システム ディ Research Memo(2):業務・業種特化型の業務支援ソフトウェアを、6つの領域で展開
1. 沿革と事業領域
システム ディ<3804>は1984年の創業以来、業種・業務特化型の業務支援ソフトウェアの開発・販売を手掛けてきた。情報化に立ち遅れていた私立学校法人向けの業務支援ソフトウェアの開発・販売からスタートし、2001年に事業買収を通じてフィットネスクラブ向けソフトウェアへ進出するなど、その後は事業領域を徐々に拡大しながら成長を遂げてきた。現在は子会社も含めて6つの業種・業務を対象にパッケージソフトの開発・販売、並びにクラウドサービスの提供を行っており、それぞれを事業部門としている。
業種特化型ソフトウェアでは、学園ソリューション(国公立大学及び私立学校法人(大学・高校・専門学校)向け)、公教育ソリューション(公立の小・中・高校向け)、公会計ソリューション(地方自治体及び関連公共団体向け)、ウェルネスソリューション(フィットネスクラブ・スポーツ施設及びテーマパーク・文化施設向け)、薬局ソリューション(調剤薬局向け)の5業種について業務支援ソフトウェアの販売またはクラウドサービスを提供している。また、業務特化型ソフトウェアとして、コンプライアンス業務支援の規程管理システム、契約書・マニュアルの作成・管理システム等を開発・販売するソフトエンジニアリング(民間企業や金融機関、公益法人及び学校法人等向け)がある。子会社の(株)シンクが手掛ける薬局ソリューションを除く5つの分野において、業界トップクラスのシェアを獲得している。
2025年10月期中間期の事業部門別売上構成比を見ると、学園ソリューション事業が35.4%、公教育ソリューション事業が30.0%となっており、教育分野で全体の6割強を占めているのが特徴だ。そのほか、ウェルネスソリューション事業が13.2%、公会計ソリューション事業が10.6%と続く。ソフトエンジニアリング事業は5.6%と小さいが、ニッチ領域で競合が少なく、追加機能の開発にかかる費用や問い合わせ等も少ないため利益率は6事業の中で最も高い。薬局ソリューション事業・他の売上構成比は5.2%と小さいが、大阪府下の小規模薬局を主たる顧客として安定した事業基盤を確立している。
イージーオーダー型モデルで、顧客に最新・最善のトータルソリューションを提供
2. 特長と強み
ソフトウェアのタイプには様々なものがあるが、住宅やスーツ等になぞらえると理解が早いだろう。ソフトウェアは、パッケージソフトとスクラッチ開発に大きく分けることができる。パッケージソフトは住宅で言えば建売住宅であり、スーツではレディメイド(吊るし)に当たる。スクラッチ開発はその対極にあり、完全注文建築あるいはオーダーメイド・スーツに該当する。
同社のソフトウェアは、パッケージソフトをベースに顧客の業務上の課題を解決し、また顧客の要求に合わせてカスタマイズしながら使い勝手の良い製品にバージョンアップしているのが特長である。言わば建売住宅やイージーオーダー・スーツに相当し、高い顧客満足度と低コストを両立している点が強みとなっている。またソフトウェアの提供に加えて、導入支援やサポートサービス、関連するハードウェアの仕入販売等を行うなどトータルソリューションを提供している点も特長と言える。
同社のパッケージソフトビジネスをイージーオーダー・スーツのイメージで説明したが、その作り込みの過程において同社が最も意識しているのが“進化”であり、これは同社の強みを理解するうえでのキーワードだと弊社では考えている。どのようなソフトウェアも開発時をスタートとして、顧客ニーズへの対応を重ねながら必要な機能を追加し、製品の完成度と品質向上を実現している。その結果顧客数も増加し、売上拡大へとつながる。また、進化したパッケージソフトは“手離れ”が良く、追加の開発費用をかけることなく顧客ニーズを満たせるため利益率も高くなる。こうした正の循環(ポジティブスパイラル)を実現している点が同社の強みであると弊社では考えている。
大規模顧客にはカスタムメイド、小規模顧客にはクラウドで対応し、顧客基盤を拡大
3. 『Value & Volume Business』戦略
同社の販売戦略、ひいては成長戦略を表すコンセプトを『Value & Volume Business』戦略と名付けている。同社の中核製品であるパッケージソフトと顧客層を重ね合わせると、パッケージソフトはボリュームゾーンの中規模事業者がメインターゲットとなり、かつてはそこに注力することで成長を実現してきた。前述のようにパッケージソフトの成長モデルを確立したことで同社は中規模事業者の両側の存在、すなわち大規模事業者と小規模事業者に顧客層を広げることでさらなる成長を目指している。これが『Value & Volume Business』戦略の基本的な考え方となる。
具体的には、より規模の大きい事業体に対しては“Value Business”としてカスタムメイドによる対応を充実させることで受注を獲得し、資金力の乏しい中小事業体向けには“Volume Business”として初期投資負担の少ないクラウドサービスで提供することによって顧客を獲得する戦略である。ここ数年は人手不足の解消と生産性向上を実現するために企業や自治体等でDXを進める動きが活発化し、クラウドサービスを活用するケースが増えている。このため、今後はクラウドサービスの売上比率が高まる可能性もあるが基本戦略については変わらず、同戦略を推進することで自然災害や景気変動、パンデミックにも耐えうる強い事業基盤を構築し、持続的な成長を目指す方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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