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Bエンジニア Research Memo(5):2ケタ増収増益により過去最高値を大幅更新。9期連続増収を達成(1)


■業績動向

1. 2022年8月期の業績概要
Branding Engineer<7352>の2022年8月期の連結業績は、売上高が6,870百万円(前期比60.4%増)、営業利益が195百万円(同52.9%増)、経常利益が200百万円(同51.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が134百万円(同77.7%増)となり、売上高・各利益ともに創業来最高数値を達成した。売上高は期中に上方修正も行い、結果として期初予算比16.4%増と計画を大幅に上回って着地し、9期連続増収を達成した。エンジニア集客のための広告や採用関連への積極投資が、飛躍的な売上拡大へとつながった。営業利益は、ストック収益の源泉であるエンジニア獲得をねらった積極的な広告投資が奏功し、社内の期初想定を大幅に上回る着地となったもようだ。

市場環境は、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)以降大きく変化はしていないが、ITエンジニアの需要は旺盛な流れが続いている。これは同社にとって追い風となる要因の1つであるとともに、時代の流れを勘案すれば必然であるとも言える。業界内の動向については、IT領域でのニーズがプロジェクトの分散化により細分化されている傾向にある。その背景には社内にプロジェクトマネージャーが在籍しておらず、プロジェクト推進のノウハウが蓄積されていない企業が多いことが挙げられる。これによりITコンサルティング企業は飛躍的に業績を伸ばしている。細分化された大量のニーズは当初SaaSで賄っていた傾向にあったが、企業がプロジェクトマネジメントのノウハウを身に付けていくにつれて自社でエンジニアチームを組成しようとする動きが予測される。同社ではこれらの需要による求人を確保することで適切なエンジニアの集客を行っていく。エンジニアの集客には余力がまだあるため、案件数を増やすことでさらなるエンジニアの確保が期待できる。

オフィス移転やM&Aコスト等、一時的なコストを控除した調整後営業利益は302百万円(同107.1%増)となり、前期調整後営業利益146百万円と比較して2倍超の大幅成長となった。中長期に向けた積極的な投資活動を実施してきた結果が、当期の売上・各利益等の向上に大きく寄与したと言える。

販管費は1,878百万円(前期比51.8%増)となった。中長期の事業成長を見据えて前期を超える大規模な投資を実行したほか、エンジニア獲得の広告投資や採用投資、M&Aなどに積極投資を行った。その結果、エンジニアを集客するための広告費が442百万円(同67.2%増)、人材採用のための採用関連費が102百万円(同25.8%増)と増加した。また、人件費も812百万円(同44.2%増)と増加したが、売上高に対する人件費率は2021年8月期が13.1%、2022年8月期が11.8%と継続して良化し、収益性は高まってきている。これは自社システムによるDX推進が、マッチング精度の向上と案件当たりの時間的コストの削減に大きく寄与したためである。2023年8月期はさらなる採用注力により売上高の拡大をねらう。なお、第4四半期においては採用の停滞により、外部人件費として支払手数料が一時的に増加した。

同社が行う広告宣伝は、すべて直接広告であり間接広告は行っていない。直接広告は特定の対象に訴えることにより、少ない費用で効果的に広告目的を達することができる即効性があると同時に、広告投資を継続していくことで間接的に認知を積み上げていくことが可能である。同社は積極的な広告投資を継続しており、認知拡大による広告パフォーマンスの向上により、費用対効果は将来的にさらに高まっていくものと弊社では見ている。

2. セグメント別業績動向
(1) エンジニアプラットフォームサービス
エンジニアプラットフォームサービスは、売上高は6,069百万円(前期比56.9%増)、セグメント利益は698百万円(同42.2%増)となった。主力であるMidworks事業は売上高5,463百万円(同59.1%増)、事業利益534百万円(同55.2%増)となった。ITエンジニアの求人倍率は、コロナ禍においても堅調に推移しており、好調な市場環境を背景に新規取引先の獲得や広告経由で獲得したITエンジニアのスキルに適した案件獲得に注力した。また、広告費及び採用関連費の増加やマッチング精度の向上、営業力強化によりエンジニア稼働数は継続して過去最高を更新した。エンジニア登録者数も堅調に推移した。2023年8月期もエンジニア獲得のための積極投資を継続し、稼働数の更新を計画している。

(2) マーケティングプラットフォームサービス
マーケティングプラットフォームサービスは、売上高779百万円(前期比88.3%増)、セグメント利益160百万円(同54.5%増)となった。Webマーケティングコンサルティングへの事業領域の拡幅が好調に推移し、セグメント単体でも増収増益にて推移した。Webマーケティングの手法は多様化しており、インターネット広告市場規模は年々拡大している。今後もWebマーケティングのコンサルティング需要は拡大傾向が見込まれ、エンジニアプラットフォームサービスとのシナジーを発揮することで、全社業績をさらにけん引していくものと弊社は分析する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)

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