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シークス Research Memo(2):EMSを軸にワンストップサービスを提供


*11:02JST シークス Research Memo(2):EMSを軸にワンストップサービスを提供
■会社概要

1. 会社概要
シークス<7613>は、世界14ヶ国に製造拠点と販売拠点を約50拠点有し、成長を続けるEMSを軸に電子部品などの部材調達から物流、保守まで、様々な業種の顧客に代わって一気通貫したサービスを提供している。同社は特に車載関連機器など競合の少ない高付加価値分野を得意とし、モノづくりのワンストップサービス、グローバルネットワーク、部材調達力、製造技術力、テクノロジーパートナーとの協業、ケミトロニクスといった強みがある。現中期経営計画はEVの世界的な失速や中国市場の構造変化などを背景に数値目標は未達となる見込みだが、途中で方向性を見直して多様化などの戦略コンセプトを打ち出したことが奏功し、戦略目標は順調に進捗することができた。次期中期経営計画では多様化をさらに推し進め、長期的にはバイオ抗体医薬品CDMO(受託開発製造)事業を収益化する意向である。サカタインクスの持分法適用関連会社である。

サカタインクス貿易部から分社し発展
2. 沿革
1957年にインキメーカーである(株)阪田商会(現 サカタインクス<4633>)貿易部に輸出係が創設され、フィリピン向けに電子部品の輸出を行ったことが同社の“創業”である。設立以来、世界各地に次々と製造拠点と販売拠点を設立し、電子部品・デバイス、各種電気製品・電子機器、機械などの輸出入販売や三国間取引により海外事業を拡大してきた。1992年にはさらなる発展を期し、サカタインクスインターナショナル(株)として分社独立した。分社後は、民生機器のほか車載機器、産業機器などエレクトロニクス分野を対象に、部材調達、物流機能も併せたEMSを幅広く提供するユニークなグローバル企業として事業を拡大していった。1998年に社名をシークス(株)へと改称し、1999年に大阪証券取引所(以下、大証)市場第二部、2000年に東京証券取引所(以下、東証)市場第二部への上場を経て、2005年には東証一部・大証一部に指定された(現在は東証プライム市場)。

グローバル化がますます進む現在、創業当初から海外事業を拡大して築いてきた同社のビジネスモデルが、大きく飛躍する時代になったと言える。

製造の外部化で市場が拡大
3. EMS業界
EMSとは、顧客企業に代わって製造工程の一部や全部を製造するサービスで、同社は電子基板に電子部品を実装する事業を中心に営んでいる。機械産業や電子部品産業では様々な理由で製造の外部化が進み、EMS市場が拡大を続けている。

EMSはOEM(Original Equipment Manufacturer)やODM(Original Design Manufacturer)と混同されやすいが、OEMは他社ブランドの製品を相手の仕様に従って製造する形態で、設計は基本的に発注側が行い、受託側は製造に特化している。ODMは受託側が製品の設計から製造までを請け負う形態で、発注側はブランドや要求仕様だけを示す。OEM、ODMともに業種を問わない一般的な用語として使われる。EMSは、主に電子機器分野で使われる用語で、部品調達から実装、組立、検査、物流、場合によってはアフターサービスまで含めた製造プロセス一式を包括的に請け負う形態である。設計は発注側で行い、EMSは製造とその周辺業務を広くカバーすることになる。

なお、台湾TSMCなどのファウンドリという用語と混同しやすいが、EMSは電子機器全般の製造を行うのに対し、ファウンドリは主に半導体チップの製造を専門に行っている。また、自動車業界でOEMメーカーというと自動車メーカーを指す。

EMS市場の成長は、急速に拡大する半導体産業が主な推進力で、電子機器や関連製品のコストが上昇し続けるなか、特に電子化が進む機械産業においてEMS製造への依存が高まっている。AIサーバー、データセンター、半導体製造装置、産業用ロボット、車載、FPD(Flat Panel Display)、民生機器などで利用されているが、近年は高密度・多層・大型・高信頼・高放熱・検査/トレーサビリティなど、高品質が要求される案件が特に増えている。EMSは大きく品質指向と価格指向に分かれ、家電など一部の民生品はコスト面から品質への要求が高くなく、参入障壁は低い。一方、車載関連機器や産業機器、医療機器は品質要求が高く、その分障壁は高くなる。同社はこうした品質要求の高い案件の製品を得意分野としている。

機械産業においてEMSへの依存が高まってきた理由は、自動車のスマートフォン化など機械の電子化・電装化が不可逆的に進む一方、電子機器に不慣れな機械メーカーが電子化を外部に委託することが増えてきたためである。したがって、電子部品が広がるほどEMS市場が広がる構図になっている。また、選択と集中や世界的課題となってきた労働力不足も、メーカーが製造を外部に委託する動機となっている。グローバル規模で事業の水平分業や企業間のアライアンスなどが進展するなか、EMSはコスト削減や開発・生産のスピードアップに対するニーズの受け皿にもなっている。同社は、こうした業界動向に対応するため、海外生産子会社の増強や生産技術の向上、国内外のネットワークの拡充などに積極的に取り組んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)



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