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NTN:構造改革とアフターマーケット強化により収益改善図る、EV車向けは技術的優位性あり今後受注増加見込み


*15:12JST NTN:構造改革とアフターマーケット強化により収益改善図る、EV車向けは技術的優位性あり今後受注増加見込み NTN<6472>は、1918年に創業した日本を代表するベアリングメーカーであり、ベアリング技術をコアに、持続可能な「なめらかな社会」の実現を目指している。事業は「軸受他」と「CVJアクスル」の2セグメントで構成され、軸受他では、自動車・産業機械・アフターマーケット向けにベアリングを中心とした製品を供給している。CVJアクスルでは、自動車の駆動系部品であるドライブシャフト(CVJ:Constant Velocity Joint)やハブベアリング(アクスルユニットベアリング)の近接する2つの足回り部品を提案・供給できる点が、同社の大きな強みである。事業部門別の売上構成は、CVJアクスルが約6割、軸受他が約4割であり、営業利益の構成は逆に軸受他が約6割で、CVJアクスルが約4割となっている。

ベアリングではグローバルシェア第4位に、ドライブシャフトでは第2位に位置づけられており、高い競争力を持つ。また、EV車は内燃機関車よりも駆動部への負荷が高く、同社製品に技術的な優位性がある。今後は主要販売先である日米欧の自動車メーカーからの受注増加が見込まれている。

2025年3月期は、売上高825,587百万円(前年比1.3%減)、営業利益22,959百万円(同18.4%減)、経常利益は10,475百万円(同47.6%減)、当期純損益は23,801百万円の赤字(前期は10,568百万円の黒字)となった。売上は、自動車生産および産業機械市場の需要低迷により減収となった。特に欧米地域での需要回復の遅れが響いた。利益面では、需要低迷による規模等の減少により、営業利益は減益となった。さらに、構造改革費用や税効果の影響を特別損失にて計上し、当期純損失となった。
2026年3月期は、売上高790,000百万円(前年比4.3%減)、営業利益24,000百万円(同4.5%増)、経常利益11,000百万円(同5.0%増)、当期純損益は6,000百万円の赤字を予想している。自動車生産の低迷が継続する見通しから減収を見込む。
一方、営業利益は、不採算案件の整理や固定費コントロールを進めることに加えて、売価転嫁等の売価改善により増益を見込む。なお、米国の関税政策によるコストへの影響を最大160億円と試算しているが、関税分は全額価格転嫁する方針であり、業績予想には織り込んでいない。最終利益では、構造改革費用を約100億円および税効果の影響を見込み、前期に続き赤字となる見通しである。

2024年4月にスタートした3ヵ年の中期経営計画「DRIVE NTN100」 Finalでは、2027年3月期に売上高8,300億円(軸受他3,700億円、CVJアクスル4,600億円)、営業利益500億円(軸受他290億円、CVJアクスル210億円)、ROE8%以上の達成を目標としている。
「事業構造の変革の加速」を基本方針として掲げ、生産再編を中心とした構造改革の推進と「稼ぐ力」の強化に取り組む。特に利益率の改善を通じて、利益額を大きく引き上げることを目指している。

生産拠点の閉鎖や統合、固定資産の圧縮などを進め、3年間で350億円の構造改革費用を見込む。2025年3月期は、期初計画の80億円を大幅に上回る189億円を前倒しで実行し、2026年3月期も100億円規模を見込んでいる。これにより、2026年3月期の固定費は2024年3月期比で年間約50億円、2027年3月期は同比約100億円の削減を見込んでいる。

また、稼ぐ力の強化に向けては、組織体制を市場軸から商品軸へと再編し、OEMとアフターマーケットを一体で運営する体制を構築した。これにより、収益性の高いアフターマーケット向けの供給を確保しつつやエンジニアリングソリューションとして提案力を強化し、利益率の高いアフターマーケットビジネスを拡大する。同ビジネスの売上構成比率は、現状の約17%から2026年度に20%、2035年度には40%への引き上げを目指しており、売上高は縮小するものの、利益率の改善により利益額の拡大を図る方針である。

株主還元については、中長期的な視点から安定的に継続しつつ、経営成績に応じて実施することを基本方針としている。また、DOE(株主資本配当率)2.5%を下限とし、中期経営計画の目標達成後にはDOE4%の実現を目指している。2025年3月期の年間配当金は、前期比で1円増配の11円を実施した。2026年3月期については、米国の関税政策による影響が見通しにくいため、現時点では配当未定としているが、基本方針に則り対応する方針である。なお、当面はROEの改善を最優先課題と位置づけており、自社株買いなどの追加的な株主還元策については予定していない。一方で、PBRが0.5倍台の株価は、割安な水準にあるとの見方もできよう。

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