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8日の香港市場概況:ハンセン1.5%安で4日続落、吉利汽車と華潤置地が4.1%下落


週明け8日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比443.14ポイント(1.54%)安の28331.69ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が169.90ポイント(1.56%)安の10725.20ポイントとそろって4日続落した。売買代金は757億500万香港ドルに拡大している(5日は562億2200万香港ドル)。

内外環境の不透明感が重し。米市場で高まっていた大幅利下げの思惑が薄れるなか、先週末の欧米株が売られた流れを継いだ。香港域内の社会混乱に対する不安もくすぶる流れ。中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案の撤回を求め、反対派は7日、大規模なデモを再び実施した。また、近く始まる米中通商協議の成り行きを見極めたいとするスタンスも強まっている。

ハンセン指数の構成銘柄はほぼ全面安(50のうち49が下落)。民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)と中国政府系デベロッパーの華潤置地(チャイナ・リソーシズ・ランド:1109/HK)がそろって4.1%安、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が3.6%安、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が3.4%安と下落率上位に並んだ。吉利汽車に関しては、大手ブローカーが「製品ライフサイクルの黄金期は過ぎ去った」などと指摘し、投資判断を引き下げたことが引き続き売り材料視されている。不動産株に関しては、「金融当局は不動産信託の伸びを抑制するよう窓口指導している」と伝わったことが嫌気された。

業種別では、海運・空運が安い。中遠海運能源運輸(1138/HK)が4.2%、中遠海運HD(1919/HK)が1.9%、中国東方航空(670/HK)が3.3%、中国南方航空(1055/HK)と中国国際航空(753/HK)がそろって3.0%ずつ値を下げた。

中国不動産セクターもさえない。上記した華潤置地(1109/HK)のほか、碧桂園HD(2007/HK)が3.2%安、広州富力地産(2777/HK)が2.9%安、中国海外発展(688/HK)が2.5%安、雅居楽集団HD(3383/HK)が2.3%安で引けた。

他の個別株動向では、企業向けソフトウエア開発大手の金蝶国際軟件集団(金蝶国際ソフト:268/HK)が13.5%安と急落。同社は2019年6月中間期の業績に関し、30~40%減益になるとの見通しを示した。また、同社を巡っては、「物言う投資家」とも呼ばれる香港の株式評論家、デビッド・ウェッブ氏が5日、「金蝶国際ソフトの経営トップは中間期末の直前に自社株を売却した」と批判している。

このほか、大手スポーツ用品メーカーの安踏体育用品(ANTAスポーツ・プロダクツ:2020/HK)が7.3%安で後場に売買を一時停止した。空売りファンドのマディー・ウォーターズが7日、財務上の不正行為を指摘したことが株価下落の要因。マディー・ウォーターズは92ページに上るリポートの中で、一次代理店を利用して安踏は利益を不正に押し上げていると指摘した。

一方、本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比2.58%安の2933.36ポイントで取引を終えた。ほぼ全面安の商状。ハイテク株が急落した。保険株、空運・紙パルプ株、海運株、素材株、自動車株なども下げが目立っている。

【亜州IR】





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