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テクマト Research Memo(10):2022年3月期業績は一時的に成長鈍化も、着実に成長を続ける見通し(2)


■テクマトリックス<3762>の今後の見通し

(2) アプリケーション・サービス事業
アプリケーション・サービス事業の売上高は10,000百万円、営業利益は700百万円と増収減益を見込んでいる。医療分野についてはクラウド型PACS「NOBORI」の成長が続くものと予想されるほか、ソフトウェア品質保証は需要の回復を見込んでいる。また、利益面では新規事業となる教育事業の垂直立ち上げやCRM分野での海外事業拡大に向けた積極投資を予定していることに加えて、一部製品において永久ライセンスモデルからサブスクリプションライセンスモデルへの移行を予定しており、一時的な減益を見込んでいる。

a) 医療分野
医療分野では、クラウドPACS「NOBORI」の成長が続く見通し。PACS市場全体におけるクラウド比率はまだ低く、オンプレミス型からのリプレイス需要が期待できるほか、小規模医療施設からの新規需要も見込まれる。一方、個人向けのPHRサービスやAI画像診断支援システム等については、時間をかけて収益化に向けた取り組みを進めていく予定になっている。

b) CRM分野
CRM分野については既存顧客の更新需要がほぼ一巡したことから、2022年3月期は足踏みする可能性が高い。同社では新規顧客開拓に向け、MAツールやSFA(営業支援ソフト)などCRM周辺領域でクラウドサービスを提供している国産ベンダーとアライアンスを組むことで、競合となるセールスフォース・ドットコムに対抗していく方針を示している。セールスフォース・ドットコムはMAツールからSFA、CRM領域に至るまで幅広いサービスを提供し、トータルパッケージとして営業提案することでクラウド型のCRMシステムの導入実績も伸ばしている。同社は国産ベンダーとタッグを組むことでセールスフォース・ドットコムに対抗し、クラウド型CRMシステムの顧客開拓を進めていく戦略であり、今後の動向が注目される。

海外市場拡大に向けては、タイの拠点をベースに日系企業の顧客件数は伸びてきたものの、現地企業や外資系企業の顧客開拓が課題となり事業規模の拡大がなかなか進まなかった。こうした課題を解決すべく、現地企業との資本提携なども視野に入れた展開を進めていく予定となっている。

c)ソフトウェア品質保証分野
ソフトウェア品質保証分野については、自動車業界向けを中心に組み込みソフトウェア開発分野については堅調な推移が予想されており、エンタープライズ系についても緩やかな回復を見込んでいる。

d) ビジネスソリューション分野
ビジネスソリューション分野では金融分野に注力していくほか、カサレアルのIT研修サービス等の動向次第となるが、コロナ禍の影響が続いていることもあり、大きな回復は想定していない。

e)教育分野
教育分野では新たに開発したクラウド型サービス「ツムギノ」の拡販を進めていく。「ツムギノ」は、2020年4月に(学)軽井沢風越学園向けに学びの個別化を実現することを目的に開発したコミュニケーション・プラットフォーム「typhoon」をベースに、校務支援システムと一体化したプラットフォームとなる。

学校教育における指導方針がこれまでの全員一斉・受動型から、自主的・探求型へとシフトするなか、教職員の負担は従来よりも増しており、ICTを活用した業務効率の向上が強く求められている。今回、開発したコミュニケーション・プラットフォームと校務支援システムを一体化した製品は他になく、後発であるがゆえに開発できたとも言える。特徴としては、教師の業務負担軽減や投資コストの低減(月額数百円/IDの利用料)を実現していること、マルチプラットフォームに対応可能なこと、また、子供が中心となるコミュニケーション・プラットフォームとして、保護者や地域の住民なども参加できるプラットフォームとして設計されていることなどが挙げられる。生徒自身が、学校内だけでなく学校外でも様々な人とコミュニケーションする機会を増やしていくことで、学びの探求や自主性などが育まれると考えてのことだ。このため、情報セキュリティ対策についても最新の技術を用いた対策が施され、情報アクセスについても細かな権限が設定されている。情報セキュリティ分野で豊富なノウハウを蓄積していることが生かされており、競合企業との差別化要因となる。

2021年1月に販売開始を発表し、4月には(学)堀井学園 横浜創英中学・高等学校、(学)新渡戸文化学園 新渡戸文化中学・高等学校が導入したことを発表している。2法人ともクチコミにより導入の検討を開始し、採用に至ったようだ。今後はクチコミだけでなく、教育関連の展示会などに積極的に出展し、認知度を高めていくことで導入校数を増やしていく考えだ。まずは私立の中高一貫校をターゲットに実績を積み重ね、将来的には公教育市場への展開も視野に入れている。私立学校では生徒獲得のための差別化戦略が必要であり、「ツムギノ」の導入効果が確認されれば、既存の校務支援システムなどからの置き換えが進んでいくものと予想される。とは言え、システムのリプレイス時期は年度末などが多くなるため、収益に貢献してくるまでにはしばらく時間を要するものと弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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