ネクスグループ<6634>は、ファブレス型の通信機器メーカーである(株)ネクス、電子書籍事業を手掛ける(株)実業之日本デジタル、外食産業・コスメティックショップにおける、消耗品・備品・パッケージ・厨房備品の供給等を手掛ける(株)ケーエスピー、コミッション※プラットフォーム「Skeb」を運営する(株)スケブを擁するホールディングカンパニーである。2023年11月期より「メタバース・デジタルコンテンツ事業」「IoT関連事業」「暗号資産・ブロックチェーン事業」の3セグメントで事業を展開している。
※クリエイター(創作者)にクライアント(依頼者)が作品制作を有償で依頼することを指す。
1. 2024年11月期第2四半期の業績概要
2024年11月期第2四半期の連結業績は、売上高が485百万円(前年同期比5.4%増)、営業損失が196百万円(前年同期は87百万円の損失)、経常損失が195百万円(同48百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が203百万円(同87百万円の利益)となった。メタバース・デジタルコンテンツ事業とIoT関連事業が好調に推移し、2ケタ増収を達成した。メタバース・デジタルコンテンツ事業では、VR関連の開発が進行中のほか、主力作品「静かなるドン」の販売が復調し、公式YouTubeチャンネルの登録者数は10万人を突破した。IoT関連事業では、NVIDIA Corporation
2. 2024年11月期の業績見通し
2024年11月期の連結業績は、売上高が1,517百万円(前期比89.3%増)、営業利益が159百万円(前期は211百万円の損失)、経常利益が169百万円(同150百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が153百万円(同657百万円の損失)と期初計画を据え置いた。全社損益の早期黒字化を目指し、IoT関連事業の収益拡大と、新たな収益の柱となる新事業の拡大に注力する。M&Aによりケーエスピーとスケブの2社が新たに加わった。ケーエスピー単体の2023年5月期決算は、売上高1,483百万円(前期比10.3%増)、営業利益72百万円(同14.3%減)、スケブ単体の2023年1月期決算は、売上高222百万円(同54.2%増)、営業利益43百万円(同330%増)である。同社の2024年11月期の業績予想は確度の高い数値見通しであることや、M&Aにより取得した2社の売上高・営業利益への寄与も期待されることから、計画達成はもとより上方修正の可能性もあると弊社では見ている。
3. 中期経営計画
同社は、2022年11月期に事業構造改革を完了し、営業利益の黒字化を達成したことから、中期経営計画(2023年11月期~2025年11月期)を策定した。IoT関連事業主体の現在の事業モデルから成長分野へ事業展開する。具体的には、「ブロックチェーン」「トークン」「メタバース」を掛け合わせたWeb3.0領域へ事業展開する。「GameFi※」分野でNCXCを活用することで、NCXC経済圏の拡大を目指すほか、メタバース市場及びデジタルコンテンツ市場へ参入し、事業の拡大を目指す。さらに、ネクスの持つIoTの戦略資産にメタバースなどの新たな強みを加え、デジタルツイン市場での展開を目指す。これらを推進することで、最終年度となる2025年11月期に売上高25億円以上、営業利益率15%以上、時価総額130億円以上を目指す。
※Game(ゲーム)とFinance(金融)を融合させた造語。ゲームをプレイすることでプレイヤーがトークンなどの経済的インセンティブを獲得できる「Play to Earn」のブロックチェーンゲームを指す。
■Key Points
・2024年11月期第2四半期は増収減益。メタバース・デジタルコンテンツ事業とIoT関連事業が2ケタ増収を達成した一方、暗号資産・ブロックチェーン事業で減損損失を計上
・2024年11月期通期予想は据え置き。IoT関連事業の収益拡大やM&Aにより取得した2社の業績寄与が期待される
・事業構造改革を踏まえた中期経営計画を策定。新技術と既存事業のシナジー創出により成長分野へ大きく事業展開することで飛躍的な成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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