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フォーバル Research Memo(5):F-Japan戦略推進に伴う各種サービスが拡大


*12:25JST フォーバル Research Memo(5):F-Japan戦略推進に伴う各種サービスが拡大 ■業績動向

1. 2023年3月期の業績概要
フォーバル<8275>の2023年3月期の連結業績は、売上高が前期比15.5%増の59,538百万円、営業利益が同9.0%減の2,443百万円、経常利益が同4.8%減の2,717百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同8.6%減の1,679百万円となり、増収減益となった。

売上高に関しては、中小・小規模企業におけるDX推進の機運の高まりを受けてアイコンサービスなど各種サービスが順調に拡大したほか、GXに対する意識の高まりを受けて環境に優しい新電力サービスが増加し、前期比15.5%増となった。フォーバルビジネスグループの売上高は、前期比16.8%増となり、F-Japan戦略を積極的に推進したことなどによりアイコンサービスやセキュリティ関連が順調に増加したのに加え、新たに連結したグループ会社が増収に貢献した。フォーバルテレコムビジネスグループは、ISPサービス等が減少するなか、新電力サービスが増収をけん引し売上高で同14.0%増となった。総合環境コンサルティングビジネスグループでは、住宅用太陽光発電システム等が増加し、同22.3%増と復調の兆しが表れた。その他セグメントでは、会計システム関連等が増加したことなどにより同5.9%の増収となった。

利益に関しては、売上総利益が新電力サービスの仕入価格上昇の影響を受けて前期比6.9%増に留まったことを主因として、営業利益が同9.0%減となった。販管費は事業拡大に伴う人員増強の影響等により同9.5%増となったが、売上高販管費率は1.6ポイント低下しており抑制されている。経常利益は貸倒引当金繰入額の減少等により同4.8%減、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に事業譲渡益など特別利益を446百万円計上していたことから同8.6%減となった。なお、下期のみの業績では、新電力の仕入価格上昇の影響が減少したことにより、同社全体の各利益もすべて前年同期比で増加して、足元は巡航軌道に回復した。


健全かつ安定した財務基盤を堅持。フォーバルテレコムのビジネスモデルシフトにより自己資本比率が上昇
2. 財務状況と経営指標
2023年3月期末の総資産は前期末比3,360百万円増の35,858百万円となった。そのうち流動資産は2,518百万円増であり、受取手形及び売掛金の1,407百万円増加及び現金及び預金の991百万円増加が主な要因である。固定資産は841百万円増であり、有形固定資産の412百万円増加及び投資その他の資産の395百万円増加が主な要因である。

負債合計は前期末比2,095百万円増の20,221百万円となった。そのうち流動負債は1,869百万円増であり、支払手形及び買掛金の1,548百万円増加が主な要因である。固定負債は226百万円増であり、退職給付に係る負債の111百万円増加及び社債の100百万円増加が主な要因である。有利子負債(短期借入金、長期借入金、社債の合計)の残高は2,188百万円であり、現金及び預金11,162百万円と比較しても低水準にある。

経営指標(2023年3月期末)では、流動比率が148.5%(前期末150.2%)、自己資本比率が40.8%(同41.3%)となっており、健全かつ安定した財務基盤を堅持している。自己資本比率は4年前(2019年3月期末)の32.6%から8.2ポイント上昇した。これは、フォーバルテレコムのビジネスモデルのシフトにより顧客獲得に伴う前払販売奨励金が減少したことに起因する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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