ユニリタ Research Memo(7):2015年4月にビーコンITと経営統合。「ユニリタ」として新たなスタート
ユニリタは、1982年に設立されたスリービー(株)を前身とし、ビジネスコンサルタントの子会社としてスタートしました。1993年にシステム運用関連事業を引き継ぎ、1996年には社名をビーコンITに変更、2015年にユニリタとして再始動しました。ITシステム運用管理の専門企業として、金融機関向けシステム構築を進めて業績を拡大。特に最近はクラウドおよびプロフェッショナルサービスに注力しており、将来的にはこれらのサービスの収益改善が期待されています。財務的には強固で、自己資本比率や流動比率が高く、安定した基盤を持ちます。配当については持続的な増配方針を打ち出しており、2025年3月期には年間70円の配当を予定。長期的な成長に向けてROE改善と新規事業拡大に取り組んでいます。
1. 沿革
ユニリタ<3800>の前身であるスリービー(株)は、1982年に人材開発及び組織開発のためのプログラムを提供するビジネスコンサルタントの子会社として東京都中央区に設立された。ビジネスコンサルタントを起源とする(株)ソフトウェア・エージー・オブ・ファーイースト(1996年8月、(株)ビーコン インフォメーション テクノロジーに商号変更)が国内で販売していた「A-AUTO」を米国市場で販売することが目的であった。
その後、1987年に(株)ビーエスピーへ商号を変更している。同社の転機は、1993年にソフトウェア・エージー・オブ・ファーイーストのシステム運用関連の事業を継承し、システム運用管理パッケージソフトウェアの専門会社として本格的な活動を開始したことである。その後、ITシステム投資の拡大を追い風として順調に事業基盤の強化を図りながら、金融機関や大手企業を含め、基幹業務システム(メインフレーム)を中心に実績を積み上げてきた。
2001年にはビーエスピーソリューションズを設立して、コンサルティングとソリューション事業を本格的に開始。2006年にジャスダック証券取引所に上場を果たした(2022年4月からの東京証券取引所市場再編に伴い、スタンダード市場へ移行)。
2014年1月には、(株)ビーコンIT(登記社名:ビーコン インフォメーション テクノロジー)を連結化することで、データ活用などの成長分野を取り込むとともに事業構造の変革に着手した。
2015年4月には連結子会社であるビーコンITを吸収合併するとともに、社名を(株)ユニリタに変更した。新社名には、価値創造のために「ユニークな発想」で「利他の精神」を持って顧客と社会の発展に貢献する企業を目指すという想いが込められている。
2. 過去の業績推移
同社の業績を振り返ると、売上高は2012年3月期から2014年3月期にかけて、オープン系システムへのシフトが進むなか、「システム運用事業(現 プロダクトサービスの一部)」の伸びが同社の成長をけん引した。ただ、2015年3月期にビーコンITの連結化により業容が大きく拡大した後は、事業構造変革に取り組むなかで売上高はしばらく伸び悩んできたと言える。もっとも、2019年3月期に「システムインテグレーション事業(現 プロフェッショナルサービスの一部)」を展開する無限の買収が業容拡大に寄与すると、2020年3月期以降は注力する「クラウド事業(現 クラウドサービス)」が着実に伸びてきた。
損益面では、依然として「メインフレーム事業(現 プロダクトサービスの一部)」への収益依存度が高いものの、「プロダクト事業(現 プロダクトサービス)」の損益改善が進展するに伴って営業利益率は上昇傾向をたどり、2014年3月期は28.1%と高い水準に到達した。2015年3月期以降は、事業構造変革に伴う先行投資などにより営業利益率は低下しているが、それでも20%前後の水準を維持してきた。ただ、2019年3月期以降は、成長分野である「クラウド事業」や新規事業など、将来を見据えた先行投資の影響により営業利益率は従前と比べて低い水準にある。今後は、「クラウドサービス」の損益改善や「プロフェッショナルサービス」の付加価値向上などにより、「メインフレーム事業」の縮小に伴う影響をいかにカバーしていくのかが最大の注目点と言えるだろう。
財務面では、財務基盤の安定性を示す自己資本比率は、2014年3月期にビーコンIT連結化により一度低下したものの、2016年3月期はビーコンITの吸収合併(親会社の持分変動)に伴い80.1%に上昇した。また、短期的な支払能力を示す流動比率も潤沢な「現金及び預金」の残高を反映して高い水準(2024年3月期末で305.8%)で推移しており、財務基盤の安定性は非常に優れている。それが今後の成長に向けた先行投資を支えていると言える。一方、資本効率を示すROEも2ケタの水準で推移してきたが、事業ポートフォリオの変化と先行投資の影響により、2018年3月期以降は10%を下回っている。
■株主還元
2025年3月期は前期比2.0円増配の年間70.0円を予想。今後も利益成長に伴う増配基調が継続される見通し
同社は、これまでの連結配当性向基準に代わり、2019年3月期からは株主資本配当率(DOE)を基準とした配当方針に変更している。先行投資などによる期間損益の変動に影響されず、安定かつ持続的な維持・増配を目指すところに狙いがある。また、自己株式取得についても機動的に実施し、取得済み分は適宜消却などを実施する方針としている。
2025年3月期の配当については、前期比2.0円増配の年間70.0円(中間35.0円、期末35.0円)を予定している。中期経営計画によれば、今後も利益成長に伴う増配を継続する計画となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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