くすりの窓口 Research Memo(1):ストック売上高・粗利が拡大して高成長を継続
くすりの窓口<5592>は「ヘルスケア領域に新しい価値を提供する」という企業理念の下、調剤薬局・ドラッグストア・医療機関・介護施設などのヘルスケアテック領域において各種ソリューションを提供している。
1. メディア事業、みんなのお薬箱事業、基幹システム事業、未病予防事業を展開
同社は事業区分を、メディア事業(薬局検索予約ポータルサイト「EPARKくすりの窓口」や電子お薬手帳アプリ「EPARKお薬手帳」など)、みんなのお薬箱事業(薬局や医療機関の医薬品仕入価格交渉を代行する「仕入サポートサービス」、AIを活用した医薬品在庫管理・自動発注システム「eオーダーシステム」、医薬品売買ニーズマッチングサイト「みんなのお薬箱」による「不動在庫サービス」など)、基幹システム事業(医療機関・調剤薬局・介護施設に必要な事務処理システムや情報システムなど)としている。また新規事業として未病予防事業(健康診断・人間ドックの予約、加盟薬局・ドラッグストアの店頭での特定保健指導)を開始している。収益は薬局等から得られる初期導入費用等のショット売上、及び月額利用料・手数料収入等のストック売上である。ショット売上は一時的要因で変動する可能性があるため、同社は継続的な収益が見込まれるストックビジネスを戦略的に重視し、ストック売上高及びストック粗利をKPIとしている。全事業ともストック売上高の拡大に伴ってストック粗利が拡大基調であり、持続的な営業利益成長や高収益構造の源泉となっている。
2. 2026年3月期中間期は大幅増益で着地
2026年3月期中間期の連結業績は売上高が前年同期比7.0%増の5,825百万円、営業利益が同32.9%増の1,262百万円、経常利益が同35.7%増の1,252百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同190.5%増の1,620百万円だった。EBITDAは同26.7%増の1,935百万円だった。全体としてストック売上高とストック粗利が順調に積み上がり、大幅増益で着地した。全社ベースのストック売上高は同14.9%増の3,977百万円、ストック粗利は同22.9%増の1,651百万円となった。事業別には、基幹システム事業において前年同期の補助金交付対象のサービス需要が一巡した反動があったものの、メディア事業とみんなのお薬箱事業の高成長がけん引し、利益面では販管費の減少も寄与した。親会社株主に帰属する中間純利益については、2025年9月1日に実施した減資に伴い、繰越欠損金に係る繰延税金資産を追加計上して調整額が法人税等を超過した。
3. 2026年3月期通期も増収増益・過去最高予想、2027年3月期も高成長を継続
2026年3月期通期の連結業績は期初予想を据え置いて、売上高が前期比9.8%増の12,300百万円、営業利益が同12.6%増の2,200百万円、経常利益が同10.0%増の2,135百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同10.1%増の2,240百万円と、増収増益を予想している。前期の「電子処方箋管理サービス新機能」関連特需を除いた比較では売上高を同15.0%増収、営業利益を同33.3%増益と見込んでいる。中間期の進捗率は売上高が47.4%、営業利益が57.4%、経常利益が58.6%、親会社株主に帰属する当期純利益が72.4%である。中間期の利益進捗率が高水準であることに加え、積極的な事業展開で各事業ともストック売上高、ストック粗利の順調な拡大が期待できることを勘案すれば、会社予想に上振れの可能性があると弊社では考えている。さらに2027年3月期はストック売上高の順調な積み上げに加え、薬価及び調剤報酬の改定に伴ってショット売上高が増加する可能性があり、高成長を継続する見込みだ。
4. 2030年3月期の目標はストック売上高200億円、営業利益50億円以上
同社は中期経営計画の目標値に2030年3月期のストック売上高200億円、営業利益50億円以上を掲げ、ストック売上高を積み上げながら安定的な利益確保を目指す。基本戦略としては、既存の主力3事業(メディア事業、みんなのお薬箱事業、基幹システム事業)でのデータ・システム連携などにより各々の市場シェアを拡大してストック売上を積み上げるほか、M&A・アライアンスも積極活用しながら「医・薬・介護、個人ユーザー(患者)をつなぐプラットフォーム」として、調剤薬局・ドラッグストア・医療機関・介護施設・患者等の様々なニーズを捉えた独自事業を自社開発して業容を拡大する。さらに未病予防事業を第4の柱に育成する方針だ。
■Key Points
・ヘルスケアテック領域において各種ソリューションを提供
・2026年3月期中間期は大幅増益で着地
・2026年3月期通期も増収増益予想で高成長を継続
・2030年3月期の目標はストック売上高200億円、営業利益50億円以上
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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