が3.5%ずつ値を下げた。

中国金融セクターも軒並み売られる。招商銀行(3968/HK)が3.0%安、中国工商銀行(1398/HK)が2.8%安、中国人民財産保険(2328/HK)が3.6%安、中国太平洋保険集団(2601/HK)が3.0%安、中信証券(6030/HK)が2.6%安で引けた。

このほか、中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が2.7%安と反落。同社株は上場初日から前日(28日)まで3日続伸し、累計では公募価格(176.00香港ドル)比で15.9%上昇していた。

一方、本土市場は3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.61%安の2871.98ポイントで取引を終えた。医薬品株が安い。食品飲料株、銀行・保険株、資源・素材株、空運株なども売られた。半面、ハイテク株はしっかり。不動産株と自動車株の一角も買われた。

【亜州IR】




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