GセブンHD Research Memo(4):2023年3月期業績は期初計画を据え置き、増収増益を目指す方針
3. 2023年3月期の業績見通し
G-7ホールディングス<7508>の2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比6.8%増の180,000百万円、営業利益で同3.4%増の7,700百万円、経常利益で同1.6%増の8,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同2.7%増の5,400百万円と期初計画を据え置いた。第3四半期までの進捗率は売上高で74.3%、営業利益で74.1%と直近3年間平均(売上高75.3%、営業利益84.3%)と比較すると売上高は順調な進捗となったが利益ベースではやや下回っており、計画をやや下回る可能性もあると弊社では見ている。
光熱費高騰の影響が第4四半期も続くが、第2四半期まで進捗が遅れていた精肉事業が回復してきたことや、ミニスーパー事業及びアグリ事業については不採算店舗の整理を進めたことによる収益改善効果が期待できるため、これらの動向が計画達成のカギを握るものと見られる。
2023年3月期の出店計画は35店舗(M&Aによる4店舗含む)を予定していたが、ミニスーパー事業やアグリ事業における出店戦略の見直しを行ったことや建設資材・電力料金等の値上がりもあって、30店舗(M&Aがなければ26店舗)に留まる見通しだ。第4四半期に13店舗の出店見込みであるが、このうち9店舗(「お肉のてらばやし」5店舗、「業務スーパー」3店舗、「シャトレーゼ」1店舗)については確定している。一方で、6店舗(「めぐみの郷」3店舗、「リコス」2店舗、「オートバックス」1店舗)の退店を予定しているため、2023年3月期末の店舗数はM&Aがなければ前期末比で若干減少する可能性がある。
なお、M&A案件については増えてきているようで、引き続き前向きに検討を進めている。2023年3月期の投資予算100億円のうち、M&Aで50億円の投資枠を確保している。
(1) 車関連事業
車関連事業のうち、オートバックス事業は増収増益を見込んでいる。「オートバックス」の国内店舗数は2023年2月に1店舗を退店予定で、前期末比横ばいの69店舗となる見通しだ。引き続き既存店舗の売上増に注力していく。
「バイクワールド」は通期でも増収減益を見込んでいる。ただ、2024年3月期には堅調な自動二輪車需要を背景に既存店売上高も回復に向かい、増収増益に転じるものと予想される。
また、海外事業のうちマレーシアの「オートバックス」「バイクワールド」については収益力強化に向けて、2024年3月期に販売戦略を見直す予定にしている。具体的には損失が続いている「オートバックス」の売り場面積を縮小し、空いたスペースにバイク本体の小売り店舗を出店することで集客力を一段と高め、「バイクワールド」の収益を拡大していくとともに、「オートバックス」の損失を縮小することで2024年3月期の利益転換を目指す。自動車輸出販売事業は円安を追い風に海外需要が堅調に推移しており、2024年3月期は増収増益となる見通しだ。
そのほか、アウトドア用品専門店「FIELD SEVEN」の5号店(加古川店)を2022年11月に「オートバックス加古川店」の2階に出店した。売り場面積は最大規模で、滑り出しは順調のようだ。2024年3月期はコロナ禍の一巡によりアウトドア需要の拡大が見込まれ、同事業の収益貢献が期待される。出店については「オートバックス」の新規店舗への併設、またはスペースに余裕のある既存店舗への出店を検討することにしている。
(2) 業務スーパー事業
業務スーパー事業は前期比1ケタ台の増収増益を見込んでいる。新規出店は通期12店舗の計画に対して8店舗(うち、第3四半期までに5店舗出店)まで確定しており、物件が見つかり次第出店する。また、既存店舗のリニューアルも順次進める予定だ。出店地域については引き続き九州圏、首都圏、北海道を中心に進めるほか、相対的に店舗数の少ない愛知県での出店にも注力していく。また、顧客の利便性向上を図るため、セミセルフレジやキャッシュレス決済の導入も順次進めており、レジ待ち時間の短縮による客数の回転率向上並びに売上拡大に取り組んでいく。
(3) 精肉事業
精肉事業は売上高で前期比1ケタ増収を見込むものの、利益ベースでは第2四半期までの落ち込みが響いて減益となる可能性が高い。ただ、第3四半期から増益に転じており、第4四半期もこの傾向に変わりはない。輸入牛肉の仕入再開についてはまだ為替水準も含めて時期尚早のようで、当面は国産牛の販売が中心となる。第4四半期は5店舗の新規出店を予定しており、2024年3月期も「業務スーパー」との同時出店を進めることで事業規模を拡大する戦略である。
(4) その他事業
その他事業は「リコス」「めぐみの郷」の店舗縮小の影響により減収となり、利益面でも減益が見込まれる。
「リコス」については、2023年3月に2店舗を退店予定で63店舗となる見通し。利益化店舗がまだ全体の3割強の水準に留まっており、既存店売上の回復が喫緊の課題となる。売上回復施策として、電子マネー決済によるポイントサービスを順次導入するほか、グループで販売している精肉や売れ筋のPB商品なども販売していく予定である。また、店舗の状況に合わせて営業時間の見直しも進めており、固定費の抑制を図る。2023年4月以降はマネジメント人材の一新により経営管理体制の強化も図り、2024年3月期の利益化を目指す。
「めぐみの郷」については2023年1月に関東圏の3店舗を退店し関西圏の23店舗のみとなったが、関西圏については収益化できており、損益面では改善する見通しだ。
G7ジャパンフードサービスでは、引き続き販路開拓とPB商品の開発に注力し増収増益を見込む。女性向け健康体操教室「カーブス」は既存店売上高で前年同期比1ケタ増ペースが続いており、増収増益となる見通し。M&Aで神奈川県内の4店舗を取得する予定であったが、まだ確定には至っていないようだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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