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ナガイレーベ Research Memo(1):中期経営計画では2024年8月期に営業利益54億円を目指す


■要約

1. 2021年8月期(実績)
ナガイレーベン<7447>は医療白衣のコア市場※において国内シェア60%超のトップメーカーであり、高い利益率と堅固な財務内容を誇っている。2021年8月期の連結業績は、売上高が前期比2.9%増の17,563百万円、営業利益が同5.6%増の5,212百万円、経常利益が同5.5%増の5,306百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同5.0%増の3,647百万円となり、売上高は過去最高を達成した。コア市場とするヘルスケアウェア、ドクターウェアで、前期からの期ズレ物件が着実に更新されたことに加え、大型物件の新規獲得により増収となった。また周辺市場とする患者ウェアにおいてもシェアアップが進行し大幅な増収となり、厚生労働省向け(感染対策商品)の減少をカバーして全体では増収となった。利益面では、海外物流費(売上原価)の上昇があったものの、為替がやや円高となったこと、海外生産比率が上昇したことなどから、売上総利益率は同0.1ポイント改善した。さらに、広告宣伝費や旅費交通費の減少等で販管費は同0.9%減となったことから営業利益は増益となった。なお、計画に対しても上振れて着地しており、売上高は1.5%増、営業利益は2.8%増であった。

※2021年8月期より取り入れている新区分で、国内市場のうち同社のシェアが比較的高い市場のこと。ヘルスケアウェア、ドクターウェア、ユーティリティウェア、シューズ・他、感染対策商品が該当する。なお、新区分はコア市場のほか、周辺市場(患者ウェア、手術ウェア)、海外市場の3つとなる。


2. 2022年8月期(予想)
2022年8月期の連結業績は、売上高が前期比0.8%増の17,700百万円、営業利益が同3.8%減の5,013百万円、経常利益が同4.1%減の5,090百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同4.0%減の3,500百万円を見込んでいる。主力商品の拡販を図るが、厚生労働省向け(感染対策商品)の消失(315百万円)や「収益認識に関する会計基準」の適用※(売上高は20百万円減少する見込み)等により売上高は微増を予想している。一方で、為替の円安、国内加工賃の上昇、販管費の増加が見込まれることから、営業利益は減益を予想している。依然として新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の先行きに不安が残ることなどから、かなり保守的な予想と思われ、今後の動向を注視したい。また、東京証券取引所の市場区分変更に対しては、既に「プライム市場」の上場維持基準に適合したとの通知を受領済で、申請も終了している。

※2022年8月期より「収益認識に関する会計基準」等が適用されることに伴い、業績予想は新基準ベースで策定している。なお、業績への影響は軽微と予想している。


3. 中期経営計画
同社は、2020年8月期決算発表時点では、医療機関の混乱などから中期予想を算定することは困難であると判断し、中期経営計画の数値発表を見送った。しかし、市場環境等の見通しが改善し合理的な算定を行えるようになったことから、今回2024年8月期を最終年度とする中期経営計画を発表した。数値目標としては、2024年8月期に売上高185億円、営業利益54億円を掲げている。一方で、株主還元の姿勢は変わらず、2021年8月期は年間60.0円の配当、2022年8月期も同額の配当を予定している。自己株式の取得も前向きに検討していく計画であり、このような株主還元に対する同社の一貫した姿勢は評価に値するだろう。

■Key Points
・2021年8月期は、コア市場での期ズレ物件の更新や周辺市場でのシェアアップ進行により、売上高は過去最高を更新、前期比5.6%営業増益
・2022年8月期の営業利益は円安予想等で前期比3.8%減の予想であるが、保守的な印象
・中期経営計画では2024年8月期に営業利益54億円を目指す。株主還元にも積極的

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)


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