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TOKAI Research Memo(6):中期経営計画を推進し、2024年3月期以降は増益基調に転じる見通し


*14:36JST TOKAI Research Memo(6):中期経営計画を推進し、2024年3月期以降は増益基調に転じる見通し ■TOKAIホールディングス<3167>の業績動向

4. 中期経営計画「Innovation Plan 2024 “Design the Future Life”」
(1) 経営ビジョンと経営数値目標
2022年3月期からスタートした4年間の中期経営計画「Innovation Plan 2024 “Design the Future Life”」では、同社グループが10年後に目指す姿を“Life Design Group”(LDG)と位置付け、「お客様の過ごしたいライフスタイルをデザイン・提案することを通じて、社会課題の解決に貢献していく企業」を目指す方針を打ち出した。経営数値目標は2025年3月期に売上高2,450億円、営業利益186億円、親会社株主に帰属する当期純利益110億円を掲げ、前半の2年間で先行投資を積極的に行い、後半の2年で投資の成果を刈り取る計画だ。

(2) 重点戦略
a) LNG戦略の推進
LNG戦略とは、「Local(既存エリアにおけるシェア拡大)」「National(国内新規エリアの拡大)」「Global(海外への展開)」の3つの頭文字を組み合わせたもので、M&Aも活用しながら事業エリアを広げていくと同時に、収益性を重視した「選択と集中」にも取り組みながら、継続取引顧客件数の積み上げを図っていく。

b) TLCの進化
顧客の潜在ニーズを察知し、新しいライフスタイルをデザイン・提案するためのデジタルマーケティングを推進する。TLC会員アプリやLPガスのスマートメーター等から収集した顧客属性等の情報を基に、データ分析プラットフォーム「D-sapiens(ディーサピエンス)」の活用によるデジタルマーケティング施策によって、LTV(顧客生涯価値)の最大化を目指す。

c) DX戦略の本格化
DX戦略では、約325万件の顧客データや「ABCIR+S」を最大限に活用することで、既存ビジネスモデルの最適化を進め、「業務効率化」「サービスの高付加価値化」を推進するほか、技術やノウハウを持ったベンチャー企業等との協業による「新たなビジネスの創造」にも取り組んでいく。

d) 経営資源の最適配分
中期経営計画では、4年間で合計950億円の営業キャッシュ・フロー(経営資源)の創出を見込み、これらの最適配分として成長投資に650億円、残りを財務基盤の強化や株主還元に充当する方針である。具体的には、2025年3月期にROIC 9.9%以上、ROE 13%以上を目指し、株主還元については配当性向40~50%の範囲で配当を実施する。併せて、自己株式取得についても必要と判断すれば機動的に実施する意向である。

e) SDGsに向けた取り組み
SDGsに向けた取り組みとして、2021年5月に「TOKAIグループ カーボンニュートラル ビジョン」を公表した。同社グループでは2050年にカーボンニュートラルの達成を目指しており、その前段階として2030年までのCO2削減施策を明らかにしている。具体的には、LPガスの自動検針導入及び配送ルート最適化等によるCO2削減のほか、高効率ガス機器や太陽光発電システムの住宅への普及促進等によって住宅におけるCO2削減に取り組んでいく。

f) 新規分野の取り組み
「LDG」の実現に向けて、既存事業に加えて「ヘルスケア・農業・教育・シニアサービス・EV」をテーマとした新規分野への取り組みをベンチャー企業への出資・協業なども行いながら進めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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