ビーアンドピー Research Memo(4):2025年10月期は期初計画を全項目で上振れ
1. 2025年10月期の業績概要
2025年10月期の業績は、売上高4,495百万円、営業利益701百万円、経常利益709百万円、親会社株主に帰属する当期純利益491百万円となった。売上高は期初計画を4.5%上回り過去最高を更新し、営業利益も期初計画を11.1%上回り、上場以来最高益を更新するなど、全項目で上振れている。なお、2025年10月期から連結決算を開始しているため、前期比増減率については、単体業績との比較の参考値となるが、売上高は前期比27.1%増、売上総利益は同22.8%増、営業利益は同27.5%増、当期純利益は同25.4%増といずれも好調である。
グループ会社化したイデイの業績貢献も大きかったが、営業強化施策が奏功し、売上の過半を占めるインクジェットプリントが顧客基盤の拡大によって期初想定以上に成長したことは評価点だろう。また、領域拡大を進めてきたデジタルクリエイト、プリントソリューション、オーダーグッズ制作などの新規事業も損益分岐点を超え、収益獲得フェーズに伸長した。既存顧客が従来は分散発注していた部分を提供ソリューションの拡大が奏功し、同社が一括して引き受けられるように立ち位置も徐々に変化してきている。連結に伴うコスト増等もあり、粗利率は42.7%と前期を1.5ポイント下回った。一方、販管費自体は同20.3%増加したが、販管費率は27.1%と前期から1.5ポイント改善し、営業利益率は15.6%と前期と同水準を確保した。
2. 2025年10月期のトピックス
引き続き(1)「シェア拡大」(2)「機能拡大」(3)「領域拡大」の基本戦略を進めて、実績を積み上げた。まず(1)シェア拡大については、主力の大阪・東京での各3名を中心に、営業人員を各所で増強して営業体制を強化した。そのうえで、新規顧客獲得活動を進めたことで、顧客層が広がり取引額が増加しただけでなく、既存顧客からのリピート受注のための提案営業も同時に強化したことも奏功し、アップセルの面も好調だった。また、新規導入した販売管理システムや営業支援ツールの活用も各種活動を支えた。加えて、大阪・関西万博関連の需要を取り込んでいくことにも注力したが、例えば「第3回日本国際芸術祭/大阪・関西万博展」において、サステナブルブースの制作を担当した実績が挙げられる。当該出展企業はイデイの顧客であり、このほかにも多くの直接広告主の顧客を有する同社を傘下におさめたことが効いた格好で、直接の万博案件というよりも、万博を起点とした関西圏の経済活動活性化に伴う案件受注も順調だった。
(2)機能拡大及び(3)領域拡大については、複数のトピックが存在している。まず、同社は2024年12月にシンガポールのZKDigimaxと日本国内でのデジタルサイネージ拡販に関する業務提携契約を締結していたが、その取り組みの一環として、2025年2月にZKDigimax製の最先端AI搭載サイネージを導入した東京本社ショールームを開設している。実際の導入シーンをイメージできる場ができたことで、販促のDX化を推進するスマートリテールソリューションの提案活動が今後、一段と加速していくことになるだろう。また、主業関連の話題として、ミマキエンジニアリング<6638>製の最新UVフラットベッドプリンター「JFX600-2531」を導入したことが挙げられる。同機の導入により、生産効率が従来の3倍以上向上し、高品質な印刷を短納期で提供する体制がさらに強化された。マーケティング調査も兼ねた試験導入段階だが、欧米ではすでに環境配慮の観点からも主流となっているダイレクトプリントの引き合いも良好なことから、今後適宜能力増強を図っていく方針である。加えて、(株)シアンと共同で、環境配慮型素材「Re-board」と高輝度プロジェクションを融合させた新しい展示ブース「Rebomap(リボマップ)」を発表した。端的に言えば、Re-boardでできた壁全体を大画面のディスプレイとして活用するのが、Rebomapである。従来のポスターやモニターといった展示よりも、限られたスペースで高い情報発信力を発揮することが可能だ。なお、生産体制面については、「スマートファクトリーの実現」という大目標に向けて、前述の最新UVフラットベッドプリンターをはじめとした最新の工作機械及びプリンター等の導入、オンデマンド梱包作成システムの導入とそれに伴う生産工程の見直しによる作業時間の短縮が進展した。また、生産管理に関する基幹システムを本格導入した結果、部門間の進捗や制作状況、生産効果を含めた「見える化」を実現したことも大きな改善となった。
新規ビジネス周りでは、オーダーグッズ事業で人気コンテンツやキャラクターとの協業案件が増加した。さらに、IPコンテンツを扱うアパレルEC販売会社と連携したIP関連グッズ制作実績を積み上げ、ノウハウの確立が進み、商品企画から製造工程まで自社で一貫対応できる内製化体制を構築している。IPコンテンツを保有する企業・自治体のパートナーとして、引き続きIPコンテンツ関連の受注拡大を目指していく方針だ。プリントソリューション事業では、少品種多量生産型の案件に幅広く対応できる体制の強化を進めており、東京に加え、大阪にも専任担当を配置し、営業・サポート体制をさらに拡充した。デジタルクリエイト事業では、ARサービス「Promotion AR」では、オクルージョン機能を新たに実装し、より没入感のある体験価値を提供できるようアップデートを行ったことで、観光施設の集客施策などとして活用が徐々に広がっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 若杉 孝)
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