アクシスC Research Memo(5):2025年6月期はスキルシェアが大幅に伸長し2ケタ増収も先行投資により減益
1. 2025年6月期の業績動向
2025年6月期の業績は、売上高が5,271百万円(前期比13.0%増)、営業利益が210百万円(同74.7%減)、経常利益が219百万円(同73.6%減)、当期純利益が321百万円(同36.1%減)となった。特別利益にケンブリッジ・リサーチ研究所を吸収合併した際の抱合せ株式消滅差益を計上したため、当期純利益の減益幅は小さくなった。なお、期初予想比では、売上高が71百万円過達、営業利益が490百万円、経常利益が481百万円、当期純利益が315百万円それぞれ未達となった。
日本経済は、企業収益や雇用情勢に改善の動きがみられ、緩やかな回復基調で推移した。一方で、世界的なインフレや金融引き締め、米国による輸入関税の影響に加え、地政学的リスクの拡大など、先行きは依然として不透明な状況が続いている。同社の主要顧客が属するコンサルティング業界においては、企業の全社的な変革や中長期の戦略にDXコンサルティングが組み込まれるなど引き続き堅調に推移しており、特にハイエンド人材に対する需要は中長期的に底堅く推移している。大手のコンサルティングファームにおいては、縮小を続けていた若手の中途採用が足元にかけて落ち着きを取り戻す状況となる中、依然厳しい採用基準を設ける傾向が継続したマネージャー以上の採用は堅調に推移した。
このような環境下、同社の売上高はスキルシェアが大幅に伸長したことにより、若手コンサルタントの人材紹介が一時的に減少したことをカバーして2ケタ増収となった。利益面では、高採算の人材紹介の構成比が下がったことで売上総利益率が低下したことに加え、事業会社向け人材紹介及びスキルシェアを中長期成長ドライバーと位置付けたことに沿ってフロント部門の中途採用を強化したことで先行的に人件費が増加し、販管費の伸びが売上高を上回ったため、営業利益は大幅減益となった。なお、期初予想比で売上高がやや過達になったのは、大手コンサルティングファームの人材需要が期初想定を下回ったほか、ケンブリッジ・リサーチ研究所の吸収合併に伴いフロント部門の人材が想定以上に離職したことにより入社決定人数が減少したものの、体制強化と顧客層の拡大によりスキルシェアが大きく伸びたことが要因である。一方、利益が未達になったのは、高採算の人材紹介の構成比が大きく下がったことが要因である。
人材紹介は成長の踊り場、スキルシェアは成長開始
2. サービス別の業績動向
サービス別の売上高は、人材紹介が2,768百万円(前期比12.4%減)、スキルシェアが2,502百万円(同66.3%増)となった。サービス指標(KPI)については、人材紹介の入社決定人数がコンサルティングファーム419人(同24.1%減)、事業会社161人(同3.0%減)に対して、フリーコンサル稼働人数が1,568人(同80.9%増)と好調だった。
人材紹介については、主要顧客である大手コンサルティングファームにおいて、コロナ禍後の2022年~2023年に若手コンサルタントを大量中途採用した反動による採用抑制が緩和傾向にあるとはいえ、2025年6月期第2四半期まで継続した。一方、強みであるマネージャー以上の採用支援で引き続き案件を手堅く確保したため、市場シェアは相対的に高まり、コンサルティング業界におけるプレゼンスは一層向上した。成長の柱と位置付け積極的な投資を計画している事業会社向けは、期初の子会社吸収合併の際に、想定を上回るフロント部門の離職が発生したことで出足が鈍ったが、下期に営業体制の整備に向け中途採用を強化して巻き返しを図ったことで、足元では成長トレンドへの回帰が進んでいる。このため入社決定人数は、大手コンサルティングファームが若手中途採用を減少したことにより前期比大幅減少、事業会社がフロント部門の離職のため微減となった。しかし、平均売上単価は、コンサルティングファーム向けがマネージャー以上の案件を一定数確保したことで平均年収と平均手数料率が高水準を維持したため、事業会社向けも上昇した。なお、入社決定人数はいずれも第2四半期を底に回復傾向にある。
スキルシェアについては、事業会社において高額なハイエンド人材を変動費(外注費)として活用するニーズが強まっていること、コンサルティングファームにおいて中途採用を抑制した結果人手不足となったことで、いずれも活用を積極化しており、全社の成長をけん引した。「AXIS Solutions」では、広告宣伝・人材投資を実行したこと、営業を企業側・人材側に固定したまま人材紹介から異動するなど体制を強化したこと、期中でヒアリングをかけるなど顧客のフォロー体制を整備したことが奏功し、稼働人数を大きく伸ばした。「AXIS Advisors」では、現役コンサルタントの登録シェアを着実に拡大するため、サービスプランの充実に取り組むとともに、引き続き協賛活動や業務提携により利用機会を創出した。この結果、売上高は6四半期連続、売上総利益は5四半期連続で過去最高を更新した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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