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システムサポート Research Memo(1):クラウドインテグレーション事業をけん引役に2ケタ増収増益が続く


*15:21JST システムサポート Research Memo(1):クラウドインテグレーション事業をけん引役に2ケタ増収増益が続く ■要約

システムサポート<4396>は、業界トップクラスの技術力を強みに各種クラウド基盤やERP、データベース等の導入・利用支援を中心に成長を続ける独立系IT企業である。本社は石川県だが事業活動の中心は東名阪で、北米にも子会社を置いている。データセンターサービスやクラウド(SaaS型)サービスで提供する自社プロダクトなどストック型ビジネスにも注力している。

1. 2024年6月期第2四半期累計の業績概要
2024年6月期第2四半期累計(2023年7月~12月)の連結業績は、売上高で前年同期比15.5%増の10,635百万円、営業利益で同19.0%増の883百万円と会社計画(売上高10,634百万円、営業利益862百万円)を上回り、過去最高を連続更新した。企業のDX投資拡大が続くなか、技術者の採用・育成が順調に進み、主力のクラウドインテグレーション事業の売上高が同39.5%増の3,340百万円と大きく伸長したことが主因だ。好採算の「ServiceNow※」関連が同29.0%増と2ケタ成長が続いたほか、AWSやMicrosoft Azure、Google Cloudなど主要クラウド基盤の移行・利用支援もリセール収入含めて好調に推移した。また、データセンター関連を中心としたアウトソーシング事業やプロダクト事業、海外事業も計画を上回る増収増益となった。

※ 「ServiceNow」とは米国ServiceNowが提供する、業務プロセスの標準化・自動化を行い、従業員・組織の生産性向上を支援するクラウドプラットフォームで、DXソリューションとして欧米だけでなく日本でもここ数年で急速に普及し始めている。同社は日本企業として2015年にいち早くパートナー契約を締結し、国内ではトップクラスの導入実績を持つ。


2. 2024年6月期の業績見通し
2024年6月期の連結業績は売上高で前期比13.1%増の21,784百万円、営業利益で同21.0%増の1,763百万円と期初計画を据え置いた。クラウドインテグレーション分野の需要は引き続き旺盛で、能登半島地震の影響についても軽微だったことから、通期業績も計画をやや上回る可能性が高いと弊社では見ている。「Azure OpenAI Service」※導入支援サービスなど生成AIを活用したソリューションの引き合いも旺盛で、今後の収益増に貢献する見通しだ。2024年春の新卒入社者は106名とおおむね計画どおりの採用ができ、中途入社者を含めると200名(前期は185名)の採用を計画している。人件費や採用・教育費の増加が見込まれるものの、付加価値の高いクラウドインテグレーション事業の成長によって営業利益率もさらに上昇する見通しだ。

※ Azure OpenAI Serviceとはマイクロソフトが企業向けに提供するサービスで、ユーザー企業はOpenAIが開発したChatGPTやGPT-3.5/4、Codexなどの言語モデルを、Microsoft Azureで利用できる。OpenAIにより無料公開されているChatGPT等のサービス環境とは異なり、Azureの高度なセキュリティで保護されているというメリットがある。


3. 中期経営計画
同社は、中期経営計画の最終年度となる2026年6月期の業績目標として、売上高26,805百万円以上、営業利益2,407百万円以上を掲げている。3年間の年平均成長率は売上高で11.6%、営業利益で18.2%以上の成長ペースとなるが、現状は順調なペースで進捗していると評価される。重点施策として「顧客・社会のDX推進の基盤となるサービスの拡充」「多様な人材の成長と活躍」「ESG経営の強化」に取り組んでおり、事業セグメント別ではクラウドインテグレーション事業で年率20%台の売上成長を見込んでいる。企業のクラウドシフトや業務でのAI活用といった需要は今後も拡大傾向が続くため、技術者の採用・育成が順調に進めば業績目標は十分に達成できると弊社では見ている。なお、株主還元策としては配当性向で30~35%の水準を目安に配当を実施する方針で、2024年6月期の1株当たり配当金は前期比4.0円増の36.0円(配当性向31.9%)と5期連続の増配を予定している。

■ Key Points
・2024年6月期第2四半期累計業績はクラウドインテグレーション事業がけん引し2ケタ増収増益を達成
・2024年6月期業績計画は順調に進捗、過去最高を連続更新する見通し
・AIソリューションの普及もあってクラウドサービス市場は今後も高成長を持続。中期業績は年率2ケタ成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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