RSテクノ Research Memo(9):VRFB用電解液事業に新規参入、数百億円規模の事業に育つ可能性
3. バナジウムレドックスフロー電池用電解液市場に新規参入
(1) VRFBとは
RS Technologies<3445>は2023年10月にVRFB用電解液の開発、製造、販売を手掛けるLEシステムを100%子会社として新設した(旧LEシステム(株)から事業承継)。VRFBは省エネ対策において1970年代から国策プロジェクトとして研究開発が進められてきた蓄電池で、現在広く普及しているリチウムイオン電池と比較して小型化には適さないものの、不燃性で安全性が高く長期間性能が劣化しないことや無制限に充放電が可能なことなどが特徴として挙げられる。さらに、電解液を増やすだけで蓄電容量を容易に増やすことができ設計の柔軟性があることから、定置式の大型蓄電用途、具体的には太陽光発電や風力発電などで発電した電気を蓄電する用途として適している。VRFBの基本原理は、セパレータで分離された正極/負極間に活物質を含む電解液をポンプで循環させ、電極で活物質が電子を受け渡すことで充放電する仕組みである。性能劣化がないことから、長期運用するケースでコスト優位性を発揮する。リチウムイオン電池(リン酸鉄系)との比較においては、10年運用でほぼ同コスト、20年運用で3割強コストが低くなると同社では試算している。
(2) 市場見通し
メガソーラー発電所の普及により、クリーンエネルギーの昼間の電力供給量が増加した一方で、需給面から廃棄されるケースも目立ってきており、発電した電力を一旦蓄えて夜間に利用可能とする大型蓄電池の必要性が国内外で急速に高まっている。同社提供の資料に掲載されている「IEA World Energy Outlook 2022」によると、世界の定置式蓄電容量の予測について、最も保守的な数値(各国の表明ベース)として、2021年の27GWhから2030年に10倍の270GWh、2050年に48倍の1,296GWhに拡大するとの見方が示されており、このなかの一定割合をVRFBシステムが占めるものと予想される。特に、再生可能エネルギー市場で世界トップの中国では、2022年6月に国家エネルギー管理総局がリチウムイオン電池とNaS(ナトリウム硫黄)電池に関して発火リスクがあるため、6MWh以上の大型蓄電システムを構築する場合には消火設備等の設置を義務付ける旨の書簡を発行したこともあり、安全性の高いVRFBに対する注目度が高まり、投資も活発化している。また、欧米やオーストラリアでもVRFBを使った大型蓄電システムのプロジェクトが動き始めている。
VRFBの新設蓄電容量は2022年の1.5GWhから2028年に20GWhに急成長し、そのうち50%が中国を中心としたアジア地域で占められる見通しである。電解液の市場で換算すると2022年の9万立方メートルから2028年は120万立方メートルと年率50%以上のペースで拡大することになる。
(3) LEシステムの強み
現状、電解液メーカーとしては中国メーカーが多く、LEシステムは2023年から本格的に製造を開始したところだが、将来的にはVRFB用電解液市場でトップシェアを目指している。トップシェアを獲得するためのコアコンピタンスとして、原材料であるバナジウムの安定的な調達力、電解液生産プロセスのコスト競争力、多数の電池メーカーとの連携を可能とする総合技術力の3点を挙げており、これらの強みを生かして国内外のVFRBメーカーに拡販する方針だ。
a) バナジウムの安定的な調達力
バナジウムの主要原産国は南アフリカ、中国、ロシア、米国の4ヶ国で9割超を占めている。用途としては製鋼添加剤向け(強度・耐熱性向上)が8割以上を占めているが、化学・エレクトロニクス業界向けでも幅広く利用されている。VRFB電解液用としては、五酸化バナジウムが一般的に用いられるが、市況変動により調達コストのコントロールが非常に難しいことが課題であった。こうした市況変動リスクを軽減するため、LEシステムでは火力発電所やプラント施設等から排出される廃棄物(残渣)からバナジウムを回収する多種の技術を保有しており、国内外の大手石油会社や鉄鋼メーカーのほか南アフリカの大手鉱山会社とも提携して、安定的に調達できる体制を確立することを目指している。
b) コスト競争力
一般的な電解液の製造フローとしては、五酸化バナジウムを仕入れて、溶解・濾過、電解還元工程を経て3.5酸化バナジウムにし、電解液としている。これに対して、同社では五酸化バナジウムを精製するまでの中間生成物であるメタバナジン酸アンモニウム(以下、AMV)から直接電解液を製造する技術を確立している。AMVは相対価格交渉であり五酸化バナジウムよりも安価に調達できるほか、溶解時間が5分の1と短いため電気代が半分以下に低減できること、また他社と比較して高い液面接触面積を持つ還元装置を利用することなどから、電解液の製造コストは他社比較で50%程度になると同社では試算している。VRFBのコストに占める電解液製造の比率は約35%と高いため、システム全体の低コスト化につながる技術として注目される。また、同社調べによれば電解液に含まれる不純物の成分も他社品より少なく品質が高いことも強みとなる。不純物が少ないほど長期運用には適していると見られているためだ。加えて、鉛フリーやアンチモンフリーの技術も確立しており、環境規制にも対応済みだ。
c) 総合技術力
LEシステムは、国内で30年以上の間、VRFBに関わる技術開発に携わってきた人材を技術顧問団として有していることや、電解液の研究開発を続けるなかで国内外のセルメーカーと開発レベルでネットワークを構築済みであること、かつ、独自でセル開発も可能なVRFB設計技術を有しており最適なVRFBシステムの提案が可能な点が強みである。特許戦略の面においても、バナジウムの回収技術や電解液製造プロセス、VRFBシステムの設計などで特許を有している(14件の特許出願、うち5件取得済み)。
(4) LEシステムの現状と今後の見通し
LEシステムは現在、研究開発拠点となるつくば事業所のほか、量産工場として2021年9月に竣工した浪江工場(福島県)を持っている。浪江工場は5千立方メートル/年の生産能力を有しているが、2022年まで稼働しておらず売上高の実績もなかった。しかし、2023年に入って複数のアジアメーカーから受注を獲得し、量産に着手した。国内のVRFBメーカーである住友電工<5802>からも2022年末に浪江工場の技術認証を得たことから、早晩受注を獲得できるものと期待される。今後、国内では自立・帰還支援雇用創出企業立地補助事業の補助金を受けて、2025年を目途に生産能力を5千立方メートル/年増強する予定だが、ここにきて中国メーカーからの引き合いも増えてきたことから、中国に製造拠点を新設する検討も進めているもようだ。進出する場合には、5万立方メートル/年規模の工場になることが予想される。再生可能エネルギー市場で中国は世界最大の市場でもあるだけに成長期待は大きい。
同社では将来的に15万立方メートル/年の生産体制構築を目指しているが、現状の電解液の販売価格で換算すると約900億円規模になる。量産化によって低価格化が進むことを考えても、数百億円規模の事業に育つ可能性は十分にあると見られ、今後の展開が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SO>
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