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ラキール Research Memo(8):中間期は営業損失覚悟で先行投資


*11:08JST ラキール Research Memo(8):中間期は営業損失覚悟で先行投資
■ラキール<4074>の業績動向

1. 2026年12月期中間期の業績概要
2026年12月期中間期の業績は、売上高が3,937百万円(前年同期比8.1%減)、営業損失が71百万円(前年同期は営業利益606百万円)、経常損失が76百万円(前年同期は経常利益609百万円)、親会社株主に帰属する中間純損失が72百万円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純利益416百万円)となった。大きく減益になったのは、事業環境の変化やAIの進化を受け、製品サービスのAI化を加速するため投資を先行したことが要因である。

日本経済は、緩やかに回復しているものの中東情勢の影響を注視する必要がある状況にあり、先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支える一方、中東情勢や金融資本市場の変動の影響などに対する懸念が生じている。同社が属する情報サービス業界では、企業におけるDXの推進やクラウド型サービスへの移行といったニーズを背景に、様々な情報サービスに対する期待が高まっている。このような環境下、同社は、AIの進化に対応してLaKeel製品のAI化などラインナップや機能の拡充を進めるなどプロダクトサービスを中心に事業を展開し、顧客企業によるデジタル化、DX推進、AX推進の支援に努めた。

この結果、売上高については、プロフェッショナルサービスは伸長したものの、前期に好伸した反動でプロダクトサービスが伸び悩んだことなどにより減収となった。利益面では、利益率の高いライセンス販売が減少したこと、AI化への先行投資で製品開発原価や人材関連費用が増したことなどにより、営業損失となった。先行投資がなければおおむね想定内の営業利益を確保できた模様だが、営業損失を計上してまで先行投資を実行したことは、事業環境が急変するなかで、中期経営計画を前倒し達成して数値目標を着実に確保するための英断と言えよう。


HRは価格競争も、Bluは立ち上がり順調

2. サービス別売上高の動向
サービス別の売上高は、プロダクトサービスが2,280百万円(前年同期比18.8%減)、プロフェッショナルサービスが1,656百万円(同12.1%増)となった。売上面ではプロダクトサービスの減収が目を引くが、プロフェッショナルサービスでカバーすることができた。

プロダクトサービスでは、LaKeel製品の新規ライセンス販売が減少、それに伴いコンサルティングサービスも減収となったが、サブスクリプションによる使用料収入は順調に伸びた。厳しかったのは前期に大幅に伸長したLaKeel HRで、その反動減に加えHR関連の価格競争が想定以上に激化した。同社は価格競争には乗らずに付加価値を追求するためAIエージェント化を加速した。こうした背景が減収の一因となったものの、AIエージェントは2027年12月期中にもリリースする目途がたったようで、反転攻勢に出る考えだ。

本格的AI製品の第一弾となったLaKeel Bluについては評判がよく、PoCに進んでいる顧客が多い模様である。しかも、導入当初からコンサルティングが必要となるため、トップクラスのエンジニアを投入して顧客満足度を引き上げている。その後にLaKeel DXへとアップセルすることで、LaKeel AI Platformとして、さらに様々なLaKeel製品を導入してもらうというシナリオである。ただし、小資本の顧客にとっては高額になるため、LaKeel Blu単品によるブラックボックス化したレガシーシステムの分析にとどまるものもあり、そうした場合はフックとしてプロフェッショナルサービスへつないでいくことにしている。また、その他が大幅増収となったのは、顧客の要望により一時的にレガシーシステムの置き換えを引き受けたことが要因である。

プロフェッショナルサービスは、もともとAIとの関わりが薄かった部門だったため、AIに対応できるようスキルアップを進めていた。そうしたなかAIが急速に普及し始め、事業会社がAIを取り入れる必要が生じたが、AIの理解を深めることから始めなければならない事業会社が多かった。そこで同社は伴走型のAI活用支援を開始、これが好評で単価が上昇したこともあり、フロービジネスレベニューの増収につながった。


下期は先行投資に加え本社移転を予定

3. 2026年12月期の業績予想
2026年12月期業績予想について、同社は売上高8,000百万円(前期比3.5%増)、営業利益0百万円(同100.0%減)、経常損失10百万円(前期は443百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失383百万円(前期は287百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)を見込んでいる。期初予想に対して、売上高は変わらないが、先行投資を主因に営業利益で600百万円、経常利益で604百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で773百万円下方に見直している。

売上高については、LaKeel HRは厳しい状況が続くことを前提とするが、LaKeel Bluの引き合いが強くAIエンジニアの需要が増していることから、コンサルティングサービスとプロフェッショナルサービスの伸びが期待され、期初予想を据え置いている。一方、利益面では、環境急変のなかで2027年12月期以降の目標数値を着実に達成するため、中間期に引き続き下期もAI関連製品やサービスの開発など投資を前倒して実施することになり、中期経営計画のなかでは2026年12月期のみ予想を修正することになった。親会社株主に帰属する当期純利益については、今後の業容拡大や増員、従業員のモチベーション向上などを見据えて本社を移転することになり、下期に特別損失として本社移転関連費用520百万円を計上することになったため、修正幅が大きくなった。なお、足元の開発状況や顧客からの引き合いは非常に順調に進捗している模様である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)



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