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エルテス Research Memo(1):相次ぐ戦略的M&Aの実行により、成長加速に向けた「変革と基盤整備」を本格化


2023年2月期がスタートしてから、早くも3件目のM&Aを公表。中期経営計画に掲げる「変革と基盤構築」、さらには「加速度的な成長サイクルの実現」に向けて、事業体制及び運営組織の刷新にも取り組む

■戦略的M&Aの概要

エルテス<3967>は、2022年4月8日付で、2023年2月期に入ってから3件目のM&Aを公表した。デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)の進展とともに、デジタルリスクの拡大やIT人材不足などの課題が顕在化するなかで、同社が展開する「デジタルリスク事業」「AIセキュリティ事業」「DX推進事業」の各領域においても、変革を伴う新たな需要や市場が生まれつつあり、同社にとってはまさに事業拡大の好機を迎えている。今回の一連の戦略的M&Aの実行は、こうした需要に迅速に対応し、成長を加速するための基盤構築に狙いがある。

1. 各M&Aの概要とその狙い
(1) 北海道札幌市を地盤とする警備会社
2022年3月10日付で、連結子会社の(株)AIKによるISA(株)(及びその子会社のSSS(株))の完全子会社化を公表した。ISAは2011年に北海道札幌市で創業し、大手電機通信工事会社を始めとした強固な顧客基盤を有する成長性のある警備会社である※。同社グループでは、創業来培ってきたデジタルリスクマネジメントの知見や、最先端のテクノロジーを活用することで、「デジタルとリアルが融合する新たな警備事業」の創出を目指しており、本件を機に、ISA及びSSSの警備事業における知見とAIKのDXソリューションの相乗効果により、AIセキュリティ事業の展開を加速する方針である。

※ISAの直近の業績(2021年3月期)は、売上高が408百万円、営業利益30百万円、SSSの直近の業績(2021年1月期)は、78百万円、営業利益4百万円となっている。


(2) 急成長のシステム開発支援会社
2022年3月18日には、システム開発支援を手掛ける(株)GloLingの完全子会社化を公表した。GloLingは、金融、物流・製造、小売、行政、通信、教育など幅広い業種・業界の企業に対して、コンサルティングから実装までのシステム開発支援を行っており、過去3年間で約82%増の売上成長を遂げている※1。GloLingのシステム開発支援に同社のセキュリティ領域の知見を付加し、さらなる成長加速を目指すとともに、大規模プロジェクトが増加しているInternal Risk Intelligence※2におけるエンジニア拡充や、各ソリューション開発の内製化といったシナジーにより、大きな収益貢献を見込んでいる。

※1 GloLingの直近の業績(2021年9月期)は、売上高が231百万円、営業利益が26百万円となっている。
※2 Internal Risk Intelligence(内部脅威検知サービス)は、過去3年間で売上が171%の成長を遂げており、中期経営計画(第1期)においては300%の伸びを目指している成長分野である。


(3) 地方銀行等に実績のあるデジタルマーケティング会社
2022年4月8日には、中国銀行<8382>等にデジタルマーケティング関連(広告運用等)のソリューションを提供しているアクター(株)の完全子会社化を公表した※。アクターは、これまでのノウハウやネットワークを生かし、他の地方銀行や金融機関向けに横展開していく構想を描いており、そのためには営業力や信用力のある企業の後ろ盾を必要としていた。一方、同社にとっても、デジタルマーケティング分野への進出強化(リスクモニタリングとの連携を含む)や、地方銀行グループを始めとする金融業界とのビジネス拡大に向けた足掛かりとして大きなメリットが期待できる。特に本件を機に、金融業界向けに需要が拡大しているInternal Risk Intelligenceの地方銀行への展開にも注力していく考えだ。

※アクターの直近の業績(2021年2月期)は、売上高が210百万円、営業利益が62百万円となっている。


2. 中期経営計画における位置付け
2022年2月期より同社は、中期経営計画「The Road To 2024」を推進している。新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけにDX化への動きが加速するなかで、新たな需要を取り込むために、創業来の「デジタルリスク事業」に加え、「AIセキュリティ事業」及び「DX推進事業」を創設し、事業構造の変革を進めていくことを最大のテーマとしている。また、3年×3期による9年の中長期を視野に入れ、1期目の3年間は「変革と基盤構築」に取り組み、2期目以降での「加速度的な成長サイクルの実現」を目指しており、今回の一連の戦略的M&Aは、まさに「変革と基盤構築」の一環として捉えることができる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)


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