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ダイキアクシス Research Memo(8):中期経営計画では、集中投資によるインドロールモデルを築く(1)


*15:08JST ダイキアクシス Research Memo(8):中期経営計画では、集中投資によるインドロールモデルを築く(1) ■中長期の成長戦略

2. 海外展開の加速
成長戦略の筆頭に挙げられている「海外展開の加速」は、SDGsの6番目の「安全な水とトイレを世界中に」に深く関わっている。アジアやアフリカの新興国では、水質汚濁による環境汚染が看過できない状態となっていることから、新しい排水処理基準が導入されている。ダイキアクシス<4245>が手掛ける中小規模の排水処理関連分野では、現地の企業が厳格化された基準をクリアできる技術水準にない。また、高い技術力を有する海外企業も、未開拓の市場においては現地の水事情に適合したコスト競争力のある製品を供給できていない。同社は、それぞれの国や地域の水事業に適合する製品開発、厳格化された規制水準をクリアしていることを証明する実証実験と認証を取得することを心掛けている。現地で受け入れられるコストを実現するため、主要な市場において子会社や合弁企業の設立、外部への生産委託、自社による現地組立及び一貫生産など、地域と市場の発展に適した生産形態を採っている。

2025年12月期の海外売上高は4,000百万円を計画している。うち、半分をインドが占める見込みだ。インドは、2023年に人口が中国を抜き世界一になるとされる。2022年の実質国内総生産(GDP)成長率が6.7%と伸び率が中国を上回った。ドルベースの名目GDPは約3兆3,800億米ドル(約460兆円)と英国を抜き世界5位となり、日本の8割に迫った。インドの人口は約14 億人と日本の11倍、国土面積が世界7位の328万km2と、日本の37万km2(62位)の約9倍の大きさである。2021年7月時点の人口の中位年齢は、日本の48.4歳に対しインドが27.6歳と若い。インドは、人口ボーナスによって、今後高い経済成長が見込まれ、下水道などの社会資本を整備する時期にあたる。

(1) インドの生産体制と売上高目標
中期経営計画において、同社は2024年12月期までインドに集中投資をして大躍進を図る。インドでの売上高を2022年12月期の2億円強から2025年12月期は20億円に増やし、海外売上高の半分を占めることを目指す姿としている。

インドでは同社による供給が追いつかないほど需要が旺盛だ。現在、インド国内に同社の代理店が23社ある。現地生産は、人員面と時間短縮を考慮して、同社の代理店でもあるローカルのプラスチック製品製造会社へ生産委託した。生産品目は、20~50世帯に対応するカプセルタイプ浄化槽である。生産能力は当初年間 100 台であったが、2021 年 9 月に年 360台へ拡大した。それでも供給が追いつかず、インドネシアから一部輸入して補っていた。インドにおける委託工場は西部のムンバイにある。同社は、インドで2番目となる独自運営の自社工場を北部のデリーに建設し、2023年2月から製品出荷を開始した。新工場では、第1工場(委託生産工場)で製造しているカプセルタイプの生産も可能だが、当初はインドネシアからの輸入に頼っていた円筒タイプを製造する。現地スタッフの作業スキルを向上し、2023年内に月産30台を目指す。最終的には年600台を計画している。

2025年には、第3工場の稼働が必要になると同社は考えている。インドの第2工場の稼働により、輸送コストの削減により収益力が向上し、輸送によって排出するCO2を削減する。また、案件への迅速な対応を可能とする体制が整う。これまでの営業エリアは北部が中心であるが、中部及び南部でも販売と生産のセットで市場開拓する。

同社は、物流面を考慮して、日本に4ヶ所の生産拠点を置く。さらに多拠点で生産を展開している大栄産業(株)と業務提携をして、相手先ブランドで製造し、製品を相互供給することでお互いの販売先に近い生産拠点から出荷する仕組みを構築し、物流コストを削減した。広大な国土のインドでも、生産の多拠点展開で物流の効率を高めていく。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

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