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酒井重 Research Memo(5):期初予想を据え置き、前期比10.2%増収、同8.4%営業増益を見込む


■今後の見通し

● 2023年3月期の業績見通し
酒井重工業<6358>の2023年3月期の連結業績は、売上高で29,300百万円(前期比10.2%増)、営業利益で1,500百万円(同8.4%増)、経常利益で1,450百万円(同3.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で950百万円(同33.4%減)を見込んでいる。第1四半期の業績が比較的堅調であったが、先行きは未だ不透明であることから期初予想を据え置いた。

親会社株主に帰属する当期純利益が減益となるのは、前期に発生した一過性の繰延税金資産計上(381百万円)の剥落が主因である。所在地別の売上高・利益の見通しは開示されていないが、各地域とも増収を目指す方針だ。世界的にインフラ投資が拡大するなか、世界の建設機械需要は底堅い回復基調であるものの、部材価格のさらなる上昇やサプライチェーン再編圧力の高まりに加え、ロシア・ウクライナ情勢の見通しなど不透明な要因も多いことから、営業利益率は前期比0.1ポイント低下する予想となっている。

既述のとおり第1四半期の業績は、国内では部品調達や製品価格転嫁の遅れなどがあったが、好調な海外市場によって全体では予想以上の結果となった。仮に部品調達や価格転嫁の遅れがなければ、さらに伸びていた可能性が高い。そのため弊社では、通期の予想もいずれ上方修正される可能性が高いと見ている。一方、同社では「今後、四半期決算を開示する時点で必要に応じて修正を行っていく」と述べており、今後の展開を注視する必要があるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)


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