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29日の香港市場概況:ハンセン0.6%安で反落、保険セクターは逆行高


29日の香港市場は小幅に値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比155.10ポイント(0.57%)安の27235.71ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が26.10ポイント(0.25%)安の10390.45ポイントとそろって反落した。売買代金は832億9700万香港ドルに縮小している(28日は1265億8000万香港ドル)。

米中貿易戦争の警戒感が重し。人民日報は29日、「米国に応酬する中国の力量を過小評価すべきでない」とする記事を掲載し、レアアースを対抗手段にする可能性を示唆した。それより先、トランプ米大統領は、「(対中関税を)大幅に引き上げることは非常に簡単だ」と語っている。ただ、下値は限定的。中国景気の先行き不安がくすぶるなか、中国当局は景気テコ入れ策を重視するとの見方が強まっている。指数は一時はプラス圏で推移した。

ハンセン指数の構成銘柄では、マカオ・カジノの金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が2.7%安、不動産デベロッパー香港大手の新鴻基地産発展(サンフンカイ・プロパティーズ:16/HK)が2.5%安、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が2.1%安、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が1.7%安と下げが目立った。

業種別では、カジノが安い。上記した金沙中国のほか、美高梅中国HD(MGMチャイナ・ホールディングス:2282/HK)が3.4%、澳門博彩HD(SJMホールディングス:880/HK)が2.2%、新濠国際発展(メルコ・インターナショナル:200/HK)が1.2%、銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が1.0%ずつ下落した。業界の先行きを不安視。ゴールドマン・サックスは最新リポートで、マカオの2019年カジノ収入見通しを下方修正。当初の「前年比プラス3%」から一転し、「3%のマイナス成長」に引き下げた。米中摩擦長期化の影響により、カジノ客が減少すると分析している。

半面、中国の保険セクターは軒並み高。中国人民財産保険(2328/HK)が5.0%、新華人寿保険(1336/HK)が3.9%、中国太平洋保険集団(2601/HK)が3.2%、中国人民保険集団(1339/HK)が2.4%ずつ上昇した。税務当局は29日、保険各社に対し税控除の拡大措置を通達。業績改善の期待が高まった。

他の個別株動向では、希土類製品・耐火材大手の中国稀土HD(チャイナ・レア・アース:769/HK)は23.5%高と急騰している。レアアース相場の上昇が手がかり。戦略資源としての重要性が高まると意識された。同業の稀ビ科技集団HD(レア・アース・マグネシウム・テクノロジー・グループ・ホールディングス:601/HK)も18.5%高と急伸している。

一方、本土市場は4日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.16%高の2914.70ポイントで取引を終えた。保険株が相場をけん引。ハイテク株、非鉄・レアアース株、食品・飲料株、発電・水道・ガス株も買われている。半面、不動産株はさえない。自動車株、医薬品株、メディア関連株、銀行株の一角も売られた。

【亜州IR】



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