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川辺 Research Memo(4):2023年3月期は黒字へ回復。人流回復に加えてハンカチーフの価格改定も寄与


*12:04JST 川辺 Research Memo(4):2023年3月期は黒字へ回復。人流回復に加えてハンカチーフの価格改定も寄与 ■業績動向

1. 2023年3月期連結業績の概要
川辺<8123>の2023年3月期の連結業績は、売上高が前期比16.4%増の12,551百万円、営業利益が123百万円(前期は214百万円の損失)、経常利益が205百万円(同122百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が124百万円(同365百万円の損失)となった。コロナ禍の影響が和らぎ、特に第4四半期に百貨店等への人流回復やインバウンド需要回復が顕著となり同社の売上高も回復傾向となった。各利益は為替の円安影響のほか広告宣伝費や人件費の増加などのコストアップ要因があったものの、増収効果や第4四半期からの販売価格改定効果、その他経費抑制効果、在庫削減効果などにより黒字へ回復した。売上総利益は15.7%増加し、売上総利益率は0.2ポイント低下して36.0%となった。販管費は6.7%増加し、販管費比率は3.2ポイント低下して35.0%となった。なお特別利益では投資有価証券売却益39百万円を計上、特別損失では減損損失が19百万円減少した。また法人税等調整額が167百万円減少したため法人税等合計が98百万円減少した。

身の回り品事業は、売上高が14.8%増の10,726百万円、セグメント利益(全社費用等調整前経常利益)が161.5%増の386百万円となった。品目別売上高はハンカチーフが11.5%増の7,705百万円、スカーフ・マフラーが16.3%増の1,290百万円、タオルが7.6%増の713百万円、雑貨・その他が55.2%増の1,017百万円となった。ハンカチーフはギフト需要が回復基調で推移し、新規取引先開拓や第4四半期からの販売価格改定なども寄与した。スカーフ・マフラーは、需要期である第3四半期~第4四半期に人流が回復傾向となったことに加えて、「母の日」や「敬老の日」需要の取り込み、無染色カシミヤシリーズなど新作の投入、新アイテムの晴雨兼用傘の好調推移なども寄与した。タオル・雑貨・その他では、学校等でのプール授業再開によりラップタオルの需要が拡大し、EC・TV通販や同社が幹事として自主運営を行う百貨店雑貨売場も寄与した。

フレグランス事業は、売上高が26.2%増の1,824百万円、セグメント利益(全社費用等調整前経常利益)が24百万円の損失(前期は103百万円の損失)となった。行動制限の緩和に伴って人流が回復傾向となり、メゾンフレグランス商材を中心に、主要販路である百貨店や直営旗艦店における売上が回復基調となった。


財務健全性を維持
2. 財務の状況
財務面で見ると、2023年3月期末の資産合計は前期末比110百万円減少して12,188百万円となった。売上増加に伴って現金及び預金が276百万円増加、受取手形及び売掛金が308百万円増加した一方で、棚卸資産が599百万円減少、繰延税金資産が74百万円減少した。負債合計は442百万円減少して5,781百万円となった。支払手形及び買掛金が162百万円増加した一方で、有利子負債(長短期借入金合計)が761百万円減少した。有利子負債残高は2,585百万円となった。純資産合計は331百万円増加して6,407百万円となった。利益剰余金が124百万円増加、その他有価証券評価差額金が177百万円増加した。この結果、自己資本比率は3.2ポイント上昇して52.6%となった。特に懸念材料となる点は見当たらず、全体として財務の健全性を維持していると弊社では判断している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

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