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10日の香港市場概況:ハンセン0.8%安で5日ぶり反落、本土系不動産セクターは急伸


10日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比240.68ポイント(0.84%)安の28366.62ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が76.85ポイント(0.70%)安の10943.08ポイントとそろって5日ぶりに反落した。売買代金は847億4700万香港ドルとなっている(9日売買代金は911億1500万香港ドル)。

海外株安が逆風。アジアの主要株価指数は軒並み下落し、グローベックスのNYダウ先物は下げ幅を広げている。人民元安の動きも警戒。上海外国為替市場ではこの日、再び元安の動きが加速し、約1年2カ月ぶりの安値をつけた今月3日水準に接近した。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元レートの対米ドル基準値を2日続けて元安方向に設定している。株価指数が9日まで4日続伸するなか、週末の利食い売り圧力も意識された。香港の各指数は、序盤に底堅く推移していたものの、中盤からマイナスに転じ、引けにかけて売りの勢いが増している。

ハンセン指数の構成銘柄では、香港拠点の金融や公益・インフラがさえない。恒生銀行(ハンセン銀行:11/HK)が3.5%安、東亜銀行(23/HK)が2.6%安、香港鉄路(MTR:66/HK)が2.2%安で引けた。香港地下鉄を運営する香港鉄路に関しては、手抜き工事発覚によるCEO引責辞任を引き続き嫌気。中間期の減益決算も重しとなっている。時価総額上位の金融株やエネルギー株、ネット・ハイテク株なども売られた。

空運セクターも下げが目立つ。中国南方航空(1055/HK)が3.6%安、中国東方航空(670/HK)が3.1%安、中国国際航空(753/HK)が2.6%安とそろって反落した。空運各社は米ドル建て債務の比率が高いため、人民元安が逆風となっている。

中国の発電セクターも安い。華電国際電力(1071/HK)が8.2%、華能国際電力(902/HK)が3.5%、中国電力国際発展(2380/HK)が3.2%、大唐国際発電(991/HK)が2.8%、華潤電力HD(836/HK)が2.3%ずつ下落した。

半面、中国不動産セクターは軒並み高。中国恒大集団(3333/HK)が8.0%、広州富力地産(2777/HK)が5.6%、雅居楽集団HD(3383/HK)が4.8%、中国海外発展(688/HK)が2.6%、万科企業(2202/HK)が2.0%ずつ値を上げた。雅居楽集団と広州富力地産はそれぞれ9日引け後、中間決算の大幅増益見通しを発表。中国海外発展の7月販売実績が好調だったこととあわせ、業界全体に好業績の期待が広まった。

他の個別株動向では、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が4.3%高と大幅続伸。4~6月期の純利益が8割増加し、売上高は四半期ベースの過去最高を更新した。このほか、増益と増配を発表したインフラ投資会社の越秀交通基建(1052/HK)は1.2%高と反発している。

本土市場は小幅続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.03%高の2795.31ポイントで取引を終えた。不動産株と医薬株が高い。ハイテク株、インフラ関連株、消費関連株なども物色された。半面、発電株は安い。時価総額上位の金融株、空運株、鉄鋼株、自動車株なども売られた。


【亜州IR】




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