28日の中国本土市場概況:上海総合0.2％安と3日ぶり反落、素材株さえない

28日の中国本土市場は値下がり。主要指標の上海総合指数は、前日比5.63ポイント（0.17％）安の3339.64ポイントと3日ぶりに反落した。上海A株指数も下落し、5.93ポイント（0.17％）安の3497.03ポイントで取引を終えている。

人民元安の進行が不安視される展開。中国人民銀行（中央銀行）は28日、人民元の対米ドル基準値を4日続けて元安方向に設定した。この日の上海外国為替市場では元売り（＝ドル買い）が進み、約1カ月ぶりの元安水準で推移している。国慶節・中秋節の大型連休（10月1～8日）を前に、買いを手控えるスタンスも高まった。今週末の9月30日に、今年9月の製造業PMIが報告されることも、様子見ムードを強めさせている。

業種別では、鉄鋼株が安い。馬鞍山鋼鉄(600808/SH)が2.1％下落した。この日の上海商品取引所で、鉄鋼市況が急落したことを嫌気している。非鉄株やセメント株、石炭や石油のエネルギー株なども売られた。元安がデメリットとなる大手空運株、紙・パルプ株なども下げが目立つ。空運各社は元建て債務の比率が高く、紙製品各社は原料を輸入しているためだ。不動産株も売られる。保利地産（600048/SH）が3.1％安、金地集団（600383/SH）が2.1％安で引けた。大型連休を前にして、中国の各地方都市は不動産引き締めをそれぞれ強化していることが改めて売り材料視されている。中国で「金九銀十」と呼ばれる9月と10月は、連休が多いことなどから不動産販売の繁忙期。ここにきて、販売増の期待が後退した格好だ。

半面、消費関連株の一角はしっかり。白酒（中国の蒸留酒）メーカー最大手の貴州茅台酒（貴州マオタイ：600519/SH）が2.0％高の518.46人民元に反発し、上場来の高値を更新した。大型連休中に消費が伸びるとの期待感が広がっている。ITハイテク関連株や、バイオ医薬関連株なども物色された。

外貨建てB株相場は値上がり。上海B株指数が0.35ポイント（0.10％）高の359.30ポイント、深センB株指数が2.62ポイント（0.22％）高の1187.81ポイントで終了した。

【亜州IR】



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