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10日の香港市場概況:ハンセン0.2%高で5日続伸、中国生物製薬12%上昇


10日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比59.11ポイント(0.22%)高の26521.43ポイントと5日続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が36.38ポイント(0.35%)高の10394.59ポイントと6日続伸した。売買代金は956億6700万香港ドルとなっている(9日は1127億2900万香港ドル)。

企業業績の先行き不安がくすぶるなか、中国の政策に対する期待感が相場を支えた。朝方公表された昨年12月の物価統計では、生産者物価指数(PPI)の伸び率が前年同月比0.9%にとどまり、市場予想(1.6%)を大幅に下回ったことが明らかにされている。1日延長された米中の次官級貿易協議は9日に終了。中国商務部は10日、「互いに問題の解決に向けた基礎を築いた」との声明を発表した。

元高の動きもポジティブ。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元レートの対米ドル基準値を大幅な元高方向に設定した。上海外国為替市場では元高が進み、昨年8月以来の水準で推移している。

ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が11.6%高、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が7.6%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が5.4%高と上げが目立つ。石薬集団に関しては、自社の成長持続に自信を示し、19年の業績目標を20~30%増益に設定した。

業種別では、医薬品が高い。上記した中国生物製薬と石薬集団のほか、四環医薬HD集団(460/HK)が6.9%、薬明生物技術(2269/HK)が6.8%、広州白雲山医薬集団(874/HK)が3.3%、上海医薬集団(2607/HK)が1.5%ずつ上昇した。

元高メリットのある空運・紙パルプセクターもしっかり。中国東方航空(670/HK)が1.4%、中国南方航空(1055/HK)が1.2%、中国国際航空(753/HK)が1.0%、理文造紙(2314/HK)が3.4%高、玖龍紙業(2689/HK)が1.4%高で引けた。空運各社は米ドル建て債務の比率が高く、紙製品各社は原料を輸入しているため。

中国の自動車セクターも買われる。広州汽車集団(2238/HK)が7.1%高、華晨中国汽車HD(1114/HK)が5.5%高、長城汽車(2333/HK)が4.5%高、北京汽車(1958/HK)が4.3%高とそろって続伸。複数のメディアは8日、「国家発展改革委員会の寧吉テツ副主任がテレビ取材に応じ、自動車や家電など重点製品の消費を促すための政策を年内実施する方針を示した」と報じた。

一方、金融大手グループHSBC(5/HK)は1.1%安とさえない。同社は英国にも拠点を置くだけに、EU離脱問題の混迷化が不安視されている。ハンセン指数構成の同社株は、下落寄与度が27.5ポイントに達した。

本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.36%安の2535.10ポイントで取引を終えた。不動産がさえない。金融株、自動車株、消費関連株、公益株、医薬品株、インフラ関連株、海運株なども売られている。半面、空運株、ハイテク株の一角は物色された。

【亜州IR】




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