シンカ Research Memo(9):2026年12月期は大型成長投資の実施により、一時的な損失計上を見込む
1. 2026年12月期の業績予想
2026年12月期の業績は、売上高が前期比26.9%増の1,858百万円、営業損失579百万円、経常損失580百万円、当期純損失546百万円と大幅増収ながら一時的な損失計上を見込む。
引き続き拠点数の拡大とARPAの増加が大幅な増収に寄与する。顧客数の拡大については、前期より取り組んできた営業人員の増強や積極的な広告宣伝効果により新規顧客開拓を進める。また、ARPAの増加についてはAI搭載機能の有償化やAI機能に必要となる通話録音オプションの導入などを見込む。
損益面では、前述のとおり、年間約9.8億円の大型成長投資の計画があり、一時的に大幅な営業損失を計上する見通しだ。
2. 弊社の注目点
好調な外部要因(AI活用を含む、業務効率化に向けた需要の拡大など)や内部要因(各KPIが良好に推移していることや強化な財務基盤など)を背景に、このタイミングで大胆な成長投資に踏み切り、成長加速を目指すのは十分な合理性があると弊社では評価している。注目すべきは、大型投資による業績への影響と、そのリターン(投資対効果)をどう見極めるかである。業績への影響については、言うまでもなく、四半期ごとの投資実績と費用の内訳をフォローし、計画どおりの投資ができているか、損失への影響をしっかりとコントロールできているかの両面から確認する必要がある。一方、投資効果については、各KPIにどのようなインパクトを及ぼしていくのか、短期、中長期の時間軸を踏まえた検証(モニタリング)を行うことがポイントとなる。特に業績目標の達成には、AI機能による単価向上と特定業界への戦略的アプローチによる顧客獲得がカギとなるであろう。一つの考え方として仮にフェルミ推定を用いると、平均単価を38,000円、拠点数を15,000拠点に引き上げることができれば、ストック収益だけで年間約70億円の売上高を積み上げることができる。平均単価の引き上げは、現在の料金体系(月額費用5万円+従量課金)、AI機能を含む付加価値向上(クロスセル等)を考慮すれば十分に達成可能であると考えられる。拠点数の積み上げについても、潜在的な需要の大きさや自動車業界における実績(成功モデルの横展開)、解約率の低さから判断して、リソース不足さえ解消できれば難しいハードルではないだろう。販売パートナーである大塚商会やSB C&Sとの協業、さらにはOEM体制が軌道に乗ってくれば、アップサイドのポテンシャルも十分に秘めている。したがって、今後どのような道筋で大型投資資金を回収し、ブレークスルーにつなげていくのか、各KPIの動きはもちろん、R&Dの進捗(AI機能の進化の方向性)や営業体制の稼働状況、顧客の反応なども含めて、フォローしていきたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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