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三井松島HD Research Memo(3):M&Aにより収益基盤の多様化・安定化を推進中(1)


*16:23JST 三井松島HD Research Memo(3):M&Aにより収益基盤の多様化・安定化を推進中(1) ■事業内容

1. 生活関連事業
三井松島ホールディングス<1518>は、収益基盤の安定化・多様化を図るため、新規事業の育成・強化を積極的に推進している。2024年3月期第1四半期より、生活関連事業を生活消費財分野と産業用製品分野の2分野に集約している。生活消費財分野には日本ストロー、明光商会、ケイエムテイ、システックキョーワ、MOSが属している。産業用製品分野には、CST、三生電子(子会社にSaunders & Associatesを含む)、日本カタン、プラスワンテクノ、ジャパン・チェーン・ホールディングスが属している。なお、従来、生活消費財分野に属していた花菱に関しては、株式持分の66%を吉村(株)に譲渡した。引き続き株式持分の34%を保有しながら、今後は吉村との業務資本提携を活用することにより、花菱のさらなる成長と企業価値の向上を支援する方針だ。

生活消費財分野
(1) 日本ストロー
2014年2月に株式取得した日本ストローは、大手乳業・飲料メーカー等に向けて伸縮ストロー等の製造販売を行っているほか、プラスチック製品・包装資材を始めとする飲食用資材の仕入販売を行っている。

日本ストローは1983年に伸縮ストローを開発して以来、業界の先駆者として独自の技術・ノウハウを蓄積し、ストローの国内リーディングカンパニーとしての地位を確立している。国内伸縮ストローの市場シェアは第一位である。大手乳業・飲料メーカーなど優良顧客からの高い信頼と評価による安定的な取引基盤を構築し、安定した業績をあげている。

2021年に海洋生分解性プラスチック伸縮ストローを商品化(世界初)した。2022年4月に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行され、環境対応素材ストロー(バイオマスプラスチック、海洋生分解性プラスチックが主流)への移行が加速しており、コンビニへの販売やスムージー系飲料での使用など、販売先と用途が拡大している状況だ。優良顧客基盤を有する日本ストローは今後も、既存のプラスチックストローからの切り替えを促進しつつ、技術優位性を活かしてさらなるシェアのアップ、単価・収益性のアップに注力する方針である。

市場環境の見通しは良好だ。消費者庁が実施した「令和5年度消費生活意識調査」によると、エシカル消費※に関する認知度は令和元年の12.2%から29.4%まで上昇している。また、エシカル消費について説明した後、興味の度合いについて聞いたところ「非常に興味がある」「ある程度興味がある」と回答した割合は46.1%であった。エシカル消費に関する消費者の興味・関心が高まるなかで、環境対応素材ストローに対するニーズも好調に推移するものと弊社は見ている。

※ 消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと。


(2) 明光商会
2019年4月に株式取得した明光商会は、シュレッダーを中心とする事務用設備の製造・販売・保守を行っている。1960年に日本初のシュレッダー製造販売を開始して以来、独自の技術・ノウハウを蓄積し、シュレッダーのリーディングカンパニーとしての地位を確立している。国内オフィス用シュレッダーの市場シェアは第一位である。代表的な製品としては、用途に応じたラインナップが豊富な「MSシュレッダー」のほか、WEB機能により3密対策を実現した受付自動案内システム「MSボイスコールNEO」などがある。また、営業・サービス拠点が日本全国をカバーしていることも強みとなっている。

総務省「令和2年版情報通信白書」によると、日本企業がパーソナルデータの収集に当たって最も重視する点として「収集するデータのセキュリティの確保」と回答する割合が高まっている(2017年の15.7%に対して2020年は28.7%)ことからも、情報セキュリティに対する意識が高まっていることがうかがえる。明光商会のシュレッダーには、細断サイズが10平方ミリメートル以下と世界最小の商品もあり、昨今のセキュリティ対策に対応できていると言える。

(3) ケイエムテイ
2020年4月に株式取得したケイエムテイは、予防医学に基づいた高品質プレミアムペットフードの企画・販売を行っている。ヒューマングレードの原材料を使用し、添加物・着色料・副産物不使用などペットの健康に配慮した商品を展開している。全国のペットブリーダーや動物病院からも高い支持を得ており、高品質な健康プレミアムペットフード市場において強いブランド力と高いシェアを有している。

市場環境については、底堅く推移すると弊社では見ている。2人以上世帯のペットフードへの支出額は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の2021年に7,787円と前年比微減(375円減)となったものの、2022年には増加傾向に回帰し、2023年は前年比11.2%増の9,795円と大きく伸びている。また、ホームセンターにおけるペット・ペット用品の販売額は2022年に前年から減少したものの、2023年には増加に転じるなど安定して推移している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

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