芙蓉リース Research Memo(5):成長領域がけん引、事業分野別で堅調な展開が進む
4. 事業分野別の業績及び活動実績
(1) モビリティ/ロジスティクス(RT分野)
2025年9月末の営業資産残高は2,493億円(前期末比182億円増)、ROAは5.8%(前年同期は4.0%)、経常利益は70億円(前年同期比31億円増)となった。グループ拡大※1に伴う収益基盤の強化により増益となり、営業資産の積み上げも着実に進展した。一方、非財務目標として掲げる「新規成約台数におけるEV・FCV比率」※2は2.2%となった。活動面では、新たにグループインしたワコーパレットや日本パレットレンタルとの連携強化、並びにアライアンス先との協業により国内でのロジスティクス領域※3における事業基盤が着実に拡大したほか、海外においても戦略的な領域拡大による事業機会の多様化※4を進めることができた。
※1 物流機器の販売・レンタルを手掛けるワコーパレットの連結化(2025年3月公表)、並びにレンタルパレットサービスを展開する日本パレットレンタルの持分法関連会社化(2025年4月公表)が収益の伸びに寄与した。
※2 日本におけるEV普及率の緩やかな状況を鑑み、当初の「EV・FCV保有比率」から目標とする指標を見直した。
※3 物流機器・資材の「導入」「所有」「共有」に関する最適かつ持続可能なソリューションを提供し、新たな物流インフラを支えていく方向性を目指している。
※4 2025年5月にタイのフォークリフト販売・レンタル事業会社MATEHAN SIAM LAMBDA CO.,LTD.を連結化したほか、2025年9月には双日グループが保有する北米貨車リース事業会社の持ち分50%を取得した。
(2) エネルギー環境(AT分野)
2025年9月末の営業資産残高は1,983億円(前期末比193億円減)、経常損失は279億円(前年同期は14億円の利益)となった。経常損失となったのは、海外再エネ関連の一過性損失(約286億円)を計上したことが理由であり、それに見合う分の営業資産も減少した。ただ、非財務目標である「再エネ発電容量」は1,000MWの目標に向けて順調に進捗している。活動面では、今回の海外再エネ損失を踏まえた事業ポートフォリオの再構築を進めるべく、新領域(蓄エネルギー等)への取り組みなどで具体的な進展※があった。
※ Tesla製蓄電池Powerwallを用いた「DERアグリゲーションサービス」の提供開始や系統用蓄電所「しんかわ蓄電所」の商業運転開始、再エネ併設型蓄電池事業の取り組み開始など。
(3) BPO/ICT(AT分野)
2025年9月末の営業資産残高は635億円(前期末比77億円増)、ROAは3.1%(前年同期は3.0%)、経常利益は22億円(前年同期比横ばい)となった。営業資産は、ICT領域においてPCレンタルの稼働増やデータセンター分野を中心に積み上げが進んだ。ただ、差引利益は着実に拡大したものの、人件費・物件費などのコスト増により経常利益は横ばいにとどまった。一方、非財務目標である「お客さまの業務量削減時間(2022年3月期比)」は100万時間の目標に向けて順調に進捗している。また、活動面では、BPOビジネス領域における組織再編※やAIを活用したクラウド契約管理システムの取り扱い開始などに取り組んだ。
※ 第一歩として、インボイス、FOC両社の経営管理及びコーポレート業務を中間持株会社に集約した。相互送客などの事業連携や、コーポレート部門の集約による業務効率化等に狙いがある。
(4) ヘルスケア(AT分野)
2025年9月末の営業資産残高は945億円(前期末比横ばい)、ROAは2.8%(前年同期は1.7%)、経常利益は13億円(前年同期比6億円増)となった。基礎的な収益拡大に加え、一過性の物件売却益の計上により増益となった。また、営業資産残高は横ばいながら、アクリーティブの診療・介護報酬債権ファクタリングは順調に拡大し、収益の伸びに寄与した。ヘルスケア事業施設については、非財務目標である「高齢者介護施設(新規提供室数)」が1,207室(前期末比196室増)に増えたほか、CBホールディングス連結化による“非ファイナンス領域”のサービス展開※を推進するなど、事業領域の拡大に取り組んだ。
※ 医療・介護・福祉業界に特化した専門性の高い経営ソリューションサービス(経営支援、承継支援等)を提供している。(株)静岡銀行、(株)大垣共立銀行との業務提携をはじめ、地域金融機関との連携を通じて、案件パイプラインの拡充を進めている。
(5) 不動産(GP分野)
2025年9月末の営業資産残高は1兆1,362億円(前期末比285億円増)、ROAは2.0%(前年同期は2.3%)、経常利益は114億円(前年同期比11億円減)となった。収益性やポートフォリオのバランスを意識したアセットコントロールを継続するなかで営業資産を積み上げるも、資金原価の増加等により減益となった。ただし、下期に向けては一定規模の売却関連益の計上を見込んでいるようだ。活動面では、日本初の社会的インパクト不動産ファンド「QOLファンド」※へ出資参画した。また、海外不動産への取り組みでは、欧米に加え、アジア・豪州でもアライアンス先との協働を拡大した。
※ CSV実践の一環として、社会的インパクトの創出とその可視化に貢献するもの。
(6) 航空機(GP分野)
2025年9月末の営業資産残高は3,584億円(前期末比370億円減)、ROAは3.6%(前年同期は3.1%)、経常利益は68億円(前年同期比14億円増)となった。機体売却益の計上、並びに非正常先からのリース料回収進捗により増益となった。一方、営業資産は円高(換算レート)の影響等により減少した。上期は機体売却と新規積み上げがバランスして推移したが、下期は新規積み上げ推進により、期末機体数の増加を見込んでいる。活動面では、2025年4月の組織改編にて機体売却の専門部署を設立し、回転型ビジネスの推進に向けて売却機能を強化した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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