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アクセル Research Memo(8):遊技機向けファブレス半導体企業から先端テクノロジー企業を目指す


*16:38JST アクセル Research Memo(8):遊技機向けファブレス半導体企業から先端テクノロジー企業を目指す ■今後の見通し

2. 今後の成長戦略
アクセル<6730>は、遊技機向けファブレス半導体企業から、世の中の革新に貢献する先端テクノロジー企業としてグローバルに活躍する企業へと進化することをビジョンとして掲げている。同ビジョンを実現するために、LSI開発販売関連(パチンコ・パチスロ機向け)をキャッシュ・カウとして、引き続き積極的に経営リソースを投入しながら、AIソリューションを中心とした新規事業関連に資金を投下し、持続的かつ飛躍的な成長を目指す戦略となっている。新規事業関連については、M&A・アライアンス戦略も積極的に推進しながら成長を加速していく方針で、中長期的に新規事業関連の収益をLSI開発販売関連と同程度まで育成することを目標としている。AIソリューションを展開するベンチャー企業は多いが、安定収益源を確立し潤沢な資金を用いて事業展開を進めている企業は少なく、同社の強みの1つと言える。

(1) LSI開発販売関連
LSI開発販売関連のうち、G-LSIは性能向上(独自の動画圧縮伸長技術による臨場感のある映像表現の実現等)と、消費電力の低減、顧客との信頼関係の維持向上などに努めることで、高シェアを維持し安定的な収益を獲得していく戦略だ。将来的にパチンコ・パチスロ機においても臨場感のあるVR/AR技術の導入が進む可能性があり、そうなればG-LSIの性能向上だけでなく、メモリの搭載容量増加やその他の半導体需要が増加することも考えられ、市場全体の縮小傾向が続いたとしても遊技機1台当たりの売上単価上昇により、安定収益を確保していくことは可能と弊社では見ている。

(2) 新規事業関連
新規事業関連について、機械学習/AIとWeb3.0領域に注力していく。これら領域における市場の成長ポテンシャルが高いこと、また、同社が遊技機市場で培ってきたアルゴリズム・ハードウェア・ソフトウェア等の開発ノウハウや技術力を強みにすることがきる領域と考えているためだ。課題は幅広い業界にアプローチするためのマーケティング・営業力にあるが、同社はM&A・アライアンス戦略を推進することで、こうした課題を解消し成長を加速していく考えだ。対象はAI技術に課題を抱えているSIerやアプリ開発会社となる。

a) 機械学習/AI領域の取り組み状況
機械学習/AI領域では、独自開発したエッジ推論向けフレームワーク「ailia SDK」の強みを生かして、フレームワークの販売と開発支援の積み上げ、ソリューションパッケージの提供に取り組んでおり、今後は「ailia DX Insight」を核にロイヤリティ・ビジネスを構築していくことで事業を拡大していく戦略だ。「ailia SDK」を使用することで最新モデルを含めた300種類を超える学習モデルがすぐに活用できること、並びに世界最高水準の高速処理を実行できること、またクロスプラットフォームに対応できる長所を生かし、組込み機器メーカーと組んで最適なAIシステムを構築していく。AIチップはNVIDIAが圧倒的シェアを握っているが、競合メーカー(インテル、ルネサス エレクトロニクス、Qualcomm、TI、MediaTek等)でも利用が可能でハードウェアに依存しない点も「ailia」の強みと言える。

b) 自動運転向けの取り組み
NEDOの公募事業の一環として、完全自動運転に特化したAIチップの研究開発を2018年から進め、2023年3月に試作品が完成したことを発表し、同プロジェクトについては終了している。AIチップに関連する今後のビジネス展開は検討中で、(株)ティアフォーと協議を進めている状況にある。ただ、自社で自動運転用半導体事業を展開していくのは開発負担や事業リスクが大きいと感じているようで、現時点ではデンソー<6902>が開発するAIアクセラレーターなどに同社の「ailia SDK」を実装し、ロイヤリティ収入を獲得していくことを基本戦略としている。まずは、工場内で走行する自動搬送車両やショッピングモールの移動車両など走行エリアが限定されるモビリティ市場への展開が想定される。このため、収益に貢献するまでにはしばらく時間がかかるものと見られる。

c) ブロックチェーン技術(Web3.0)領域
ブロックチェーン技術(Web3.0)領域については、2030年の世界市場規模が800億ドル、年率で43%の高成長が予測されており、コンシューマ用途からビジネス用途まで幅広い分野で普及が見込まれている。同領域においては同社が持つ暗号化技術をベースとした堅牢なセキュリティソリューションを提携戦略により展開していく計画となっており、前述した&DC3との提携(デジタルコンテンツの著作権管理)もその一例となる。サイバー攻撃が多発化するなかで、企業活動だけでなく社会インフラの安全性を高めるうえで、暗号化技術によるセキュリティソリューションの重要性も今後高まることが予想される。今後、自治体における各種住民サービスや医療情報、インターネットバンキング、ネットワーク監視カメラなどプライバシーの秘匿性が強く求められる分野で利用される可能性があり、提携戦略の動向に注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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