スカラ Research Memo(3):2025年6月期は事業構造改革が結実し、2期振りの黒字転換を果たす
1. 2025年6月期の業績概要
2025年6月期の連結業績(IFRS基準、継続事業ベース)は、売上収益で前期比0.2%減の8,179百万円、営業利益で751百万円(前期は1,448百万円の損失)、税引前利益で724百万円(同1,466百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益で982百万円(同2,887百万円の損失)となり、2期ぶりに黒字転換した。
売上収益はDX事業、TCG事業で増収となったものの、人材事業やインキュベーション事業が減収となり、全体では微減にとどまった。費用面では前期に実施した事業構造改革(人員のスリム化、オフィス面積の縮小、不採算事業の整理等)や第2四半期より役員報酬を減額した効果により、販管費が前期比675百万円減少した。また、その他の収益・費用では、前期に減損損失1,961百万円等を計上した一方で、2025年6月期はDX事業における一部事業の整理※に伴う収益189百万円等を計上した。これにより、全体では1,643百万円の増益要因となり、営業利益ベースでは2,200百万円の大幅増益となった。なお、第4四半期は事業構造改革完了に伴う一時的な清算費用等が全社費用として計上されたため営業赤字となったが、通期では黒字転換を果たしており、業績の回復基調に影響はない。
※ SaaSモデルとは異なるサービスで専門のエンジニアも必要なため、ほかのサービスとのシナジーが生まれにくく、事業拡大が困難と判断して売却した。
2025年6月に同社が発表した業績修正値に対して、営業利益・税引前利益がほぼ計画どおりとなったが、親会社の所有者に帰属する当期利益は442百万円上回った。これは、繰延税金資産の回収可能額の増加に伴う法人税等調整額(益)350百万円及び非継続事業からの当期利益61百万円を計上したことが主因である。
なお、Non-GAAP基準※による2025年6月期の業績は、売上収益で前期比0.2%減の8,179百万円、営業利益で561百万円(前期は25百万円の損失)、税引前利益で534百万円(同43百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益で370百万円(同211百万円の損失)となっており、一過性の費用や利益を除いたベースでも損益が改善し、黒字体質に戻ったことがうかがえる。
※ Non-GAAP指標は、国際会計基準(IFRS)から同社グループが定める非経常的な項目(一過性の利益や損失)や、その他の調整項目を控除した数値で、実質的な収益力や経営成績の過年度比較を容易にすることを目的としたもの。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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