ワンプラ Research Memo(2):「楽しいね!を、世界中の日常へ。」を掲げる、モバイルゲーム運営・開発会社
ワンダープラネットは、2012年に設立されたモバイルゲームの開発・運営会社で、「楽しいね!を、世界中の日常へ。」をミッションに掲げています。名古屋に本社を置き、地域に根ざした雇用を積極的に行っています。同社は「クラッシュフィーバー」や「パンドランド」などの自社開発オリジナルタイトルを提供しており、フリーミアムモデルで収益を得ています。特に「クラッシュフィーバー」は1400万ダウンロードを達成した長期運営タイトルです。また、大手企業との協業を活用し、収益の多様化と高収益性のタイトル創出を目指しています。2021年には東京証券取引所マザーズ市場に上場し、その後グロース市場へ移行しました。現在はユニバーサルゲーム事業部などの部署が連携し、ハイブリッドカジュアルゲームの開発に注力しています。
1. 沿革
ワンダープラネット<4199>は2012年9月、現 代表取締役社長CEOの常川友樹(つねかわともき)氏が「楽しいね!を、世界中の日常へ。」というミッションを掲げて設立した。世界中の一人でも多くの人々の日常に、家族や友達と「楽しいね!」と笑い合えるひとときを届け、国・言語・文化・年齢・性別などあらゆる壁を越えて誰もが楽しめるプロダクト・サービスを創り、コミュニケーションを通じた「笑顔」を世界の隅々まで広げることを目指している。同社の社名は、「Worldwide」「Nagoya」「Developer」「Play」「Amazing」「Network」を組み合わせた造語で、創業からの想いを初志貫徹すべく、「世界中へ、名古屋から生まれた開発チームが、遊びごころあふれる驚きとワクワクを、広げていく。」という想いがこめられている。同社は地域に根ざした雇用を積極的に行っており、名古屋本社で勤務する従業員は東海三県の出身もしくは卒業生が多数を占める。
同社は当初、なかなかヒット作に恵まれない状況が続いていたが、2015年7月にリリースした自社開発のオリジナルタイトル「クラッシュフィーバー」が初のヒット作品となった。同タイトルは現在運営10年目を迎えており、ロングタイトルとなっている。その後、2018年3月に自社開発のIPタイトルである「ジャンプチ ヒーローズ」をリリース(2024年3月サービス終了)、2022年7月には世界同時運営のオリジナルタイトルとして「アリスフィクション」をリリースした(2024年9月サービス終了)。そして、2024年6月には、ゲームフリークとの共同開発による「パンドランド」をリリースした。
2021年6月には東京証券取引所マザーズ市場へ上場し、2022年4月の同市場区分見直しに伴いグロース市場へ移行した。また、2023年1月にはHappy Elements(株)を割当先とした第三者割当増資を実施した。
2. 事業内容
同社は国内及びグローバル市場をターゲットとしたモバイルゲームの開発・運営を行っており、主要タイトルには自社開発オリジナルタイトル「クラッシュフィーバー」(日本版)と「パンドランド」(日本版)がある。「クラッシュフィーバー」は2015年7月にリリース以降、累計で1,400万ダウンロードの長期運営タイトルとなっている。同社は、自社開発や協業パートナーとの共同開発の下、国内外へと事業を展開している。同社が提供するタイトルはユーザーが無料でダウンロードして楽しむことができ、ゲーム内での一部アイテムの獲得や機能拡張を行う際に課金が必要となるフリーミアムモデルとしている。なお、ゲームの提供方法には、同社がプラットフォームを通じて直接ユーザーにサービス提供を行う「自社配信」と、協業パートナーを通じて行う「他社配信」がある。自社配信の場合は、ユーザーが購入したアイテム等の代金のうち、プラットフォーム利用にかかる手数料や協業パートナーへの収益分配額を控除した金額を同社が受領する。一方、他社配信の場合は、配信元が受け取った収益から同社が分配を受ける形となっている。なお、「クラッシュフィーバー」と「パンドランド」の売上高には季節性が見られる。「クラッシュフィーバー」は第2四半期(年末年始)と第4四半期(周年イベント時期)に売上が増加する傾向にある。一方、「パンドランド」はリリース直後であり、投資対効果の改善に取り組んでいる。
現在は、モバイルゲーム市場の中でも近年グローバルで市場規模を拡大してきた『ハイブリッドカジュアルゲーム』へ注力しており、開発・運営体制については、「ユニバーサルゲーム事業部」、「グローバルマーケティング&クリエイティブ事業部」、「EDMO(エンジニアリング&デザインマネジメント室)」の3つの機能性の高い部署が全社横断で連携し、効率的な開発・運営を行っている。
ユニバーサルゲーム事業部は、創業から培ってきた新規開発及び長期運営のノウハウと、海外でのタイトル運営実績やIP活用実績を活かし、モバイルゲームの企画・開発・運営を行っており、グローバルマーケティング&クリエイティブ事業部は、グローバルパブリッシング機能を含む、ゲーム内外のマーケティングを行っている。EDMOは、同社の技術戦略や技術基盤の構築、各タイトルへの技術支援等を全社横断的に主導しており、各タイトルの品質向上やゲームの面白さといったユーザー価値、ビジネス価値の創出にかける時間の最大化を目的とし、グローバル水準での『ハイブリッドカジュアルゲーム』に向けた独自開発基盤「SEED」の構築も行っている。
同社の成長の背景には、土台となる開発力は当然ながら、大手企業との協業が挙げられる。一例を挙げると、「クラッシュフィーバー」はユナイテッド<2497>との協業※による積極的なプロモーションがヒットに寄与した。また、「ジャンプチ ヒーローズ」(2024年3月にサービス終了)は、協業相手のLINEヤフー<4689>が手掛ける漫画事業やLINEスタンプ事業による独自の事前プロモーションにより、事前登録者数は50万人超、サービス開始から1週間で100万ダウンロードを突破した。
※ 2022年5月にユナイテッドの子会社であるプラスユー(株)との業務提携を解消し、同社単独での運営に移行した。
ただし、大手企業との協業にはメリットが大きい一方、自社IPと比較して収益性が低下するデメリットもある。これらはトレードオフの関係として、モバイルゲーム各社が抱える課題である。同社は、中長期的な既存タイトルの運営・改善に加え、新たなタイトルの創出によって収益の多様化を進める方針だ。有力な他社IPとの連携による安定的なヒットタイトルの創出と、自社開発による高収益タイトルの創出の両輪により、売上はさらに拡大するものと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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