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ステップ Research Memo(7):教師の給与引き上げに取り組み、人材基盤を強みに競争力を高める方針(1)


*14:07JST ステップ Research Memo(7):教師の給与引き上げに取り組み、人材基盤を強みに競争力を高める方針(1) ■今後の見通し

2. 今後の経営方針と成長戦略
(1) 今後の経営方針
ステップ<9795>は2023年5月の業績修正発表と同時に、今後の経営方針についても新段階に進めることを明らかにした。現在、3年連続で給与引き上げと処遇改善に取り組んでいるが、それらを含めた人材への投資を第一の柱に、時代のニーズに応える教育環境の整備を第二の柱として、積極的に資金を振り向ける方針とした。前述したとおり、直近では新規校舎開設のための自社物件取得など大きな設備投資の予定もないため、株主還元についても強化する方針とした。

学習塾業界は、長期的に見れば少子化の進行による競争激化で淘汰が進むのは必至であり、そのなかで生き残るためのカギを握るのは教務力(=教師の質)にあると、同社は考えている。優秀な教師をいかに多く抱えているかが重要であり、採用や育成にも注力するが、給与のアップを図ることでこうした人材基盤を強化する方針だ。現状でも同業他社と比較して同社の教師の給与水準は高めであるが、他業界と比較すれば課題は多い状況にある。このため、今後も継続して給与を引き上げることを目指している。当面は人件費の増加などにより、営業利益率も21%前後と2023年9月期並みの水準が続くものと想定している。

同社は従来から営業利益率で20%の水準を経営目標としてきたが、直近は生徒数が順調に拡大してきたこともあり、20%を大きく上回る水準まで上昇していた。しかし、これは労働分配率が低下したことが要因と見ることもできる。具体的には、2007年9月期の営業利益率20.4%、労働分配率61.1%に対して、2022年9月期は営業利益率で6.4ポイント上回る26.8%であったのに対して、労働分配率は5.7ポイント低下の55.4%となっていた。今回、教師の給与アップを行うことで営業利益率が低下し、労働分配率が同程度分上昇することになるが、中長期的な成長を確固たるものとする施策として弊社ではポジティブに評価している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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