1stコーポ Research Memo(2):「造注方式」が強みの分譲マンション特化型ゼネコン
1. 事業内容
同社の創業は2011年6月で、資本金40,000千円でスタートした。以来、分譲マンション建設に特化したゼネコンとして、「より良質な住宅を供給し、人々の豊かな住環境に貢献する」を社是とし、「安全・安心・堅実」をモットーに良質で安価な住宅を供給してきた。報告セグメントは、「建設事業(建築工事)」「不動産事業(不動産売買・仲介・販売代理)」の2つである。
主要事業エリアは、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の1都3県である。全国的に人口減少が進むなかでも、これらの首都圏エリアは人口が増加し、いずれも転入超過となっている※。また、同社によると、マンション販売価格は都区部を中心に高騰しているものの、住宅購入意欲は依然底堅いという。したがって、今後も首都圏におけるマンション需要は堅調に推移することが見込まれる。
※ 出所:総務省統計局公表の「住民基本台帳人口移動報告」。
国土交通省の建築着工統計調査報告によると、2015年以降の首都圏(1都3県)のマンション建設の着工戸数は、2017年の64,755戸をピークとして、右肩下がりの傾向にある。ただし、コロナ禍で経済・社会活動が停滞した2021年の49,962戸をボトムとして、その後は50千戸台に回復している。2024年は50,990戸(前年比3.3%減)で、2025年も同程度の水準となる見通しである。
また、(株)不動産経済研究所の発表資料によると、首都圏の分譲マンション供給戸数は、2024年の23,003戸がボトムであったが、2025年の上半期は前年をさらに下回る水準で推移した。しかし、下半期は増加に転じ、通期では前期比横ばいの23,000戸※となる見通しである。供給戸数は、着工戸数から2~3年遅行する指標となっていることを踏まえると、2026年以降も2024年・2025年と同水準で推移すると考えられる。一方、首都圏の分譲マンションの平均価格は、2015年以降5,000万円台から6,000万円台へと緩やかな上昇が続いていたが、2023年に8,101百万円(前年比28.8%増)へと急激に2,000万円近く上昇した。2024年は、7,820百万円(前年比3.5%減)に下落したものの、今後も8,000万円程度の高値圏で推移する見通しである。東京23区では、2023年に11,483万円と1億円を突破し、2024年の平均価格も11,181万円となった。資材価格が高止まりし、労務費が上昇している環境を踏まえると、分譲マンション販売価格は今後もさらに上昇していく見通しである。郊外については、物件の立地などによって差が出始めているが、大きく下がることは考えにくい。
※ (株)不動産経済研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2025年上半期(1~6月)」に記載の予想値。
同社は事業用地を開発し、デベロッパーにマンション建築プランを提案する造注方式を主力事業モデルとしており、積極的にデベロッパーへの営業活動を推進することで、収益アップを実現する方針である。
同社は、この造注方式を武器に急速に成長した。2015年3月には東証マザーズに創業からわずか3年9ヶ月で上場し、2016年12月には東証1部に指定替えとなった。その後、2022年4月に東証の再編により東証プライム市場へ移行し、2023年10月には選択申請により東証スタンダード市場へ移行した。今後は分譲マンション自社ブランド「CANVAS」の開発推進、再開発事業、アクティブシニア向けマンションの建設など業容に厚みを加え、成長を加速させる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)
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