ファーストアカウンティング株式会社×フィスコアナリスト山本泰三対談動画文字起こし(8)
新リースのパイプラインは増えてきており、昨年の第3四半期(7社)から第4四半期(53社)へと急増し、直近の第1四半期(2026年1月〜3月)ではさらに114社となるなど、かつてないスピード感で進捗しています。
●フィスコ 山本
想定獲得者数が76社程度という数値が一旦出されたかと思いますが、具体的に、その分母といいますか、狙いを定めているターゲットの規模感は、どれくらいの母数があるうちの76社なのでしょうか。
現在も商談数が増加しているとのことですので、今後も76社以上にターゲットが広がっていく余地は十分にあるのではないかと考えております。そのあたりの「市場の余地」やターゲットの広がりについて、ぜひお伺いできればと思います。
■ファーストアカウンティング 森様
ターゲットとなる市場規模についてですが、新リース会計基準の影響を直接受ける国内の大手企業は、およそ1,500社にのぼると見ています。もちろん、各社のリース資産の保有状況によって導入の優先度は異なりますが、分母としては非常に広大なポテンシャルがあります。
●フィスコ 山本
1,500社という数字は、現在の導入・商談フェーズにある社数と比較しても、まだまだ開拓の余地が多分にあることを示していますね。
■ファーストアカウンティング 森様
はい。そして弊社の成長戦略において極めて重要なのが、この1,500社に対する「アプローチ手法」です。通常、SaaS企業がこれだけの規模の顧客を開拓しようとすると、テレビCMやタクシー広告といった大規模な広告宣伝費を投じるのが一般的です。しかし、それでは利益を圧迫し、株主の皆様への還元が難しくなってしまいます。
弊社の場合、先ほど申し上げた「エコシステム」が強力な集客装置として機能しています。提携している28社の会計ベンダー様や、資産管理ツールの最大手各社、さらには契約書管理システムのパートナー様から、解決策を求めるお客様が自然と流入してくる仕組みです。
●フィスコ 山本
それでは、成長戦略のさらなる展望について2点お伺いいたします。 まず1点目ですが、現在主軸とされている「債務処理(経費精算・支払業務)」以外の領域についてです。今後、どのような業務領域へAIの適用を広げていく余地があるとお考えでしょうか。
■ファーストアカウンティング 森様
経理AIエージェント自体は、経理業務全般へと領域をどんどん広げていくことが可能だと考えております。
ただ、現時点で開示している注力分野としては、「経費精算の確認業務」、「請求書の支払業務の自動化」、そして「新リース会計基準への対応」の3点です。
まずはこれらに注力した上で、その後に多様な業務へと展開していく可能性は十分にあると考えています。そういった意味でも、まだまだ大きな成長余地があると考えている次第です。
●フィスコ 山本
米国展開について、技術的な優位性は理解できましたが、「なぜ今なのか」というタイミングについても、森社長の想いをお聞かせいただけますか。
■ファーストアカウンティング 森様
幕末の「薩摩スチューデント」のエピソードをご存知でしょうか。薩英戦争でイギリスの圧倒的な力を痛感した薩摩藩は、若き士族たちを密かに英国へ留学させました。言葉もままならない時代に海を渡った彼らは、後に米国の「ワインキング」と呼ばれる成功を収めたり、サッポロビールを創業したりと、日本の近代化に多大な貢献をしました。
翻って現代はどうでしょうか。今はLLMを使えば、ネイティブ以上に正確で美しい英語の文面を瞬時に作成できる時代です。かつての先人たちが独学で言葉の壁を乗り越えて成功したのなら、このテクノロジーの恩恵を最大限に享受できる現代において、グローバル展開に挑戦しないという選択肢は、起業家としてあり得ないと考えています。
経理業務における「確認」や「判断」のニーズは、万国共通です。弊社には現在3名のアメリカ人スタッフがおりますが、彼らが作成するメールよりも、AIが生成する回答の方が洗練されていることすらあります。
外資系企業の日本法人の売上が、グローバル全体の10%にも満たない今の時代に、「日本市場だけで満足していて本当に大丈夫ですか?」という問いを常に自らに投げかけています。福岡で起業したラーメン店が「東京や大阪に進出するのは怖い」と言って地元に留まるのか、それとも全国、世界へ打って出るのか。私たちは後者を選びます。
適切な人材を配し、正攻法で取り組めば、勝算は十分にあります。実際に米国での営業活動を開始してから、わずか9ヶ月で3社の顧客を獲得できており、プロダクトが通用することはすでに証明されつつあります。
もちろん、直近の国内市場では「新リース会計基準」という極めて強力な追い風が吹いており、顧客数の伸びという点ではこちらが主役になるでしょう。しかし、中長期的なグローバル展開も着実に、かつ順調に進んでいます。
●フィスコ 山本
国内の確実なトレンドの新リース会計基準で足元を固めつつ、グローバルという巨大なフロンティアにも果敢に挑戦していくということですね。
■ファーストアカウンティング 森様
私たちは起業家集団であり、成長を止めることはありません。ビジネスチャンスがあれば果敢にチャレンジし、経理のあり方を世界規模で変えていく。それがファーストアカウンティングという会社です。
●フィスコ 山本
ありがとうございます。成長戦略の力強さは十二分に伝わりました。一方で、投資家としてはリスク面も正しく把握しておきたいと考えています。御社がビジネスを進める上で、最大のリスクとして認識されているものは何でしょうか。
ファーストアカウンティング株式会社×フィスコアナリスト山本泰三対談動画文字起こし(9)に続く
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