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オプティム Research Memo(10):創業以来、イノベーションを通じて社会に貢献


*12:10JST オプティム Research Memo(10):創業以来、イノベーションを通じて社会に貢献 ■ESGの取り組み

オプティム<3694>では、ESG(環境・社会・ガバナンス)という言葉が注目される以前から、社会に良い影響を与えることを念頭に、本業を通じてESGに取り組んできた。経営理念では、「世界の人々に大きく良い影響を与える普遍的なテクノロジー・サービス・ビジネスモデルを創り出すことを目的として事業に取り組む」ことを掲げており、実際にイノベーションを通じて社会に貢献している。また、ダイバーシティや地域社会との関係性、ガバナンスにも配慮した経営を行っている。以下にそれらの事例を示す。

(1) Environment(環境)
a) ピンポイント農薬・肥料散布により化学農薬、肥料を最大99%削減
AIによる画像解析を農作物に対して行い、不必要な農薬を散布せず減農薬栽培を実現している。

b) デジタル技術を用いた気候変動(温暖化)に対応可能な栽培技術体系の確立
気象・水位・栽培歴・病害虫・生育データをデジタル化することで、環境・生育状況に応じた栽培手法をレコメンドするシステムを開発したことに加え、AIを用いた病害予察技術の高度化を実施している。気候変動に伴う、作物の高温障害や病害の北上等の課題への対策を可能とすることで、持続的な栽培を可能とする。

c) ドローンを活用した資源量調査サービス「Forest Scope」の提供
ドローンを活用して森林を空撮し、画像解析により樹木本数や材積量を推定することができる「Forest Scope」を提供している。同サービスを用いることで、森林資源量の調査を簡便に行うことができ、資源量の調査工数の削減を可能とする。森林保全を行うためには資源量調査が有効なデータとなり、保全のための間伐や資源循環利用、カーボンニュートラルに向けた、計画的な森林マネジメントに貢献している。

(2) Social(社会)
a) 多様な働き方を支援するサービス群(「Optimal Biz」「Optimal Biz Telework」「Optimal Remote」「Optimal Second Sight」)の提供
コロナ禍を契機に、多くの企業がテレワークへと勤務形態を移行し、物理的な場所や時間を意識しない仕事のやり方も求められている。このような社会状況に応えるべく、多様な働き方を実現する複数のサービスを提供している。一方、同社では週3日のオフィス勤務体制を基本としている。リアルコミュニケーションの重要性を再認識しており、2022年4月に増床移転した東京本社では社内にバーカウンターを設置するなど、従業員同士の情報共有やコミュニケーションを促進している。

b) 医療×IT:オンライン診療サービス
地域ごとの医療格差、仕事や育児、身体的事情などでの来院機会損失の課題に対して、スマートフォンやタブレットで遠隔診療を行うことで継続的に受診でき、予防医療にもつながり生活習慣病有病者や介護者を減らすことが可能となる。また医師にとっては、往診における時間的・経済的負担を削減できる。

(3) Governance(企業統治)
a) 指名・報酬・特別委員会の設置
取締役の選解任や報酬などの重要な事項の検討にあたり、社外取締役の適切な関与や助言を得る機会を確保し、公正性・透明性・客観性を強化することを目的に、取締役会が任意に設置する諮問機関として「指名委員会」「報酬委員会」を設置。両委員会の構成員は、取締役である委員3名以上で構成し、その過半数は独立社外取締役から選定している。また、支配株主と少数株主との利益が相反する重要な取引等について、公正性・透明性・客観性を強化し、コーポレートガバナンスの充実を図るため、「特別委員会」を設置。同委員会は独立社外取締役2名で構成されている。



■株主還元策

将来への投資を優先、配当予想は未定
同社は成長のための投資を優先する方針であり、現在の配当予想は未定である。日本では稀有な技術力・構想力を持つベンチャー企業だけに、投資には中長期の視点が必要だろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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