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エラン Research Memo(7):2021年12月期も増収増益を予想


■今後の見通し

1. 2021年12月期連結業績予想の概要
エラン<6099>の2021年12月期の連結業績予想は、売上高が2020年12月期比15.1%増の30,000百万円、営業利益が11.7%増の2,310百万円、経常利益が8.5%増の2,330百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が5.8%増の1,530百万円としている。上期の連結業績予想は、売上高が前年同期比16.3%増の14,150百万円、営業利益が16.7%増の1,150百万円、経常利益が16.0%増の1,150百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が14.3%増の760百万円としている。

事業環境の想定として、コロナ禍の影響が継続して上期は一部エリアでの新規訪問営業が難しく、さらに公的大型病院の入札案件が2020年に急増(2019年の約2倍)した反動減も見込んでいるが、開拓余地が大きいエリアの営業人員強化、オンライン営業の活用、新人営業の早期戦略化などの施策を推進し、契約施設数及び利用者数が順調に増加して増収増益予想としている。

利益面では、人員増に伴う人件費の増加、コロナ禍で減少していた営業経費の反動増、新規事業立ち上げ費用などで、2021年12月期は2020年12月期に比べて増益率が鈍化する想定だが、期初時点では保守的な数値を公表する傾向が強いため上振れの可能性が高いだろう。

2. 重点取り組み施策
営業拠点展開では、千葉支店の新規開設、及び大阪支店の分割(第一支店、第二支店)を予定している。千葉支店は人口の多い地域をカバーする。大阪支店の分割はチーム分けによって新規開拓力をアップする。

CSセットの付加価値向上では、CSセットRとCSセットLC入院保証の普及促進・標準化に加えて、クラシコと共同開発したクラシコオリジナル患者衣、新商品・サービス「A」及び「B」(仮称。詳細はリリースまで不明)の展開を予定している。またコロナ禍で延期している外国人旅行者向けCSセット(前払決済)の開発を推進する。

さらに、退院直後の「困った」の解消を狙いとした「退院セット」の開発を予定している。退院直後~4週間程度は療養環境が大きく変化し、患者本人や家族にとって心身ともに大きな負担となるため、自宅での生活に慣れるまでの期間に発生する「困った」を総合的にサポートする。2021年12月期上期に実証実験を行い、同下期にサービス開始予定である。

物流業務については、自社配送施設数を80施設(2020年12月期は23施設)に拡大する。エランサービスについては、コールセンターの土日対応などの新サービスによって顧客満足度の更なる向上を目指し、他社の入院セット請求業務請負の拡大も推進する。

なお海外展開については、インドの医療関連商品卸会社BIHSへの出資に続いて、2021年2月にインドの病院向け洗濯会社QSWに出資した。当面はコロナ禍で活動が制限されるが、BIHS及びQSWへの投資を通じてインドの医療用消耗品流通構造やリネンサプライ市場の調査を継続し、インドにおけるCSセットの実行可能性や病院周辺ビジネスへの参入を模索するとしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)


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