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タナベ Research Memo(8):2026年3月期売上高150億円、営業利益18億円に向け順調な進捗(1)


*15:38JST タナベ Research Memo(8):2026年3月期売上高150億円、営業利益18億円に向け順調な進捗(1) ■今後の見通し

2. 中期経営計画の概要
タナベコンサルティンググループ<9644>は、2022年3月期から5ヶ年の中期経営計画(2021~2025)「TCG Future Vision 2030」をスタートさせている。同社が従来から強みとしてきた経営戦略の策定(上流)をアップデートするとともに、現場におけるマネジメント実装・オペレーション(中流~下流)もデジタル技術を駆使する「プロフェッショナルDXサービス」として強化し、企業経営を一気通貫で支援できる唯一無二の「経営コンサルティング・バリューチェーン」の構築を進め、成長を加速していく戦略だ。

業績数値目標については、最終年度となる2026年3月期に売上高150億円、営業利益18億円、ROE10%、ROA15%を掲げ、2022年3月期実績を起点とした4年間の年平均成長率では、売上高で9.1%、営業利益で18.1%を目標としている。また、収益性についても営業利益率で2022年3月期の8.8%から12.0%に、ROEで同5.4%から10.0%に引き上げていく。付加価値の高いチームコンサルティングサービスを中心に伸ばしていくことで収益性を高めていく。新型コロナウイルス感染症拡大前の2015年3月期から2020年3月期までの5年間の年平均成長率は、売上高で3.6%、営業利益で5.3%と堅実な成長を続けてきたが、2020年3月期以降はM&A戦略の推進によりDX支援サービスなど成長性の高い分野を取り込むことで、成長を加速していく戦略となっている。M&Aでグループ化した子会社とのコンサルティングメニューの共同開発、並びに顧客の相互送客を行うなど協業に取り組んできた結果、チームコンサルティング契約数の増加、並びに顧客当たり売上高の増加につながるなど、グループシナジーの効果が業績面でも顕在化してきており、現段階までは順調に進捗しているものと評価される。

同社は2023年3月期より、売上高の内訳として経営コンサルティング領域を「ストラテジー&ドメイン」「デジタル・DX」「HR」「ファイナンス・M&A」「ブランディング&マーケティング」という5つの領域に分類し、これに「プロモーション商品」を加えた6つのカテゴリーで開示している。2023年3月期の売上高は期初計画に対して450百万円の上方修正を行ったが、すべてのカテゴリーで上方修正しており、なかでもHR分野が170百万円の増額となっている。サステナビリティ経営を推進する企業が増えるなかで、多様な働き方を実現するための環境整備、人事制度改革をテーマとしたコンサルティングニーズが増加していることが要因と見られる。また、プロモーション商品も100百万円の増額となっているが、保守的な計画を立てていたことが要因となっている。

2026年3月期までに最も売上を伸ばす計画となっているのは「デジタル・DX」領域で、2023年3月期の2,460百万円から5,000百万円と約2倍増を目標としている。そのほかの経営コンサルティング領域については年平均成長率で1ケタ台の成長を見込んでいるが、各領域ともに潜在的な需要は大きいことから今後の展開次第では計画を上回る可能性も十分あると弊社では見ている。一方で、「プロモーション商品」については非注力分野ということもあり2023年3月期の650百万円から500百万円に減少する保守的な計画となっており、ブルーダイアリーは横ばいから微減傾向が続く見通しとなっている。各領域の事業環境と売上計画、強化ポイントについては以下のとおり。

(1) ストラテジー&ドメイン
「ストラテジー&ドメイン」領域の売上高は2023年3月期の2,760百万円から2026年3月期は3,000百万円、年平均成長率で2.8%と堅実な成長を見込んでいる。同領域は、中長期ビジョンやビジネスモデルの構築、サステナビリティ経営といった経営戦略の策定や、事業別成長戦略の構築等の経営コンサルティングサービスとなり、同社が従前から得意としてきた経営コンサルティング・バリューチェーンの上流部分に該当する。

景気の先行き不透明感が強まるなかでも、中長期ビジョンの構築や新規事業開発、ビジネスモデル変革、グローバル戦略、SDGsなどの戦略テーマに関するコンサルティングニーズは大企業や中堅企業で根強くあり、こうしたニーズに対して地域密着型のトップマネジメントアプローチを行うことにより、チームコンサルティング契約の積み上げを図っていく方針だ。

(2) デジタル・DX
「デジタル・DX」領域の売上高は2023年3月期の2,460百万円から2026年3月期は5,000百万円、年平均成長率で26.7%と高成長を見込んでいる。同領域では、ウィズコロナ時代におけるリアルとデジタルによるハイブリッドマーケティング、業種別ERPシステムの導入と運用、DXによる生産性改革、UX/CXデザイン、ブランディングDX、採用マーケティング、サプライチェーンマネジメントなどをテーマとしたコンサルティングニーズが旺盛であり、こうしたニーズを取り込んでいく。

ここ数年、経営のDXに取り組む企業が増えているものの、地方企業や中堅以下の企業ではDX人材が不足していることもあり、DXの取り組みは首都圏の大企業と比べて遅れている状況にある。同社にとっては全国10拠点に事業所を展開している強みが生かせる領域であると同時に、リーディング・ソリューションやグローウィン・パートナーズ、ジェイスリーなどにこれら地方の顧客企業を紹介し、受注に結び付けていくといったグループシナジーが発揮される領域でもあり、今後の成長余地は大きいと弊社でも見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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