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極東貿易 Research Memo(5):変革期~発展期で持続的成長企業の実現“Change & Growth”(1)


■中期経営計画と成長戦略

2021年3月期の業績は、計画値に比べて大きく劣る結果となっただけではなく、2020年3月期を初年度とする中期経営計画「KBKブレイクスルー2023」の見直しも余儀なくされることとなった。グローバルな事業環境の変化はコロナ禍の影響のみならず、カーボンニュートラルに向けた各界のパラダイムシフト、DXを活用した未来化対応並びに環境破壊への対応が産業界の大きな改革意識をもたらしたこと等を踏まえ、極東貿易<8093>では中期経営計画「KBKブレイクスルー2023」を改訂・2年間延長した。そしてより現実に即した同社の中長期的な発展に資する取り組み計画として、2022年3月期が初年度となる新たな中期経営計画「KBKプラスワン2025」を策定した。「KBKプラスワン2025」では、前中期経営計画「KBKブレイクスルー2023」から引き続き事業ポートフォリオの最適化を実行し、注力すべき事業領域を選別し収益力の強化を目指している。また、サステナブルな社会を実現するための新分野における事業展開と投資を実行することで新たな収益の源泉を創出していく。

1. 新中期経営計画「KBKプラスワン2025」の概要
東京証券取引所の市場区分変更(2022年4月4日一斉移行)されるが、同社では「KBKプラスワン2025」のキーコンセプトとして、「プライム市場における上場維持を確実なものにする」と宣言している。2021年3月期の決算発表(5月10日)以降の株価は上昇し株価2,000円超えになっている。現時点での株価であればプライム上場基準をクリアしているが、移行基準日は6月30日であり、決して楽観できる水準ではなく、株価を注視しながら、柔軟な資本政策を遂行が求められる。

(1) 環境・社会・ガバナンス体制(ESG)
サステナブル社会を実現していくために、同社が培ってきた技術や顧客資産を生かした多様なESGビジネスを展開し、企業価値を高める。

(2) 事業戦略(事業ポートフォリオ戦略)
4つの事業部門を横断した新規事業創出のためにプロジェクトチームを設置した。また、5年間で総額50億円の投資枠(M&A)を設定した。5年~10年展望で種まきと新しい事業の柱(複数の100億円超事業)を育成する。

(3) 財務・資本戦略
ROE8%以上の水準を目指し資本効率性の向上を図る。自己資本を3年間積み増さず、資本効率性も考慮に入れながら、積極的な株主還元(前半の3年間は配当性向100%)にも取り組んでいく。

(4) 株主価値/企業価値の向上
資本コストを上回るリターンの確保とともに、東京証券取引所のプライム市場(流通株式時価総額100億円以上)の上場条件を満たすようにする。資本効率性の経営目標(2026年3月期ROE8%)はストレッチした目標ではないが、現在のROEは1.3%(2021年3月期)と厳しい状況である。現在は屈伸した状態にあるが、この後小さなジャンプ(“Change & Growth”)をするつもりでROE8%の達成を目指す。

2026年3月期の主な経営目標は以下のとおりとなる。
・連結経常利益…25億円
・ROE…8%
・配当性向…変革期である前半3年間(2022年3月期~2024年3月期)は100%を維持
・自社株買い…状況に応じて機動的に実施

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)


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