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グローブライド Research Memo(7):世界を牽引する企業としての矜持を持って社会貢献や環境問題に取り組む


■成長戦略・トピックス

3. 社会貢献活動・ESGへの取り組み
グローブライド<7990>は「ライフタイム・スポーツ・カンパニー」を掲げており、社会貢献や環境保全、そしてフィッシング市場の活性化などに積極的に取り組んでいる。これらの活動にかかる費用が同社の収益性(利益率)を圧迫する一因になっていることは事実だ。しかしながら、これらの取り組みはESGという点では極めて有意義なものであり、中長期的には同社の価値向上にポジティブに働くと弊社では考えている。

社会貢献やフィッシング市場の活性化への取り組みとしては、1976年から続けている「D.Y.F.C(ダイワヤングフィッシングクラブ)」がある。小中学生を対象としたもので、子どもたちが釣りをとおして自然との触れ合いを体験できる独自の試みは、釣りファンを増やすと同時に、次代を担う子どもたちの健全な育成に寄与することをねらいとしている。40年以上の歴史を積み重ねて、クラブ創設期の会員が子育てを終え、国内の釣り人口が拡大した90年代の会員層も親世代となり、子の世代に受け継ぐ段階に入っている。2020年はコロナ禍の影響により、社会貢献イベントやセミナーが制限されたものの、小学生を対象とした家族とのオンライン学習「のぞいてみよう!川をたどる旅~オンライン自然観察~」(多摩六都科学館と共同、全3回)を開催するなど、活動を継続した。

その他、各地の自治体や様々な団体等とタイアップし、釣りの普及や啓蒙活動に努めるほか、釣り場などの清掃活動などにも積極的に取り組んでいる。2020年も、10月第3日曜日の「水辺感謝の日」に本社周辺の黒目川、秋川などの河原で定期的な清掃活動を実施した。

環境保全活動については、2005年より長野県が推進する「森林の里親促進事業※1」に賛同し、森林管理運営を行う(一財)仁礼会と森林(もり)の里親契約を締結している。仁礼会の有する森林の一角を「グローブライド・水と緑と太陽の森林」とし、仁礼会が行う植栽、除伐、間伐、枝打などの作業費用を一部負担するとともに、森林を活用した社員研修、ボランティアを募っての森林保全などの人的支援を続け地域の森林づくりに努めている。このような活動が評価され、2016年には「長野県ふるさとの森林づくり賞」にて長野県知事賞を受賞した。また、この活動は長野県の「森林CO2吸収評価認証制度※2」に基づき次年度の森林CO2吸収量として評価・認証される。これにより一層の間伐等の促進を図ることができ、CO2削減への取り組みにもつながっている。

※1 環境活動に取り組む企業が、長野県の仲介で森林を有する県内の自治体の里親となり、企業と地域が連携し交流を深め、新しいかたちの森林づくりを行う制度。
※2 長野県の森林づくり県民税を活用した「森林(もり)の里親促進事業」における制度。地域との交流などを通じ、森林づくりに協力している企業の取り組みで「間伐等」が行われた森林について、その森林における1年間のCO2吸収量を測定、認証することで、より一層の間伐等の促進を図るもの。


また、環境への取り組みでは、環境経営の推進体制を構築している。環境マネジメントシステム管理を確実に行うことを目的に、全社横断的な組織を設置し、毎月継続的に環境方針に基づく各部門の活動状況の把握、環境法規制等の遵守状況のチェックなどを行っている。こうした努力の成果として、2007年にISO14001の認証を取得した。その他、タングステンを利用した鉛フリーの錘や生分解素材を利用した環境配慮型製品の生産・販売の強化、さらには電動リールで使用するバッテリーのリサイクル、グリーンファクトリー(工場における省資源・省エネルギー、ゼロエミッションの実現等)の推進、営業事務における環境負荷低減、太陽光発電などを実践している。

こうした活動にかかる費用は短期的な収益にはマイナス要因として働くこともあるが、中長期的には同社のブランド価値向上につながると弊社では見ている。同社の社会貢献や環境への高い意識、世界トップ企業としての矜持は、ESG投資の観点で同社の優位性をもたらすことになると期待している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)


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