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日本電技 Research Memo(8):産業システム関連事業で業容が拡大


■日本電技<1723>の業績動向

3. セグメントの状況
空調計装関連事業は、受注工事高が21,626百万円(前年同期比27.5%増)、内訳は新設工事が8,022百万円(同68.9%増)、既設工事が13,603百万円(同11.4%増)となった。一方、完成工事高は9,721百万円(同8.6%減)、内訳は新設工事が4,251百万円(同10.0%増)、既設工事が5,470百万円(同19.2%減)となった。制御機器類販売の受注高及び売上高は129百万円(同6.2%増)となった。この結果、空調計装関連事業の受注高は21,755百万円(同27.4%増)、売上高は9,851百万円(同8.4%減)となった。

産業システム関連事業は、受注工事高が1,891百万円(同11.4%増)、完成工事高が1,580百万円(同20.5%増)となり、制御機器類販売の受注高及び売上高は131百万円(同0.5%減)となった。この結果、産業システム関連事業の受注高は2,022百万円(同10.5%増)、売上高は1,711百万円(同18.6%増)となった。

2023年3月期第2四半期の取り組みとして、空調計装関連事業の新設工事において、全国の案件情報を集約することで最適な営業・施工体制を構築し、既設営業との連携強化によりメンテナンスにつながる選別受注を進めている。既設工事では、メンテナンスサービスの品質向上と価値提供の拡大、脱炭素社会に対応した提案、将来を見据えた協力会社の体制構築を推進している。このうち価値提供では、省エネや運用サポートのメニューを拡充し、機器の稼働状況の把握・制御などにより顧客との関係を深め、長い付き合いにつなげていく方針だ。また、協力会社の体制構築としては、人的ボトルネックを解消することで長期的なキャパシティを確保する考えで、後継者不足や人材確保の観点から協力会社に資本投下し、NDテックサービス(株)を子会社化した。今後も協力会社への資本投下の動きは続きそうだ。

産業システム関連事業では、組織再編、グループ企業としての確立、基盤構築のための投資を進める。組織再編では、事業部制を背景に現場従事者の柔軟で効率的な配置、営業情報の事業部全体での共有、エンジニアリング教育の充実による人材育成の強化などを進めている。グループ企業としての確立では、子会社のジュピターアドバンスシステムズとの連携を強化し、同社の産業システム(計装)とジュピターアドバンスシステムズの生産管理システムをワンストップで提案することで、工場のスマート化など顧客のニーズに対応していく方針である。基盤構築としては、展示会への出展を継続するほか、事業拡大につながる業務提携やM&Aを検討するなど成長投資を継続する。

この結果、空調計装関連事業の受注工事高は、新設工事で事務所及び工場向け物件などが増加、既設工事では教育施設や事務所向け物件などが増加した。完成工事高は、新設工事で事務所や倉庫施設向け物件などが増加したものの、既設工事では事務所や放送施設向け物件などが減少した。業況が弱く見えるが、日本テレビタワーや大型病院など前年同期の大型新設・既設物件の計上がなくなったこと、首都圏再開発など2024年3月期に計上予定の進行中の大型物件が多いことが要因で、数値的に踊り場を形成したに過ぎない。産業システム関連事業では、受注工事高は電気工事などが増加し、完成工事高は電気工事や産業用ロボット関連工事などが増加した。前期に受注した物件の完成工事が進んでおり、順調に業容を拡大していることがわかる。また、プラントメーカーとの連携を強化しており、直近ではプラントメーカー経由の案件が増加傾向にあるようだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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