ムゲンエステート Research Memo:2025年12月期第1四半期、買取再販好調で大幅増収増益
ムゲンエステートは、2025年12月期第1四半期において買取再販事業の好調により、売上高が前年同期比39.4%増、営業利益が152.3%増と大幅な増収増益を達成しました。主力の買取再販事業では特に居住用高価格帯物件の販売が好調であり、海外投資家向けの売上高が業績を下支えしています。今後の成長戦略として、2027年12月期までの3か年計画を推進し、売上高1,000億円の突破を目指しています。また、同社は財務基盤の強化を図りつつ、安定配当の維持に努める方針で、2025年12月期は年間配当112円を予定。シンジケートローンによる資金確保も実施し、主要事業での仕入強化を進めています。
ムゲンエステート<3299>は、投資用・居住用マンションを中心に中古不動産の買取・再販事業を行う業界のパイオニアであり、高収益企業である。
1. 2025年12月期第1四半期の業績概要
2025年12月期第1四半期は、売上高が前年同期比39.4%増の17,153百万円、営業利益が同152.3%増の2,982百万円、経常利益が同167.5%増の2,656百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同176.5%増の1,800百万円と、好調な滑り出しとなった。
不動産業界の事業環境は、日銀による利上げ動向など懸念はあるものの、前期より続く好調な市場環境と緩やかな景気回復により、需要は堅調に推移した。2025年3月の首都圏の中古マンション成約件数、成約価格はいずれも5ヶ月連続で前年同期を上回った。主力の買取再販事業では、居住用不動産の高価格帯物件の販売が好調に推移し、売上高で前年同期比131.6%増の13,126百万円となり、大幅な増収をけん引した。投資用不動産の販売は、大型物件の販売が第2四半期以降にずれ込んだ事もあり減収となった。買取再販事業好調の要因として、海外投資家向けの売上高が7,057百万円、売上構成比で約43%と好調を維持していることもある。不動産開発事業および不動産特定共同事業は、第1四半期時点での販売実績はなかった。不動産特定共同事業では、「札幌ホステルプロジェクト」の第2期募集が完了し、「新小岩プロジェクト」の販売が開始された(2025年3月)。なお、不動産の仕入状況については、物件の収益性とバランスを勘案しながら進めた結果、前年同期比で20.5%減となった。
2. 2025年12月期の業績見通し
2025年12月期は、売上高は前期比29.8%増の80,694百万円、営業利益が同13.9%増の10,961百万円、経常利益が同12.4%増9,955百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同6.9%増の6,504百万円と、売上高および各利益が順調に増加する予想である(期初予想通り)。同社が属する全国都市部の不動産市況は、日銀による政策金利の引き上げ動向に加え、米国の関税政策に伴う影響など不透明感はあるものの、円安効果と低金利等を追い風に、引き続き堅調な状態が続くことを予想する。
主力事業の買取再販事業では、営業チャネルの拡充と取扱いアセットの多様化、地方エリアでの販売強化により事業領域を拡げる。西日本エリアの開拓と深耕を目的に、京都営業所(2025年2月)と那覇営業所(2025年3月)の開設を完了しており、その効果が中期的には期待できる。また、海外営業部を設立し(2025年1月)、海外仲介へのアプローチの強化を目指す。同セグメントの売上高では前期比30.1%増の77,727百万円、特に投資用不動産は同44.3%増の39,034百万円と伸ばす予想である。不動産開発事業は、引き続き省エネや環境に配慮された商品の開発を徹底し、買取再販事業と連携を行い、開発用地の取得を進める。同セグメントの売上高は、前期比16.2%増の2,915百万円を予想する。不動産特定共同事業は、アセットタイプの多様化とエリアの特性にあった物件の仕入を進め、売上高で前期比42.7%増の3,056百万円を予想する。新規事業のアセットマネジメント事業は、人員体制の整備が完了し、今後AM事業に関連した許認可を取得するとともに、今期中に私募ファンドの組成を見込んでいる。また、第1四半期末の販売用不動産は61,243百万円(前期末比516百万円増)と十分である。第1四半期を終えて通期業績予想に対する進捗率は、営業利益で27.2%と順調である。前期および進行期に行った拠点増設(8拠点増)および人員増強の効果が見込まれるため、計画達成に向けて体制が整っていると言えるだろう。
成長戦略:売上高1,000億円突破を目指す第三次中計がスタート。仕入強化に向けてシンジケートローンによる借入枠(100億円)を設定
同社は、2025年12月期を初年度、2027年12月期を最終年度とする3か年の中期経営計画を発表し推進中である。最終年度の2027年12月期の数値目標は、売上高で105,712百万円(2024年12月期の実績の約1.7倍)、営業利益で14,428百万円(同約1.5倍)、当期純利益で9,361百万円(同約1.5倍)とさらなる飛躍を目指す。
各事業ともに、健全な財務基盤のもと、仕入を強化することが、成長戦略の前提となる。同社では、メガバンク2行を含む計8行によるシンジケートローン(借入枠100億円)契約を組成した。コア事業である買取再販事業の仕入強化に向けた、機動的・安定的な資金調達手段を確保したと言える。
成長事業の位置づけとして、不動産特定共同事業がある。進行期は、札幌ホステルプロジェクトが2025年4月組成の第二期完売(1口100万円・募集口数220口)、新小岩プロジェクトが2025年3月販売開始(1口100万円・募集口数600口、募集金額6億円)などが進捗しており、実績の積み上げが期待できる。
株主還元策:2025年12月期は増益予想を背景に、8円増配の通期112円(中間期45円、期末67円)配当性向40.1%を予想
同社は、株主への利益還元を経営の重要課題の一つと位置付けており、長期的な事業拡大のため財務体質の強化と内部留保の充実を図りつつ、安定した配当を継続することを基本方針としている。利益配分は、業績の水準やバランスシートをベースとする資本コストや資本収益性等を総合的に勘案し、中長期的な連結配当性向の目標水準を40%以上としている。2025年12月期は、年間配当112円(前期比8円増配、中間期45円、期末67円)、配当性向40.1%を予想する。株主への利益還元の機会を充実させるため、2025年12月期から中間配当を実施し、期末配当と併せて年2回とした。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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