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ギフトHD Research Memo(8):2024年10月期に売上高250億円、経常利益25億円を目指す


■中期経営計画

ギフトホールディングス<9279>は2021年12月に中期経営計画を策定した。事業拡大と変革(innovation)を成長戦略とし、2024年10月期に売上高250億円、経常利益25億円、店舗数856店を目標に掲げている。事業拡大では「既存事業の拡大」と「新業態・新事業の開発」によって、変革(innovation)では「標準化・単純化の推進」「DX・ダイバシティの推進」「グローバルプラットフォームの構築」によって成長を目指す。

1. 成長戦略
(1) 事業拡大
a) 既存事業の拡大
既存事業の拡大としては、投資収益性を考慮しなから出店エリアを選定し、直営店及びプロデュース店ともに出店を加速することで、利益の最大化と高利益率の維持を図る。全国の出店エリアを「人口集中エリアとラーメン高消費エリアの直営店」「地方エリアのプロデュース店」に分け、直営繁盛店の出店を継続するとともに、直営店のノウハウを生かしたプロデュース店の増店を加速させる。

b) 新業態・新事業の開発
新業態開発や出店強化により、出店済みゾーンのさらなる拡大を図るとともに、駅ナカやSC内・フードコートなど未出店ゾーンへの進出を加速させることで、事業ポートフォリオの最適化を目指す。

(2) 変革(innovation)
a) 標準化・単純化の推進
同社はこれまで、成長戦略として「商品改革」「オペレーション改革」「製造・物流改革」の3つの改革を実施し、チェーンストアシステムの高度化を図ってきた。2021年12月に策定した中期経営計画においても、引き続きチェーンストアシステムの高度化を戦略の基盤とし、改革項目を組み合わせて横展開することで、質の追求と効率化の加速させる方針だ。実際、3つの改革を確実に実行することで業務の標準化・単純化は推し進められていることから、人時生産の向上などを含む成果を収益パッケージとして形成し、プロデュース店やバックオフィスに横展開している。また、仕組化(標準化・単純化)することで生産性・品質向上サイクルの確立も目指している。

b) DX・ダイバシティの推進
同社は、店舗、工場、プロデュース店、バックオフィスへのDX・ダイバシティ推進を目指し、「ギフトDXビジョン」を制定した。DX化としては、利便性向上を目的に株主優待券の電子化やキャッシュレス化の推進、順番待ち&予約受付システムの導入を行ったほか、クラウド化を推進することで環境に左右されないバックオフィス体制を構築した。また、DX推進のためにCIO(情報統括役員)人材の獲得も進めているようだ。一方、ダイバシティの推進としては、女性管理職比率の社内目標を設定したほか、外国人労働者を積極的に活用する方針を掲げている。

c) グローバルプラットフォームの構築
海外事業としては、米国に直営店2店、アジアにプロデュース店14店を展開している(2022年10月期第3四半期末時点)。今後は、直営店及びプロデュース店・FC店の海外展開モデルをプラットフォーム化することで海外事業の収益化を図っていく方針で、海外の開発人員を5倍に増員した。特に、日本の3倍の飲食市場規模にもかかわらずラーメンマーケットシェアは数分の1である米国に大きな成長余地があるとし、直営店及びプロデュース店・FC店を展開していく。一方、米国以外(主にアジア)については、プロデュース店を中心に出店を加速させる方針だ。プロデュース店・FC店の展開拡大に向け、ローカル資本との提携を模索している。

2. 中期成長イメージ
コロナ禍第7波の到来による人流の減少及び労働力不足にもかかわらず、2022年10月期第3四半期は過去最高の四半期売上となるなど、同社は堅調な業績を確保している。また、人材確保も進んでいる。同社では中期経営計画に基づき出店ペースを加速させており、最終年度である2024年10月期の業績達成に向けた弾みになると弊社では見ている。同社のさらなる中期成長に期待したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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