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Jトラスト Research Memo(1):2022年からは本格的な成長フェーズに入り、大幅な増収増益を予想


■要約

Jトラスト<8508>は、国内外で数々のM&Aにより成長を続けてきた結果、日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業、東南アジア金融事業を中心に資産規模を拡大してきたものの、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)による世界的な経済環境悪化に直面し、抜本的な事業ポートフォリオの再編に着手した。2020年8月以降、不動産事業ではキーノート(株)(現 (株)グローベルス)、日本金融事業ではJトラストカード(株)(現 Nexus Card(株))、韓国及びモンゴル金融事業ではJT親愛貯蓄銀行(株)及びJTキャピタル(株)を売却した。その後は利益拡大に向け、成長性が高いJT親愛貯蓄銀行及びNexus Cardを再グループ化しエイチ・エス証券(株)を子会社化した。

1. 2022年12月期第1四半期の業績概要
2022年12月期第1四半期の営業収益は12,351百万円(前年同期比25.2%増)、営業利益は1,942百万円(同54.5%減)、税引前利益は3,995百万円(同34.3%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は3,628百万円(同28.2%増)となった。営業収益は、銀行業における貸出金残高増加により利息収入が好調に推移した。一方、営業利益は、前年同期にシンガポールでのGroup Lease PCL(以下、GL)関連の勝訴判決で一部履行金を受領した影響から減益となったが、主力の金融3事業は好調に推移した。また、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、子会社のNexus Bank(以下、NB)が上場廃止となったため、その株式の評価方法の変更に伴い評価益が発生したことなどにより、大幅増益となった。東南アジア金融事業の黒字化など、グループの営業実態は計画を上回るペースで改善しており、2022年12月期以降の利益成長に弾みをつけた決算であったと評価できる。

2. 2022年12月期の業績見通し
2022年12月期の連結業績予想については、第1四半期が予想を上回る業績で着地したこと、今後も安定した収益拡大が見込まれ、期初予想を上回る見込みとなったことから、各利益を上方修正した。修正後の業績予想は、営業収益71,300百万円(前期比68.5%増)、営業利益5,500百万円(同4.5%増)、税引前利益7,000百万円(同18.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益4,600百万円(同309.6%増)としている。通期業績予想に対する進捗率は、営業利益で35.3%、税引前利益で57.1%、親会社の所有者に帰属する当期利益で78.9%と好調に推移しているほか、NBとの株式交換により見込まれる負ののれん発生益は修正予想に反映していないことなどから、修正予想をさらに上回る可能性が高いと弊社では見ている。一方、期末配当予想については、期初予想(前期比9.0円増配の10.0円)を据え置いていることから、業績が上振れて着地すれば、さらなる増配も期待できそうだ。

3. 成長戦略
同社グループでは、コロナ禍による世界的な経済環境の悪化に伴い、2020年12月期より抜本的な事業ポートフォリオの再編を進めてきた結果、成長フェーズに転換した。2021年12月期は黒字化を実現し、中期業績予想として、最終年度である2024年12月期に営業収益1,152億円(2021年12月期比2.7倍)、営業利益177億円(同3.4倍)、親会社の所有者に帰属する当期利益117億円(同10.4倍)を発表した。目標達成のために、日本金融事業と韓国及びモンゴル金融事業で利益拡大を目指すほか、東南アジア金融事業の黒字化等により持続的な成長を目指しており、初年度となる2022年12月期は計画を上回る好スタートとなっている。これにM&Aによるプラス要因が加われば、さらなる増収増益も期待されることから、収益力拡大に向けた今後の戦略が注目される。

■Key Points
・日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業、東南アジア金融事業など、アジアの金融事業を中心に発展を目指す金融グループ
・2022年12月期第1四半期業績が計画を上回って着地したことから、2022年12月期の各利益予想を上方修正
・日本金融事業と韓国及びモンゴル金融事業で利益拡大を目指すほか、東南アジア金融事業の収益拡大等により、持続的な成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)


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