ナガイレーベ Research Memo(3):付加価値の高い高機能性商品や患者ウェアの拡販に注力
ナガイレーベンは、医療白衣を主力製品とし、付加価値の高い高機能性商品や患者ウェアの拡販に注力しています。2024年8月期の売上構成では、ヘルスケアウェアが53.7%を占め、医療用品の中で特に高い市場シェアを誇ります。自社及び協力工場にて国内外で生産を行い、製品の99.4%が自社生産です。また、国内外の多くの代理店を通じて販売し、効率的なQR(Quick Response)体制を整えています。この戦略により、高い利益率(売上総利益率42.8%)と市場シェアを維持しています。今後は、周辺市場の開拓にも注力し、さらなる成長を目指しています。
1. 売上構成
同社の製品は、医療白衣及びその関連製品である。単一製品であることから、セグメント別数値は開示されていないが、2024年8月期のアイテム別売上高構成比は、ヘルスケアウェア53.7%、ドクターウェア14.3%、ユーティリティウェア・他2.9%、患者ウェア18.1%、手術ウェア9.4%、海外市場1.6%である。
「ヘルスケアウェア」とは主に看護師向け製品のことで、「ユーティリティウェア・他」にはユーティリティウェア(白衣などの上に着るエプロンやカーディガンなど)やシューズ、さらに「感染対策商品」などが含まれる。各アイテムの利益率は大きくは変わらないが、仕入商品の割合が高い「ユーティリティウェア・他」の利益率は相対的に低い。
また、2021年8月期より「市場別」区分を取り入れている。国内市場のうち、同社のシェアが比較的高い市場として「コア市場」(「ヘルスケアウェア」「ドクターウェア」「ユーティリティウェア・他」)、今後の成長余地が高い市場として「周辺市場」(「患者ウェア」「手術ウェア」)、そして「海外市場」の3つに区分している。2024年8月期の市場別売上高構成比は、コア市場が70.9%、周辺市場が27.5%、海外市場が1.6%である。
2024年8月期の商品(機能)別売上高構成比は、ハイエンド商品7.7%、高付加価値商品60.0%、付加価値商品28.5%、量販品3.8%となっている。ナースウェアの価格帯分類は、5,000円以下の量販品、5,000~7,500円の付加価値商品、7,500~10,000円の高付加価値商品、10,000円以上のハイエンド商品となっている。高価格なほど利益率は高い傾向にあり、ハイエンド商品、高付加価値商品の拡販に注力する方針だ。
2. 販売ルートと生産状況
同社のエンドユーザーは看護師や医師などで、製品の購入者は主に病院などの医療施設や介護施設などである。ただ直接販売は行っておらず、医療施設などと取り引きしている業者を経由した販売を行っている。これにより販売経費を抑えているが、大病院などへは常に同社の営業社員がコンタクトを取り、顧客ニーズを汲み取っている。
以前は病院内で自ら医療白衣の洗濯を行うケースが多かったが、近年は洗濯のアウトソーシングの普及に伴いリースに切り替わってきている。リース期間は通常4年で、4年ごとにリースの切り換え需要が発生することが、同社の業績を安定的に支えている。ただしリース更新のサイクルは必ずしも前回と同じ時期に発生するとは限らず、多少前後する(ずれ込む)場合もあるため、四半期ごとの売上高に、ぶれが生じる場合もある。
2024年8月期(同社単独)は製品の99.4%が自社及び協力工場(国内生産45.4%、海外生産54.0%)で生産され、仕入商品は0.6%となっている。海外生産はインドネシア、ベトナム、中国で行われているが、自社工場を持たずに現地のパートナー企業の工場で生産しており、投資リスク軽減とコスト削減を両立している。
3. 特色と強み
同社の強みの1つは企画から原材料の調達、製造、販売まで一貫して行う体制が整っていることである。製品企画の面では、ユーザーのニーズを的確につかみ、製品に反映させている。具体的には、働きやすい(動きやすい)、静電気が発生しにくい、制菌(細菌の増殖を抑える)などの機能面に加え、デザイン性にも優れた製品を提供している。製造面においては、素材を共同開発する東レ<3402>をはじめとする大手合繊メーカーや繊維商社などと直接やり取りすることで、最適な素材を確保して安価に製造し、適正マージンを乗せて販売することを可能にしている。
また、多くの提携工場を持つことに加えて、資金力が豊富であることから常に数千種類に及ぶ製品アイテムの在庫をそろえており、オーダーメイドにも対応している。さらに幅広いユーザーニーズに対して、希望する製品を指定された期日に即納する迅速な生産・販売体制(Quick Response体制、以下QR)を整えている。販売面では、全国に1,000社近くの代理店網を有しており、販売力が強固でありながら、同社自身は販売経費を可能な限り抑えている。
この結果、医療白衣のコア市場では国内シェアは60%超となっており、医療白衣のリーディングカンパニーとしての確固たる地位を維持している。また、2024年8月期の売上総利益率は42.8%と高水準を維持している。高い利益率と高い市場シェアを維持できているのは、多くの顧客が同社の製品・サービスに満足しているということであり、これこそが最大の強みと言える。
医療白衣というニッチ市場に経営資源を集約することで、企画から生産・販売まで一貫した効率的な経営が可能となっている。またニッチ市場ではあるが、患者ウェアや手術ウェアなどの相対的に同社のシェアが低い周辺市場においてはまだ開拓の余地がある。同社は、「当分はこの医療白衣で事業を伸ばすことは可能であり、今後も積極的に周辺市場の開拓を行う」としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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